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宴の始末

2016-04-12 17:45:49 | 欧州情勢複雑怪奇

今中東というか黒海周辺というかトルコの南北というかで起こっていることは、要するに宴の始末なんだなと思う。

ジハード、アルカイダ、自由シリア軍、穏健な反乱者、さらにはIS、大分前にはコソボ解放軍なんてのもあったが、これらはみんなアメリカを代表とするいわゆるthe Westの共有資産なわけですね。

で、表面的にはイスラム原理主義こそ問題だ、みたいなことを書いて書いて書きまくった15年、あるいは40年ではあったけど、どうやらそれも終わりつつあるのではなかろうかと私は思う。

いつだったかプーチン大統領が、傭兵を買うには金が要る、しかし傭兵に戦争を止めさせるにはもっと金が要る、と言っていたけど、現在の状況はまさにそれでしょう。

しかし、the Westは傭兵軍団を作ってきたことを国民には内緒なんだから、都合のいいところからは出しようがない。

さりとてこの戦略を続行していけるかというとそれもかなりしんどくなってきた。

そうだ、ロシア軍に殺してもらおう! なんじゃないですかね。

そうすれば恨みはそっちに向く。ロシア、シリア、イランに大規模掃討をやらせたら、俺ら(the West)は、やり過ぎだ、なんてことだ、と頭を抱えて出ていく、と。

■ 前の時もそうだった

これは、日本の敗戦時を連想させる。

アメリカは日本を単独で占領する予定だったようにしか思えないし、日本の支配者層もそれを望んでいたとみえる。

であれば、アメリカは日本の陸上最強部隊である大陸の関東軍、支那、朝鮮の派遣軍を自力で戦闘の末に武装解除させなければならない。

しかしそれをやると米軍に犠牲が出る。

だから原爆だ、というストーリーになっているけど、史実を見ればわかる通り、原爆が落ちたのは日本本土であって関東軍の頭上ではないから別に大陸の軍が自ら鉾をおさめようとした気配はない。

ソ連軍が大陸の日本軍を蹴散らしたところで終戦に向かったというのが本当でしょう。これで本当に日本には主たる反抗勢力がなくなったんだから。

ソ連が恐れていたのは欧州側で再度戦端が開かれること。チャーチルは英米と生き残ってるドイツ人を使ってもう一回戦争できないかと計画を立てさせた。これが有名な Operation Unthinkable(考えられないほどの作戦)。これはイギリス陸軍が拒否して終わったということになってるけど、スターリンが言うことを聞いたので不要だったと考えることもできるのではないかと私は思う。(ここ) いずれにしてもチャーチルは糞。これは不動。

そして、英米の思惑通り、日本とソ連は以降恨みあうことになった。

宴の始末にあたってはこの履歴を考えておくのは有効だろうなとか思う。しかし欧米人はあんまり気がついてないと思うけど。

 

■ アレッポのにらみ合い


ここ数日、シリア軍がアレッポを陥落させる気でいるという勢いのいい話が出回っていたのだが、今日になってロシア軍が状況説明を行っていた。

10,000 Al-Nusra militants surrounding Aleppo, plan to blockade the city – Russian military 

https://www.rt.com/news/339244-syria-aleppo-blocked-militaints/

確かにアルヌスラ(≒アルカイダのシリア支部)が10000人規模でアレッポを取り囲んでいるのは本当だ。

しかしアルヌスラ側が大攻勢をかける体勢になっているとはロシア軍は認識してない。

だからこっちから大攻勢をかける計画もないよ。

ということらしい。

 

ロシア指導者層が考えてるのは、多分一貫していて、アルカイダ他の the West が抱えた勢力をどうするつもりなんだ、というのを政治的に決着させないと終わらない、ってことでしょう。

つまり、実のところこれは、the West の宴の始末問題なんだと思う。

逆にいえば、ここで戦闘をだらだらやると、いわゆる「泥沼」になる。で、それこそthe West が望んでいることだ、と一般的には言える。

が、しかし、1980年代に始まったこの試みは既に中東では見切られている。つまり、喜んでアルカイダになってくれる人も昔に比べると少ない。

ISを売り込んで、欧州あたりから兵を募っって、昔アフガニスタンでやった「ムジャヒディーン」みたなのを作ろうとしたものの、失敗。

今日のロイターの記事にはさりげなくこんな文章もある。

この地域の先行きには暗雲が垂れている。シリアでは、中央情報局(CIA)に支援された武装勢力が、国防総省の支援を受けた武装勢力と戦っている。英国とヨルダン、そして米国の特殊作戦部隊はリビアにいる様々な敵と戦っている。破綻国家としてのリビアは、初期段階のイラクとほとんど同じようなもので、隣国にも悪影響を与えそうだ。

http://jp.reuters.com/article/us-iraq-idJPKCN0X80JZ?sp=true

米国の支援ってのが2つに分かれてて、他人の土地で勝手に内戦してる、ってことです。

もうだいぶ前から知ってる人はみんな知ってる状態だったけど、ロイター記事で翻訳された中にも出て来たなぁとか思って記念にコピペ。

しかし、自らの責任を放棄して、大変だ、大変だ、第三次世界大戦だ~とか煽ってるという点で、やっぱり腐ってるわけね。多分、煽って煽って、意味不明にあちこちで火をつけていくというゲリラ作戦の展開を一応意図してるんだろうと思う。the West 選対本部は。トルコは相変わらずアルヌスラに支援し続けてるし。

しかし、どれだけ煽っても死んでくれる兵隊をかき集められなければ、それもできない。さて、どれだけ集められるんでしょう?

あんたら、一体どれだけ他人の血から利益を得たら気がすむんでしょう、としか言いようがない。
 

the Westに求められるのは、中尊寺さん。憑き物落としてもらうしかない。


 

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3 コメント

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『アメリカ内乱でゲリラ抗争』 (ローレライ)
2016-04-13 04:50:05
アメリカ政府の内乱が現地の『下請けゲリラの抗争』になってしまった!『ロシアさんリセットして下さい』と言う身勝手な『西側』。
返信する
いやほんとに酷いものです (ブログ主)
2016-04-14 01:34:43
マジで、ほんとに酷いと思いますね、私は。
2,3年ならともかくCIAとアルカイダの付き合いは異常に長いらしいってのがだんだんわかってきたので、これって一体どう収める気なんだろう?

永遠にお前らは殺しあえっつたって、それってやっぱり限界あるでしょ。世の中そんな人でなしばかりのわけもなく、また、資金的にも無駄ですから。
返信する
自浄力ゼロの英米? (特命希望)
2016-04-14 11:33:33
風邪でお休み中の特命希望です。退屈しのぎに書かせていただきます。
ロシア国家親衛隊創設のニュースはもうご覧になったでしょうか。どこのマスコミか忘れてしまいましたが、西側寄りの自由主義反政府運動はおそるるに足らないので、むしろロシア民族至上主義のテロ対策のための組織ではないかと言う見方をする人がいました。
もしそうなら、米英はレイシズム対策でもロシアに劣ることにならないでしょうか。
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