パソコンを整理していたらカナダのナオミ・クライン(ジャーナリスト)が書いた『THE SHOCK DOCTRINE』という本の写真が出て来た。
2007年のベストセラーだ。
Amazonで注文したところ〝原書〟が届いて、お手上げなので返品したことがあった。
その時に〝記念に〟撮したものだ。
邦訳も結局読まなかったが、政変・戦争・災害などの大惨事が起きて、人々が茫然自失状態から覚める前に,それまでは不可能と思われていた社会的・経済的変革を一気にやっしまおうという概念であることは知った。
「惨事便乗型資本主義」、「災害資本主義」、「火事場泥棒資本主義」と呼ばれている。
上手い例えだ。
そうか、安倍政権から岸田政権に引き継がれている強引な政治手法がまさしくこれだ。
周りに入れ知恵する輩がいた(いる)のだろう。
北朝鮮のミサイル実験でアラートを鳴らし、幼い子供達に防空頭巾まで被せて避難訓練をさせて、内閣法制長官を代えてまでして集団的自衛権の行使を容認する「安保法制」を成立させた。
ロシアのウクライナ侵攻に便乗して中国の南西諸島での侵攻や台湾海峡の有事を煽り、平和国家としての国是であった「専守防衛」をかなぐり捨てようとしている。
そして、原発稼働方針の大転換。
まさしく、〝シヨックドクトリン〟そのものだ。
これでは危険を呼び込むばかりだ。
感情の無い能面のような表情の岸田首相は大臣をすげ替えて国民の支持率が上がるとは思っていない。
あるのは政権延命のための空疎な党内ポピュリズムだけ。
支持率が下がろうが〝火事場泥棒〟と呼ばれようが、「お構い無し」と決め込んでいるように見える。
人物の恐ろしさを見る。
止めるのは一人一人しかいないとつくづくナオミ・ラインの本の写真を見て思った。
選挙は大事だ。