14日に岐阜市の陸上自衛隊射撃場で隊員3人が18才の自衛官候補生に自動小銃で撃たれ、二人が死亡、一人が重症を負った事件。
警察が殺人容疑で送検し、現在の取り調べは陸自の警務隊が当たっているという。
実際の射撃訓練の手順を自衛隊OBがニュースショーで再現していた。
見た限りでは実弾(弾倉)は射撃の直前に指導官から渡されて装填することになっているが、捜査関係者への取材では男は小銃を撃つ位置に着く前の待機中に4発撃ったとのことである。
ということは、実弾の取扱いが手順どおりでなく、待機中に渡されていたとしか考えられない。
数名の射撃訓練が進行している中で、この自衛官候補生だけがこのようなことが可能だったとは考えられないので、現場では規則とは違った実弾の取扱いが行われていたと考えるのが自然ではないか。
政府は今後5年間に防衛費予算を43兆円にすることを計画している。
しかし、肝心の自衛隊員は今でも1万人以上不足しているという。
このままでは人員不足の中で装備が拡大してゆくのは明らかだ。
今回の殺傷事件が既に自衛隊員不足の中で銃器取扱の統制が緩んでいる、或いは隊の統制が利かなくっていることの一端だとすれば由々しき問題だ。
しかし、報道はこの不可解な点に(敢えて?)踏み込まず、捜査関係者からも何も出て来ていない不思議さがある。
動機、背景、組織の構造的問題などの徹底解明無しに、防衛費拡大計画が一人歩きして行くことはあってはならない。