フィリピンのドゥテルテ大統領が来日されているそうで、なんだかわけのわからない記事がいっぱい出回ってる。
比大統領にハシゴ外され 安倍首相「中国包囲網」は大失敗
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/192440
というのは、まぁそうでしょう。ってか中国包囲網って日本だけで特化したアイデアですから、最初っから。
デゥテルト氏は、暴言を吐いていると書かれるけど、でも正鵠を得たことも言ってるんだよ。今日RTで見たのはこれ。
米国はフィリピンを「首輪のついた犬」みたいに扱うな
US shouldn't treat Philippines like ‘dog with leash’ – Duterte
Published time: 25 Oct, 2016 08:48
https://www.rt.com/news/363996-us-philippines-duterte-troops/
だそうですよ。これはまさにそうでしょう。フィリピンならずとも、始終クーデターかまされてきた中&南米諸国もまさに同じことを思っていると思うな。
戦後、日本と西欧州諸国では自分たちが戦争に直接加わらないもんだから、アメリカ覇権の時代は何か平和だったかのような錯覚をしている人たちが大勢いるけど、それら特殊な属国群以外の周辺遅滞では、宣戦布告をしてやる戦争じゃなくて、金融、経済の人たちの利益を守ると称して現地の軍の一部と結託してクーデターを起こすという、言ってみれば地味な軍事行動を数限りなくやってきたのがアメリカ覇権つーやつです。
フィリピンもマルコスが、意味不明の民衆が叛旗を翻したみたいなヘンなクーデーターで失脚した。このへんは私にもちょっと記憶がある。
と、そういうパースペクティブで見ると、フィリピンの大統領が、お前、うるさいこと言うな、勝手いうなとアメリカに向かって独立的な発言をする現状は、一つの枠組みが終わりつつあることの一つのエピソードなのかなと思わないでもない。
もちろん、トルコのケースと一緒で、一気に付き合わなくなるとかそういうのじゃないですよ。でも、頭をあげて発言することができるという事自体がこの恐怖政治の中でどれだけ大変なことだったかと考えれば、おおお、と思わざるを得ない。
■ 東アジアをちょっと静かにさせたいの
とはいえ、私は前にも書いた通り、基本的に彼の行動はアメリカの政権はおおむね見逃してると思うんだな、と思ってる派。
意味は、南シナ海問題の鎮静化じゃないですかね、やっぱり。今のアメリカは、大統領選挙を見ればわかる通り、実際マジで岐路に立たされてると思うわけですよ。
そして、どう考えてもこのまま安定的になど行くわけもない経済つか金融の問題もあるよ。IMFがSDRでお茶濁したけど、それはいつまでもつんだよって感じだと思うし。
ということからすると、ここから数か月は何が起きるかわからないところがある。だから北東アジアに余計な揉め事を残さないって感じじゃないの?
日本にリーダーシップないから、後ろにいる狂人のネオコンに火を付けられたら何しだすかわからん、ってのも実際不安材料でしょう。
知らない間に、尖閣周辺もしっかりルーチン化された体制になってるみたいなのもこれと同じなのではなかろうかと思う。
さらに、石原氏が微妙に、しかしながら不可逆的にぶん殴られている(比喩ですよ)感じがするのもこの一環では?
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公共貨幣 |
山口 薫 | |
東洋経済新報社 |
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アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった! |
山田 正彦 | |
サイゾー |
不誠実というより、多分、よく見てる人たちの対日認識は変わったでしょう。