トランプが6月5日、ノース・カロライナでわりと大きそうな集会に出ていた。
ノース・カロライナの共和党が主催したものらしく、その人が言うにはノース・カロライナ共和党史上最も大きなファンド・レイジング・パーティー(資金集め集会)だとのことだった。
とはいえ、会場の様子、トランプの長い長いスピーチをざっと見るに、一般人じゃなくて共和党関係者および資金出しそうな人たちに限定された集会といった感じなので、トランプがたびたびやっていた一般人向けの熱狂集会というのとは大分違う。
で、そのスピーチをアメリカの主流の局は流さなかったわけですが、イギリスのthe Sunがwebに上げてる。これです。
Donald Trump speaks at North Carolina GOP convention dinner
多分、あらゆるメディアに向かってオープンではなかったのでは? わからないけど、the Sunの映像は明らかに放映向きの映像っぽくない(ところどころピントがあってないし、離れたところから固定して撮ったっぽい)。
他に、出元がわからないけどthe Sunよりきれいな映像をアップしている人もいた。どこかで放映していたのか?わかりません。
PRESIDENT DONALD J. TRUMP SPEAK AT THE 2021 NC STATE GOP CONVENTION 6/5/21
というわけですが、ともあれ、確かにしゃべるトランプが登場した。
そういうわけでなのか、こんな記事が書かれる。
トランプ氏、活動再開 影響力の「実情」は|日テレNEWS24
しかし、この記事もまた、微妙におかしい。
まず、いつものように熱狂、みたいな書き方をしてるけど、上述したようにそういう相手向けではないので、拍手や歓声はあるけど、スタジアムみたいな一般人のキャーとかわ~おーとかいうタイプの熱狂ではない。むしろよく聞いてる。
また、記事の中では、トランプが最も熱を入れたのが新コロナ対策の話とあるけど、そうじゃないと思う。(重要だとしても)
なにせ、これは国内の共和党の大会。ということで、聞いてる限りでも、最も力を入れているのは、ボーダー問題、つまり国境を開けて移民を入れる政策をどうするのか問題と選挙の問題を柱として展開していたと言っていいんじゃないかと思う。
そもそも、アメリカ人の、とりわけ共和党支持者層のマジョリティでは、コロナなんか二の次でしょう。移民問題の方がずっと真剣。そしてあのスケールの不正選挙こそアメリカとして今後あってはならない問題。
そして、アメリカ・ファーストでないという意味でバイデン批判になって、その流れで、中国と組みやがってるバイデン、総じて民主党(実は共和党エリートも)という建て付け。
これは、アメリカ・ファーストに戻れ、という最近の共和党の支持層が、メインストリームが何を言おうが一貫して支持しているアプローチだと思う。チャイナとコロナの問題はこの中にあって、つまり、アメリカを立て直す方向によってチャイナは問題だ、ということ。
だがしかし、今見ると、Newsweekの日本語版も、日テレ同様、
トランプ氏「中国は世界に10兆ドル賠償すべき」 武漢ウイルス研究所起源説で
と、話をここから書き起こす。確かに言ってる。これでも少ないぐらいだ、と。
だがしかし、Newsweek.com、つまりアメリカ版を見ると、トップに上がるのは国境問題での過激な物言い。
Trump Says 'Rapists,' 'Murderers' Are Crossing Border
Trumpで検索しても、今回の集会についてはこれと、もっと共和党がらみの細かい問題のみ。
ということで、Newsweek日本語版の記事は、嘘ではないにせよ、日本語版向けに日本人が書いた記事っぽいですね。
ですので、これをアメリカでの、あるいは上述のリンクで見ているイギリス人を含めた英米の反応と見るとちょっと違うと思う。彼らは今もっと、ずっと国内の混乱を懸念している。国として何とかせなが先。中国とか勝手に大きくなりやがれ、って感じでしょう。そして、それでも今は酷いが俺らこそ一番だ、アメリカだ、という感情の盛り上がりが重要(というか、よくわかってるトランプ)。
アングロ帝国の作戦として、
ドイツ or その周辺には常にロシアがらみの過激ネタに没頭させ
日本には常に中国がらみの過激ネタを口いっぱいくわえさせる
というのがデフォなので、あんまり真面目に取らない方がいいこともあると思うな。こういうストレートなチャイナ叩きを米のピーポーが好んでいるという風に取るのは誤りの元だと思う。
あと、武漢からの漏洩だという問題は、トランプはチャイナ・ウィルスの元祖だけど、私は現状あんまり信じてない。情報機関主導の話に碌なことはないから。もっと別の角度から考えるべき問題をこっちに再フォーカスさせてるんじゃないのか、って疑ってる。ただ、何度も書いてるけどチャイナが白ってことはないだろうとも思ってる。要するに、まだよく見えてないことがあるはずだ、って感じで見てる。
■ トランプとBig Tech問題
で、それはそれとして、トランプ問題はトランプだけの問題ではなくて、明らかに、現在のBig Techによる統制問題として捉えるべき問題でしょう。
トランプをsnsから締め出し、トランプのフォロワーをフォローできなくさせていったことで、民主党側+属国群は勝ったと思っているんだろうけど、そんなにうまくいくものなのか、誰にもわからないでしょう。
そもそも、不正選挙だったんじゃないのか、という話し合いさえ行われないというのは異常でしょ? さらに、1月6日の事件をトランプの扇動にして、それをネタに弾劾しようとしてたし、今でも、何かとてつもないことをした人のように書き連ねる人が多数いる(要するに本業工作員でしょう)。
また、ワクチンの有効性などに懸念を示すとyoutubeから締め出されることを懸念して言を控える風潮が確実に存在するわけで、これもどうなの、それって感じ。
この誘導されっぱなしの状態に風穴をあけられたくない状態が現在の米の政権+それを支援した各国の現状なんだろうと思う。
トランプ1人の問題じゃなくて、この言論封殺体制がかかってしまってる。
で、これ続くの?というのが今後の課題。
■ オマケ
上で書き忘れた。そりゃ流せないわな、これ、と思う理由はいくつもあるんだけど、思い出した、これが重要。
トランプは出だしに、2020年、そう、2020、私は現職の(=二期目がかかった)どの大統領よりも票を得た、我々は素晴らしい選挙をした、と言って話を始めてる。最後の方でもさらにいろいろ結構細かいことを言ってる。
これは現在の体制にとって、まったくあり得ない、嘘、嘘、嘘なわけでしょ?だったらそう説得したらいいのに言論封殺してるのが現体制。
そりゃやっぱり流せないわけよね。だけどそれは、笑っちゃうほど小物というか、第三世界のクーデター政権にありがちな体制だろ、とか誰か突っ込むべきでしょう。おほほほほ、って感じだわ。
だがしかし、小規模とはいえともあれ流れた。そして屈してないアメリカ人も当然たくさんいる。どうなることでしょう?