最近、「再帰的無能感」という言葉を知った。
アメリカの思想家が新自由主義の帰結としている。
競争を促進することで国民の分断を生み、内需は頭打ちになり、経済はますます低迷の一途を辿ることになった。
体制を批判したところで、何も変わらない。抵抗するよりは適応した方がよいとする「学習性無力感」の広がりが新自由主義の帰結だという。
当てはまることばかりの世の中になっている。
24日、ロシア、というよりプーチンがまさかの正面切ってのウクライナ侵略を始めた。
人と人が殺し合う戦争は絶対にやってはならないことだ。
断固、反対だ。
〝ヨーロッパの穀倉地帯〟と習ったウクライナが焦土と化しつつある映像を見て胸が痛む。
双方の兵士にも危険な地域でリポートするジャーナリストにも家族がいることを考える。
在日ウクライナ大使館が赤十字国際委員会に数千のロシア兵士の祖国への搬送支援を依頼しているという。
一刻も早く停戦のためのテーブルが必要だが、国連は無力化し、アメリカもヨーロッパも利害得失を調整して経済制裁を考えているようにしか見えない。
「再帰的無能感」は新自由主義を覆う病だが、ことの性質は違ってもプーチンの暴挙にロシア国民が反対運動を起こし、世界に反戦行動が広がっていることは解決に向けた一条の光だ。
世界が、一人が一人が無力感に押しつぶされずに声を上げ続けるしかない。