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ペルシャ湾岸における米の優位性、続くの?

2019-09-22 22:07:18 | アジア情勢複雑怪奇

イラン問題は、現在の局面ではミサイル問題に耳目が集まり、そこにまたプーチンの「要するにサウジは自分の人々を守れなかったって話だよな」という強烈な突っ込みというか釣りが加わり話を面白くさせている。

私は最初、これは八百長じゃないのかという線の方を強く意識していたんだけど、ペンタゴンの騒ぎを見ると米のミサイル防衛システムに対する疑念問題はやっぱり自分でもイヤであるらしいという点が見えすぎて、マジで抜かれたって不思議もないのかなという気もしてる。

前のエントリーでも書いた通り、八百長、能力不足のいずれか、またはその両方という事態のまま。

そして、思うに、中央軍とペンタゴンの意思が完全に合意でないのかも、という想定もした方がいいんだろうななどとも思ってみる。シリアでの戦闘が続いた2015年あたりはそんな感じだったし。つまり、関東軍と東京の参謀本部は別ものだ、という事態。

 

で、それはそれとして、現在、あの攻撃をイランのせいだと主張するトランプ政権は、再度イランに制裁をかけた。それも中央銀行に。


つまり、イランの現在のレジームを国際関係の中の孤児にしようという話でしょうね。イランに触った奴はみんな敵だ~みたいな感じにもっていきたい。

米国内のイラン資産および米国市民の支配下にある資産は凍結されるそうだ。

According to the US Treasury, "as a result of today’s action, all property and interests in property of these entities that are in the United States or in the possession or control of U.S. persons must be blocked and reported to OFAC."
https://tass.com/world/1079187

まぁ2015年のいわゆるイラン核合意以前に完全に戻した格好ですね。特に中国企業を狙ってるんだろうなとも思う。

 

これは以前、ウクライナでのクーデターの折に、ウクライナのネオナチと一緒にウクライナの占拠には成功したものの、クリミアの奪取に失敗して、腹いせにオバマ政権が馬鹿みたいなロシアに制裁をかけてロシアを孤児にするのだと踏ん張ったことを思い出させる。

それに応じて、自分もウクライナ泥棒に加担していた欧州各国もアメリカの指示に従わないわけにはいかず、以来長期のロシア制裁を継続して、自分んちの経済に支障をきたしてもまったく無問題というスゴイ態度を取ってる。

ということは、今回も自分で仕掛けて自分で制裁に持ち込んでいるとも一応言えるような気はする。その場合には、つまりプーチンの絶妙なタイミングの釣りである、米国産迎撃システムではサウジは守れないって話だよな、と言われることを仕掛けた側は気づかなかったということになるんだろうか。ありそうな気もする。自分は万能だと思ってる人たちだから。

 

「イランが悪い」騒動の中ロシア・トルコ・イランが会合


■ 産経、喜ぶ

これがどっちに転がるのかまたまた興味深いところですが、日本の産経は喜んでいる。

トランプ氏、国連総会で「対イラン包囲網」呼びかけへ
https://www.sankei.com/world/news/190921/wor1909210025-n1.html

 

日本には、包囲網っていう語を異常に好感してる人たちがいるらしい。

 

■ イランも国連で提案する

これに対してイランも、ローハニ大統領が国連で「ホルムズ平和イニシアティブ」なる提案を行うそうだ。

Iran to present ‘Hormuz Peace Initiative’ at UN: President Rouhani
https://www.presstv.com/Detail/2019/09/22/606807/Iran-Persian-Gulf-Hormuz-Peace-Initiative-President-Rouhani

‘Don’t send warplanes & bombs’: Rouhani to present Persian Gulf ‘peace plan’ at UN 

https://www.rt.com/news/469342-rouhani-gulf-peace-plan/


どういう内容かまだ誰にもわからないわけだけど、いやしかし、これって多分、ホルムズ海峡を巡って利害のある人たちが共同でこの地を守るべきです、みたいな話ですよね、普通に考えれば。

そうすると、それはつまり、ペルシャ湾を我が物として統治してきた英米チームにとっては大ピンチなのではありますまいか? ペルシャ湾岸における米の優位性をむしろ失うという話に見えるわけだが。

具体的には、中国海軍がイランの周辺にイランに歓迎されながら入っていきますよ状態・・・。

この話は、夏頃イランのあたりでタンカーがどうしたこうした騒いでいた頃、こうやってるとイランは中国海軍を招待する恰好になる、と、インドあたりがどうするのこれ、とか言っていたという話をちらっと読んだことを思い出させる。


折から、詳細は不明であるものの、イラン軍の中から、イランは中国、ロシアと国際水域で共同演習をする計画があるという声が出てきた。


China, Russia, Iran ‘plan joint naval drill in international waters’

https://www.scmp.com/news/china/diplomacy/article/3029819/china-russia-iran-plan-joint-naval-drill-international-waters

海域としては、オマーン海とインド洋北部と言ってるようだ。

China, Russia and Iran are planning a joint naval drill in the Sea of Oman and northern Indian Ocean “soon”, a semi-official Iranian news outlet reported on Saturday, just days after the United States blamed Iran
for a drone attack on Saudi Arabian oil facilities.

 

こうなってくると、インドが米と急接近したにもかかわらず、でもロシアと仲がいいのみならず、この間ウラジオストックでもモディ首相がロシアの兵器を爆買いするといっていたことの意味は何だったのだろうと思わないわけにはいかない。

モディさんウラジオへ、メルケルさん北京へ

場合によっては米に連れ出させる可能性があるが、中立路線を捨ててはいませんという意味ではないだろうか? つまり先読んでた、と。

 

■ 産経のぬか喜びかしら

でね、こうなった場合、イラン+中露が、米+αと一応ペルシャ湾で対立する恰好になるわけですよ。危険なドンパチをしないようにすることになるとしても、です。

であれば、日本は米+αなんだから、日本の近海で中露と対面する必要が出てきますね。

すなわち、ペルシャ湾に艦船を出したりしてる場合ではない。有志連合に前のめりだったじーちゃんたち、どうしてるかね、ほんと。

1セットしかない連合艦隊を外に出して潰されて、日本近海に船なくなりました、みたいな思い出したくない話をまたやってる気がしないでもないのが日本の軍事関係者だと思うわけですよ。

 

このへんはどうなるのかわかりませんが、ともあれ国連総会が楽しみ。

 

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