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あらすじ(「BOOK」データベースより)
大坂から江戸に出店して四年目、まさにこれから、という矢先、呉服太物商の五鈴屋は、店主幸の妹、結により厳しい事態に追い込まれる。形彫師の機転によりその危機を脱したかと思いきや、今度は商いの存亡にかかわる最大の困難が待ち受けていた。だが、五鈴屋の主従は絶望の淵に突き落とされながらも、こんこんと湧き上がる泉のように知恵を絞り、新たなる夢を育んでいく。商道を究めることを縦糸に、折々の人間模様を緯糸に、織りなされていく江戸時代中期の商家の物語。話題沸騰の大人気シリーズ第九弾!!
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シリーズ第八弾、あきない世傳 金と銀 八 瀑布篇の読書感想文はこちら。
結の所業のすごいこと‥ かわいい弱い妹じゃなく、完全に強くてしたたかな女! 幸と結、血のつながりがあるからこそのむずかしさがひしひしと伝わりました。結の裏切り、さらには商いが普通にできなくなる!? ピンチを通り越してどん底に落ちた幸と五鈴屋‥ そんな中でもひとつひとつ積み重ねてきた人とのご縁はつながっています。幸だけでなく五鈴屋の面々、形彫師や染物師が知恵を絞り状況を打開しようとします。大阪の五鈴屋の面々、治兵衛さんに孫六さん、たくさんの仲間がいます。幸の元夫である惣次は的確なヒントとアドバイスをくれます(←惣次、いい男になってる!)。そんな人とのつながりの中で、亡き兄を知る人に出会ったのもご縁。いろんなご縁が幸と五鈴屋を温かく包んでいるように感じます。いろんなご縁があるから、どん底の幸と五鈴屋は立ち上がれないほどのどん底よりちょっと上にいられたのかな。ほんのり明るい兆候が見えたところで物語は終わり、ほんのちょっとホッとしました。これからラストスパート!? がんばれ幸! がんばれ五鈴屋!