サッカーワールドカップで日本中が熱気に包まれている。
這えば立て、立てば歩け・・・か。
選手がクロアチアの赤白の〝日の丸ジャージ〟を見て頭が混乱しなければいいのだがと余計な心配をしている。
〝Bravo〟も飛び交っている。オーケストラの会場でもそろそろ解禁にならないものか。
去年あたりから「スポーツ・ウォッシング」という言葉を聞くようになった。
アメリカサッカーチームの代表としてオリンピックに出場経験のある政治学者のジュールズ・ボイコフ氏(米国パシフイック大教授)が用いている。
その意味は「スポーツイベントの一時的な熱狂が主催国の抱えるシミのついた良くない評判や慢性的な問題から国民の眼をそらす。」というものだ。
まさに、〝洗い流す〟ということだ。
中東はドバイに象徴されるように、石油資源による豊富な資金で急速に近代的な都市開発を行っている。
その工事を支えているのはインド、パキスタン、フィリッピン、湾岸諸国など海外からの移民労働者で、劣悪な環境で働かされているという。
サッカーワールドカップが開かれているカタールも例外ではなさそうだ。
パスポートも取り上げられ、奴隷のように働かせられる「カンファラシステム」により、首都ドーハのサッカースタジアムの建設で既に1,000人以上が命を落としているという。
国際的にも人権侵害の疑いで問題視されてきたが、華やかなサッカーワールドカップの陰に入ってしまっている。
まさに「スポーツ・ウォッシング」だ。
最近、「何で今なのか。」という大きな方針転換が政府から矢継ぎ早に出て来ている。
被害者から〝役に立たない〟と指摘されている「旧統一教会被害者救済法案」の国会審議入り、
国是の「専守防衛」の突如の大転換、
原発の休止期間を運転可能期間から除外して60年超稼働も可能となるような安全規制の緩和案
サッカーに釘付けになっている間にどんどん進められている。
国民民主党の玉木代表が入閣??という時事通信の特ダネまでが流れて。
たまにTVを点ければサッカー画面ばかりの毎日。
「はい次はスポーツです!」と妙にテンションの上がるアナウンサー、MCに昔から違和感を持っていたが、「スポーツ・ウォッシング」は決してビッグスポーツイベント主催国ばかりのことではなく、我々も日常的に晒されていることを感じる。
野党のディフェンスは大丈夫なのか。
日本サッカーの〝新しい景色〟より気になる。