オリンピックやワールドカップのような国際的なイベントがあると政治問題は棚上げされ、メディアのチェックも疎かになるという。
アメリカの経済学者でオリンピック選手団に帯同したこともあるジュールズ・ボイコフ氏がこれを「祝祭資本主義」と名付けたという。最近知った。
重要な事柄がうやむやに先送りされる可能性があるということだ。
メディアはパリオリンピックのメダル報道で溢れているが、7月30日に国会閉会中審査が開かれた。「川崎重工による防衛省への裏金問題」、「海上自衛隊の潜水訓練手当の不正受給問題」、「沖縄の米兵による少女誘拐・暴行事件の隠蔽疑い問題」などの質疑であった。
ニュース音声で聞いた政府答弁は酷いものだった。「裏金」では特別監査の報告がいつ行われるのか示れさず、「不正受給」では防衛大臣の許可が無ければ警務隊は逮捕出来ない民間人(自衛隊退職者)2名を逮捕しているにも拘わらず、木原防衛大臣は事務方の〝数秒〟の報告を受けただけで事案を認識せず、結果的には事務方が勝手に逮捕した形になっていた。
酷いのは「暴行事件」である。12月末に起きていた事件が裁判になることをきっかけに6月になって明るみになった。
上川外務大臣は「迅速に報告を受けていた。」と言いつつ、被害者のプライバシー保護、沖縄県警の非公表方針を理由に外務省から防衛省への連絡は6月になったと強弁し、「事件をいつ知ったか。」には日米の捜査活動を理由に、審議が何度止っても遂に答えなかった。
驚いたことに沖縄県を始め、関係省庁への連絡体制そのものを知らなかったことが質疑で明かになった。答えられるはずがない。このような人物が次の総理候補の一人と言うのだから呆れる。
防衛省と外務省という安全保障体制の中枢で、政治家による文民統制がいかに杜撰なものであるか、パリオリンピックの陰で浮き彫りになっている。
何か事が起きた時にこの国は大丈夫なのだろうか。
閉会中審査は衆・参半日ずつのたった1日だった。あらためて徹底的に検証、議論すべき問題だろう。「祝祭資本主義」にどっぷり浸かっている間にスルーされて行くものはないか、メディアはチェックして欲しいものだ。
ご指摘の件、すべてに政治への不信や怒りが増幅します。
そして何事にも本当の意味のプライバシー侵害は採り上げられず、都合が悪くなると「プライバシー侵害」を振りかざし、逃げよう・・或いは幕引きを・・と考える事に
さらなる怒りを覚えます。
ほんと、有権者は刮目しなくてはなりませ。