百名山の十勝岳(標高2,077m)に一度だけ高校生の時に登山した。
頂上に近づくにつれて視界が悪くなり、引率のT先生の「引き返す」のひと言にメンバーの5人がぶつぶつ言いながら下山した。今、先生の正しい判断に感謝している。
標高1,000地点に登山口があり、傍にベースとなる白銀荘とキャンプ場が隣り合っている。
そこから7~8分歩いた沢に混浴で脱衣場も無い〝完璧な〟露天風呂の「吹き上げ温泉」がある。
二つの浴槽があり、源泉48℃の超高温の浴槽は主に地元の「常連さん」がアツイというより痛みに近い湯にどっぷりと浸かっている。
最初は10秒ほど入ってすぐに出て、かけ湯を繰り返しながら少しずつお湯に入る時間を延ばしてゆくのだそうだ。
もうひとつ、沢水で温度調整した「一般向け」の浴槽がある。
こちらはバイクなどの旅行者や地元の女性がTVシーンのように楽しんでいる。
時々、日本文化に触れたくて来たような陽気な外国人に出会う。
秘湯を訪ねるのが楽しみで、もう6~7回は自転車で登ってきただろうか。
今回はいつもより温度が低いように思えた。
年々、坂道を登る時間は掛かるようになってきたが、楽しみを目的地にしているので続けられているのだと思う。
急傾斜の街道も自転車ならではの達成感で湯に浸かるための誘導路と思えば楽しい。
そこで、 -街道スナップ-
札幌駅前バスセンターで「高速ふらの号」を待つ。往復4,720円(予約不要)、2時間30分でJR富良野駅に到着。
自転車を組み立て、17Km先の上富良野町まで走行開始。
上富良野町のライダーハウス「ヒグマ」に1泊して、白銀荘での自炊夕食用に肉屋に寄って上富良野町のソウル・フードの「豚サガリ(横隔膜)」を買って19Km先へ向かって出発。
「豚サガリ」は内臓肉なので食肉処理施設のある所でしか手に入らない時代があった。
新鮮なサガリをニンニク風味の秘伝のタレに浸けた肉は美味である。
10Km付近までは軽いアップダウンのほぼ平坦路が続く。
道路横に姫林檎より小さい山林檎のような木があった。
渋いけれど甘酸っぱく、山ブドウやコクワを採って遊んでいた子供の頃を想い出した。
紅葉が進んでいる。ピーク直前といったところか。
写真を撮りながら、休みながら進む。
残り10Km辺りから標識が無く、やや登りがキツくなり始める。
休憩をどんどん入れ、「そのうち着くさ」と気楽に走る。
暫く走って、次に出てくる標識は「残り2.9Km」。
ほぼ急勾配は終わって、もうすぐだ。
ここで40分の昼食タイム。
即席の生ハム〝ちくわパン〟。美味い!
100mほどで十勝岳温泉(行き止まり)と白金温泉(層雲峡へ抜ける)の分岐点がある。
直進すると日本最北の温泉「凌雲閣」がある。
露天からの十勝岳の紅葉、雪景色は素晴らしい。
今回はここから左折して目的地の「吹き上げ温泉」へ。
バス停と入山記録小屋がある。
残り2Kmは登りと下り。それほどキツクない。
富良野市街地を見下ろせる撮影スポットはあいにく雲がかかって紅葉はよく写らず。
中央に十勝岳の白い噴煙が僅かに見える
美瑛岳か?
4時間20分、到着!!