イギリスの「パブ」の語源は、「パプリックハウス」であり、「金を払えば誰でも入れる」と言う意味でのパブリックハウスだという。その起源は「ブッシュ」というもの。今年のRugby World Cupの余韻でイギリス本を読んで知った。
「ブッシュ」は、5世紀に引き上げるまでブリテン島を支配していたローマ帝国が街道に建てた「宿舎&居酒屋」だった。
近所の『島松駅逓跡』と重なる。旅客馬車と旅館、郵便局を兼ねた明治時代の施設で、帰国するクラーク博士を札幌農学校の学生が見送った場所としても有名だ。
「ブッシュ」は村の寄り合い所、社交場、娯楽施設等も兼ねていた。賭けネタのギネスブックを片手に、農民の作ったホップの入っていないどろりとした“エール”を飲んでいたらしい。
入り口にローマ神話の酒の神に捧げる「キズタ」という木の枝を下げたというから日本の酒蔵の“杉玉”とよく似た話だ。
昔の職場の先輩と月1回、近くの居酒屋に通う。5~8人ほどの小さな店だが、常連さんが仕事帰りに寄って疲れを癒やし、鋭気を養っている。世間の様子や何が関心事かが分かって、話に入っている間にこちらも昔に還り元気を貰う。
この頃、ケーキ屋さんが姿を消しているという。コンビニの進出などいろいろ要因があるようだが、形の崩れやすいケーキを持って人と会ったり家を訪問すること自体が無くなったという。
居酒屋もチェーン店が全盛だ。先日、馴染みの居酒屋に自家製沢庵漬けを持って行ったら隣の女性が言った。「番茶が欲しくなったわ。(笑)」似たもの世代の集まる場所は必要だ。
元気なうちはたまに地域の「和製パブ」に出掛けて親方やお客さんと世間話が出来ることを願っている。