初めて北村温泉キャンプ場へ1泊ツーリングした。気温が高い割に風が心地よかった。
大豆だろうか、一人で除草している女性が見えた。農作業は根気がいりキツイ。この時期の田んぼの色は緑の絨毯だ。
「札幌からお越しの方はご遠慮願います」の看板があるだけで、受け付けは無し。無料。温泉は600円。
テントの間隔は個々人のマナーで取られており、ゴミはきちんと持ち帰りされていた。フリーサイトの極みである。
出掛ける前日にふと思いついて昔の職場の同僚のOさんにメールすると岩見沢からカブでやって来た。
徒歩で3回に分け、そしてカブで1回、四国遍路をしている旅人だ。
その時の自然風景とお寺の写真を所属する倶楽部の展覧会で観たことがあった。今はペンタックスのサイズの小さな白黒フィルムで野草などを撮っている。
本人の風貌もそうだが、牧水、山頭火、放哉の寂寥感が写し込まれているように感じた。
3年ぶりで飲んだ。
『お四国病』とういものを聞いた。
四国遍路をしていると「帰れなくなる」らしい。実際、何人かのそういう人に出会ったという。
お遍路を重ねるほど重症化する〝病〟のようだ。心地良いからなのだろうけれどそれは何なのだろう。
歩いていると何も考えなくなるという。
自転車旅でも気がついたら何も考えていないことがある。
それが心地良さか。知らないうちに『お四国病』にかかっていた。
ヒトの脳は常に他人のことを考えているから大きくなったらしい。そこから解放されるのは居心地が良いに決まっている。心のフリーサイトかも。
「捨て去り、忘れ去りしながら歩く修行の路」
帰路、久し振りに“もつ蕎麦”を味わった。どのような技を使うのだろう、鳥もつの臭みが全くない。ガラの出汁の効いた田舎打ちはいつも旨い。