3日から4日にかけての強風で、多くのソメイヨシノは花吹雪と散った反面、吉祥寺の枝垂れサクラは、見目麗しいピンクの花を咲かせていた。
この5年前にはこのような花の盛りを観ることは無かった様に思う。それ以前から植えられていた枝の、この3・4年間の成長著しく、今を盛りと咲き誇っているのだ。寺前を通る人が、山門から見える枝垂れに吃驚して足を止め、境内へと歩を進める姿を見ることも多くなった。枝垂れは六義園のみを観るものかは!
昨年、朝日新聞でここのサクラを知り、私のブログを読んで、今春にここを訪れようと、その日が来ることを待ち望んでいた人に馬場登紀子さんがいる。馬場さんは中学時代のクラス会の常任幹事で、男性幹事2名に対し、唯一の女性幹事。姐御的存在には吉田さんがいるが、彼女は世話女房型(世話女房か否かは知る由もないが)で、女性への連絡をこまめにし、女性の一団を纏めている。夫さんが、このブログで何度か紹介させて頂いた「轟亭小人閑居日記」の著者で、その名前から”広辞苑”の別名を持つ超博識の方。彼女に知らないことがあると、何でも教えて貰えるいう知恵袋を伴侶に持つ才色兼備の同級生。彼女と一番多くPCメールを交わしてきた。 4月4日(土)、本駒込駅で彼女と待ち合わせて、吉祥寺・天祖神社・冨士神社と案内し、麻布十番へと回った。妻以外の女性と二人だけでの花見は何年振りか思い出せないほど久しぶりこのことであった。
私には見なれた光景だが、初見参の彼女は、枝垂れのみならず花の種類の多いことや境内が広いこと、都心の地にありながら静かな雰囲気のある曹洞宗のお寺に驚いていた。私は取って置きの花のもとに案内した。寺裏手に咲くモモの花、濃紅の花弁が今年も咲いていた。墓地の一角には白のソメイヨシノ。(右はモモ:下はソメイヨシノか?)
麻布十番への目的は、焼き鳥屋「あべちゃん」にあった。彼女の夫さんは下戸。お二人では飲み屋的なお店にはめったに足を向けないそうで、ではいずれ私が案内しましょうということになっていた。
以前、富士前福寿会のメンバー3人でこの店を訪れたときは満席で、支店を紹介されたことがあった。今回は是非本店でとの思いから、本店に電話を入れると「14時45分開店」とのこと。やや早めについたので、街を歩き、塩専門店「塩屋」などをひやかした後、14時38分に、一番で店の前に並んだ。並ぶこと2分で、開店時刻前に入れてくれた。カウンター席が6つ、テーブル席が4つ。その奥もあった。彼女は塩で、私は特製のタレで食した焼き鳥が上手い。牛モツ煮込みが特に気に入った。従業員5人の接客態度も良い。そんな点が評判を呼ぶのか15時には満席となった。
隣のテーブル席の若い女性に厚焼き玉子が届いたのを見て、馬場さんも同じものを注文した。それが切っ掛けとなり隣席の女性2名との会話にもなった。私にはよく聞き取れなかったが、話のなりゆきから推測するに「ご夫婦ですか?」と聞かれたらしく、二人は「とんでもありません。中学校の同級生で、クラス会の幹事」の様な返答をすると、「そんなお歳になって、仲良く呑んでいるのは羨ましいです」との会話が続いた。美味しく呑める条件が揃っていた。
帰路、この近辺に菩提寺があり、この街に詳しい彼女の案内でパン屋さんを教えて貰った。彼女は夫さんに吉祥寺を案内したいと言っていた。私は、六本木まで妻とシルバーパスで来て、現在の麻布十番を見せたいと思った。
4月1日には入社式や入学式が行われていた。新たな門出となるこの日を心待ちしていた多くの若人やその親御さんたちがいた事だろう。
我が家では妻がこの日の到来を待ち望んでいた。1日からシルバーパスの購入が可能となるからだ。都バス巣鴨営業所で10,255円を支払い6か月間有効のパスポートを購入した。このパスを購入後にあちこちに行こうと、各種計画を引き延ばしていたらしく、購入後すぐに私と東京ミッドタウン内の「サントリー美術館」に向かった。巣鴨→(三田線)→神保町→(新宿線快速)→新宿→(大江戸線)→六本木 と全て都営地下鉄を利用し、帰路は逆コース。時間を計ると”ドアtoドア”が55分という短時間。 サントリー美術館では『若冲と蕪村』を開催していた。妻は予てからの心積りの通り、ここの会員になろうとしていた。会員料は、確か直前まで年会費は4,000円だったが、今回の展示を境に5,000円に値上げされていた。躊躇することなく会員となった。最大のメリットは同伴者1名が無料であること。今回の展示は開催が5月10日まで(その後MIHO MUSEUMに移動)で、この間に6回(これで全作品が鑑賞できる)は二人づれで観に行く予定らしく、入館料は1300円だから、この間だけでも1,300×6×2=15,600円と、簡単に元が取れると自慢げだ。
この日、シルバーパスと美術館のパスポートに合計15,255円もかけたが、この資本投下のお蔭で、今後は特別の出費なしで、『若冲と蕪村』のみならず他の展示も観られると嬉しげでもある。図録は10%引きで購入していたが、その図録をブログ写真に使わせてもらったり、無料で美術館に入れたり、一番得をしているのは私ということになる。
この日の夜の飛鳥山での元向丘花見には5名の参加。豫園飯店での二次会には14名の参加。右は参加の面々。
3月19日(木)から始まっていた、六義園のライトアップもまもなく幕を閉じようとしている。この間、年間パスポートの買い換えはしたが、それも600円というお安さで、都合8回はここを訪れた。花は枝垂れをのみ観るものかは、が率直な感想。”裏”に見事なサクラもあった。この間に撮影した六義園の風景の数葉。
(9時前開門あり。その時の撮影)
(撮影する人々)
(夜桜)
(辛夷が見事)
(山陰橋)