大型化して力士の怪我が多くなっているという。
そのせいかサポーター姿が目に付く。
決まり手も寄り切り、押し出しが圧倒的だ。
初代若乃花は「力士は綺麗でなくてはならない」と常々語っていたという。
稽古で鍛え、身体に絆創膏などを張ったりせず、肌を綺麗にするために日本酒以外は飲まなかったという。
理事長になってから〝土俵の美学〟を理念にしていたが、力士の美しさもその要素のひとつと思う。
ライバルの栃錦は尻の吹き出物がトレードマークだったが・・・。
その頃、栃若に限らず身体に包帯を巻いたり(昔はサポーターというものは無かった)、絆創膏を貼ったりした力士は殆どいなかったように思う。
どん底から這い上がってきた照ノ富士は稀に見る怪力力士だ。
大型なのに「投げ」を多用し、もろ差しになられても簡単に決め出してしまう豪快さがある。
残念なのは両肘、両膝のサポーターである。
しかもよく見ると肘には円形のパットのようなものが入り、ギブスのような膝のサポーターには棒状のプロテクターようなものが入っていて、鎧のようだ。
心配でなかなか外せないのだろうけれど、これが無ければ〝綺麗な横綱〟なのになぁと少し残念である。
「土俵の美学」については私も思うところがありまして・・・
実は今から7年前(2015年)の初場所に無念の引退をした「豊真将」の土俵における立派な姿に感動した都内に住む大島規義さんという高齢者が新聞に記事を投稿したのですが、その方は当時79歳で現在の私と同じ年齢だったのです。
その記事を私は大切に保存しておき、ことあるごとに何度も読み返しています。
記事の内容をそのまま書くと・・・・
豊真将の取り口はいつも真正面からぶつかる正攻法だった。
取り組み直後の所作でも勝つと指をまっすぐ伸ばし、大きく手刀を切って懸賞金を受けていた。
敗れても対戦相手への敬意と、無事にその一番を終えた感謝を込めるように土俵と相手に向かって深々とお辞儀をしていた。
端正な所作の力士は他にもいる。
だが、上位になるにつれて雑になっているように感じるのは私だけか。
例えば、行事の勝ち名乗りの最中に土俵から降り始めてしまうのは不作法ではないか。
行事がきちんと腰を落とす前に、軍配の懸賞金に手を伸ばすのはいかにもさもしげだ。
負けると憤怒の表情もあらわに土俵上で下がりを抜く三役力士。
横綱白鵬関は懸賞金の束を土俵上でこれ見よがしに掲げているように感じる。
いずれも、私には見苦しく映る。
大相撲は伝統の様式美を備えた国技である。
全ての力士は豊真将を手本に誇りと品格ある立ち居振る舞いをしてほしい。
ということなのですが楕円と円さんでしたらこの方の記事に感銘を受けた私の気持ちもわかっていただけるのではないかと思いましたので・・・