3月21日(月)、宇都宮グランドホテル内“陽南荘”では棋王位を賭けた熱戦が繰り広げられ、ホテル平安の間では第7回「とちぎ将棋まつり」が開催された。この将棋まつりは色々なイベントによって構成され、その一つとして棋王戦の解説も行われた。私は、朝9時過ぎから夕方16時までこの会場で将棋三昧を味わせてもらった。今日はその時の様子を綴る。
朝9時10分ホテル到着。直ぐに会場に向かうと既に大勢のファンが詰めかけ、熱気ムンムンとした雰囲気。広いロビーの一角にやや高い段が設けられ、解説板も置かれていた。その前に椅子席が設えられ観客席となっていて、前3列ほどが有料で、その後ろが無料席。私は無料席の最前列に座った。有料観覧席の席料を聞くと5000円とのこと。僅か1列の差が5000円の差となるから恐ろしい。
9時半から将棋祭の開会式が始まり、実行委員長や下野新聞社社長が挨拶。今日出演の将棋棋士が紹介され、森内永世名人の姿もあった。かって将棋まつりの副実行委員長を勤めた方に、城南クリニック院長如水(じょすい)和也さんがおられる。この如水さんは大の愛棋家で、自分の苗字と同じ如水を号とする駒作り師北田君をネットで知り、駒作りを依頼するなどの交流を経て、北田君の駒が棋王戦で使われるようになったとは、宇都宮へ向かう列車の中で聞いた話である。(写真:会場内のモニターテレビで)
(この日の出演棋士)
10時頃から棋戦の解説が始まった。解説は片上大輔6段と戸辺誠6段。戦いは、「横歩取り」と言われる戦法に進んでいった。この戦法は後手佐藤天彦八段の最も得意とする戦法で、彼はこの戦法を用いての成績が20勝3敗、勝率8割7分の高勝率をあげていた。この戦法を先手渡辺棋王が受けて立つか否かに注目が集まっていたが、予想通り、王者の意地と威信をかけて渡辺は相手得意の土俵に飛び込んでいった。(写真:棋王戦を解説する片上6段と戸辺6段)
解説が一段落すると片山6段対戸辺6段の公開対局が始まり、その脇で解説が行われた。将棋を観戦しつつ同時進行で解説が聞けるのだ。将棋ファンにとって至福なときが流れていった。結果は戸辺6段の勝利。彼も又渡辺棋王と親しい間柄だ。 午前中最後に森内元名人が登壇。彼が棋王となった第31期の棋譜解説が、聞き手北尾女流2段との間で進められた。これもファンサービスの一つだろう。この棋戦、最終的に渡辺棋王が防衛を果たしたが、その結末は次回のブログで。(写真:解説する森内元名人と北尾女流)
(解説する西村9段と山口女流)