妻は表題の本を読み終えて、私に回してきて、「私も家事を伝授したい」と言い始めた。
『70歳、』はその内容を妻が語り始めたこともあり、“はじめに”と目次を見て、最後まで読み終わらなくても何が書いてあるかは直ぐに分かった。
内容の概略を記しておこう。家事全く不案内の西田さんの妻は、あるとき子宮頸がんと診断された。眼科医として研究と教育に忙しかった西田さんは家事は全くの妻任せ。預金の引き出し方も知らない。そんな夫である事を知っていた妻は人生最後の数ヶ月、夫が独り暮らしができるようにと洗濯と料理の特訓をしたのだった。
妻が帰らぬ人となった後の独り暮らし。家事はとてつもなく大きな時間を占めていたことに気が付く。なんとか「ゴミ屋敷にだけはしないように」と務めるのが精一杯。「家事を始めるには、歳をとりすぎているかもしれません。ですが、自分でするしか生き延びる方法はなのです。失敗も含めて、皆様のお役にたてれば・・・」と書かれたのが本書。炊事・洗濯・掃除・家計などの苦心談が語られる。
この本を読んだ妻が「家事を伝えておきたい」と言い始めた真意は直ぐに分かった。妻の癌は完治したと私達二人とも信じているが、いつ何が起きるか分からないのが人生。西田さんほどではないが、家事の嫌いな私に色々と伝えておこうとの思いと理解した。
妻の体力が弱くなってから私の家事分担率は少し上がっていた。多分3割程度になっている。確定申告・旅行計画作成・洗濯物の取り込みなどは必ず二人でやる。食事も炒め物などの力仕事は私に回ってくる。朝食での私の貢献度は高い。食器洗いは私専門。外への買い出しや、図書館の本の受領・返却はほぼ私。室内や風呂の掃除も私。しかし肝心の食事と衣服の整理は殆どやっていない。そこで家事を伝えたいとなったのだろう。
私も薄々はその必要性は感じていたので、この際、集中して習っておこうと思った。一度に覚えられないことも多々あるだろうから、出来るだけ記録をしてもおこうとも考えた。
「Power Point」で記録しておこうかと考えたが、結論はこのブログに書くことにした。但し人様に読んで頂くのではなく備忘録的意味合いが強いので自分だけが、瞬時に読める工夫をすることにした。カテゴリーは「家事」で、非公開にしておく。必要が起これば「家事」で検索し、非公開の原稿を読めばいい。これはという調理に出合えればそれは公開にすればいいと思いついた。