マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

『天空の星たちへ』(著:青山透子 出版:マガジンランド )を読んで

2018年07月28日 | 読書

 ”天空の星たち”とは、33年前の、日航機墜落事故で亡くなった520名の方々のことを指している。
 1985年8月12日(月)、羽田発大阪行き日航ジャンボ機123便が御巣鷹山尾根に墜落。乗客乗員524名(乗客509名・運航乗務員3名・客室乗務員12名)のうち520名が死亡するという、単独機としては世界最大の航空機事故が起こった。後日、運輸安全委員会(かつての事故調査委員会)からは、事故原因の結論として「後部圧力隔壁破損によるもので起因は不適切修理と推定される」と発表された。しかし、33年を経過した今なお、「後部圧力隔壁修理ミス」という事故原因に納得をしていない人たちがいる。
 本書の著者で、元日航客室乗務員だった青山透子さんもその一人で、本書『天空の星たちへーー日航123便 あの日の記憶』は3年前の2015年に発表され、更にはその後知った事実に基づいて『墜落の新事実』を発表している。
 あの時から33年も経ってしまったんだと思う。今更なんで「日航機の墜落」なのかと思う人は多いだろう。私自身は「墜落原因」に納得が出来ず、何冊かの本を読んでは来ていたが、記憶の闇に埋もれかけていた。
 事故当日、いわゆるスチューアデスだった青山さんは、日航の女子寮で墜落を知った。その翌日の、アンカレッジ行き勤務機のなかで、亡くなった客室乗員の半数は彼女のいたグループの先輩たちと知り、衝撃は大きかったが、その詳細を知らずにヨーロッパ勤務へ。同じ寮の落合由美さんが救出されたことを知るのもアンカレッジのホテルだった。
 11日間のヨーロッパフライトから帰国後、この間の新聞記事を熟読。客室乗務員だった先輩たちが懸命に救助活動に従事したことを知る。彼女たちの為にも「墜落原因」が何であったのかを長い年月を掛けて調査し追究してきた。その原因として「謀略説」などが語られると嫌悪感も覚えたそうな。そんな彼女が、事故原因を「後部圧力隔壁修理ミス」とする説に疑問を抱くような様々な事実を知ることとなる。彼女なりに真の墜落原因を知ろうと努めて来た30年間の、渾身の努力の結果が『天空の星たちへ』とそれに続く『墜落の新事実』に結晶されている。『墜落』では驚くべき事柄が綴られている。