折からの「徴用工」問題に関して、韓国で開かれた会議で、
韓国で開かれた、太平洋戦争中の「徴用」についての国際会議で、北朝鮮の高官は「南北が手を取り合って日本の過去の罪を暴かなければならない」と述べ、南北が協力して日本の責任を追及すべきだと訴えました。
という発言があり、
また、会議では、韓国の与党「共に民主党」のイ・ヘチャン代表も「誤った歴史を清算して真の平和と繁栄のアジアの時代を始めなければならない」と述べたうえで、来年の3月1日が朝鮮半島で独立運動が始まって100年の節目であることを強調しました。
という発言があった、
ということは、南北朝鮮が共に、日本に対して過去の清算をしろ、という態度で一致し、さらに、来年は三一独立運動100周年だという問題まで提示しました、という話。
ところが日本のNHKの見出しは、
北朝鮮高官「南北が協力して日本の責任を追及すべき」
2018年11月16日 20時44分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181116/k10011713761000.html
これだと、北朝鮮だけが言ってるかのように見える。しかし、まぁ普通に考えて違うわけですよ。
そもそも、徴用工問題を語る上で、韓国が、韓国がといっているのが間違ってる。だってコリアンは朝鮮半島南部にしかいないわけはないから(笑)。
で、NHKのこの汚さ。イヤな野郎だなと思いますね、しみじみ。だって、朝鮮の北半分を国家承認しないのは、いつか北はなくなるはずだと思ってたらしくある日本の勝手な都合、国策であって、北にもコリアンは存在し、その北を世界の160カ国以上の国が国家承認していることは紛れもない事実。
前にも書いた通りこんな感じが現状。
■ 覚悟していないのは誰なのか
要するに、北朝鮮問題って、中露が韓国を国家承認した時に、米、韓、日も北朝鮮を国家として承認すればよかったって話じゃないんでしょうか。
現在、国連加盟国192カ国中、26カ国が承認していない。こんな図。緑は承認しているところで、グレーが承認していないところ。一見して明らかなように、日米案件だよね、これは。wikiの項目が結構詳しい。
したがって、朝鮮と書いて韓国と読むという日本国内でしか通じない勝手な構造をどうするのか、を考えないとならない。
すなわち、現在日本が考えるべきは、北朝鮮を承認すべきなのか、それともこのまま未来永劫知らん顔する気なのか、という点でしょう。
ところが、誰も、主要な人間がこの話を開けない。困ったことですよ、ほんと。
そして、北朝鮮がとっちらかったことを言っているかのような見出しで煽りながら、実は、このあたりについて誰か反応してくれることも期待してるわけでしょ。だって実際重要なのはこのテーマなんだから。
このやり方は本当に狡い。自分では旗をあげずに、誰かがとっちらかったことをしたら、あるいは外部環境が動いたら、それっと何かをしようとしてるといった恰好。
■ ずっと戦後処理問題なのだが
朝鮮の問題については、
渤海湾・黒海シリーズで去年さんざん書いた。
朝鮮・トルコ、渤海湾・黒海と「不可欠」
そして、現在のステークは何なのかといえば、2015年をピークとした1945年に終わった戦争の戦後処理。これが言ってみればジェット気流。
ところが、それを無視しまくってるのが日本なわけですね。ポツダム宣言はよく知らないとかいう話で終わったわけではない。
2015年5月にロシアが対ナチス戦勝記念日を盛大に祝い、そこに習近平国家主席と中国人民解放軍がゲスト参加し、あわせてインドも軍事パレードに参加した。当時表だって報道されていなかったように思うが、この時北朝鮮のナンバー2の金永南もこのパレードに参加していた。
続く2015年9月3日に、中国が、抗日戦勝記念日と軍事パレードを行った。ここの目玉のゲストは言わずもがなでロシアのプーチンとロシア軍の儀仗兵だったのだが、そこに韓国の朴大統領の姿があったことも重要。また、プーチンは中国に行く直前にチタというシベリア出兵(という名の介入戦争)時に日本軍が占領した町でWWIIの終結を記念した。(プーチン、チタでWWII終結記念式典)
この重要な2つのイベントを日本の報道は両方とも軽くスルーした。しかし、スルーしたからといって相手も、関係国も消え去りはしない。
で、来年2019年は、三一独立運動、五四運動の年となるわけだけど、それでもまだじっと沈黙するのが日本なのだろうか。
上海条約機構サミット、山東省青島で行われる
関東大震災←五四&三一&シベリア出兵
そしてそのオール朝鮮の後ろにはチャイナがいてロシアがいる。
つまりこれは片面講和問題ですね。
その年の春ごろから板門店で休戦の話し合いがもたれ、和平の機運が高まり始めたとき、河南省信陽に住む私達のもとに、父の姉から手紙が来たのです。
行方不明だった父たち日本人残留者の消息を周恩来が日本政府に知らせ帰国が一挙に進展しました。この時点で中国大陸に約三万人もの日本人が取り残されていましたが、その年のうちに、ほとんどが日本に帰国できました。
ドンパチが続いていたら私たち三万人はどうなっていたやら、まことに平和ほど尊いものがないと思う次第です。
これまでわが日本政府は一貫して朝鮮半島の和平阻止を計略していましたが、徴用工などの問題で居丈高になるほど、南北朝鮮は和解に進むでしょう。