🟦素直にありがとう🟦
ありがとうって言える素直さが欲しい。助けてって言える勇気が欲しい。ごめんねって言える潔さが欲しい。悲しいとき、涙を流せる弱さが欲しい。本当は弱いのに強いフリをするのをやめたい。もっと素直になりたい💟
🔲今あるしあわせ🔲
以前,インドの貧しい村の家でお昼をご馳走になったことがありました。
バナナの葉っぱのお皿にはご飯、ヤシの実をくりぬいたお椀にはカレー。
デザートもチャイも、心のこもったもの。3世代家族がワイワイと集まり、カレーの食べ方を教えてくれました。そのおいしかったこと!
私はお礼に、街から買ってきたお菓子を贈ろうとしたところ、そこのおばあちゃんがこう言ったのです。
「なにも要らないよ。あなたがここに来てくれただけで十分」
帰り際に、小学生の娘さんが、野原の白い花で編んだリースを、恥ずかしそうに差し出しました。花を摘み、時間をかけて作った、その贈り物は、どんな高価なものよりもうれしく、思わず涙が、ぽろぽろ…
私が持ってきた街のお菓子が、なんだか恥ずかしくも思えてきたのでした。
その家族は、まるで「私たちはもう十分、たくさんのものを持っている」と伝えているようにも感じられました。
「持っていない」
「足りない」
「満たされない」
という気持ちがあると、それをなにかで埋めようと、必死になります。
人と比べているからです。なにかを買ったり、ぜいたくをしたりすることで、満たされたような気持ちになります。でも、それは大きな勘ちがい。本当の幸せは、お金では買うことができないのです。
「私は持っている」
「もう十分」
「満たされている」と、足元にあたりまえにある価値に気づけたら、どれだけの人が幸せになることでしょう。
まわりの人に目を向けるのではなく、自分の心に正直に向き合うことが、幸せへの近道。幸せとは、どんな状態かではなく、感じ方の問題なのです。
あなたは、どんなことに喜びを感じますか?
家族がいること。
友達がいること。
元気で働けること。
ご飯をおいしく食べられること。
夕陽がきれいだったこと。
人を愛せること…
いまでも、十分、幸せなはずです。私たちは、たくさんの価値あるものを持っているのですから。
『いのちをいただく』のあとがきに、福岡県で助産婦をされている内田美智子さんはこう書かれています。
「私たちは奪われた命の意味も考えず、毎日肉を食べています。自分で直接手を汚すこともなく、坂本さんのような方々の悲しみも苦しみも知らず、肉を食べています。『いただきます』『ごちそうさま』も言わずにご飯を食べることは、私たちには許されないことです。感謝しないで食べるなんて許されないことです。食べ残すなんてもってのほかです」
🟥いのちをいただく🟥
牛を殺す時、牛と目が合う。そのたびに坂本さんは「いつかこの仕事をやめよう」と思った。ある日の夕方、牛を荷台に乗せた一台のトラックがやってきた。「明日の牛か・・・」と坂本さんは思った。しかし、いつまで経っても荷台から牛が降りてこない。不思議に思って覗いてみると、10歳くらいの女の子が、牛のお腹をさすりながら何か話し掛けている。その声が聞こえてきた。「みいちゃん、ごめんねぇ。みいちゃん、ごめんねぇ。・・・」。坂本さんは思った(見なきゃよかった)。女の子のおじいちゃんが坂本さんに頭を下げた。「みいちゃんはこの子と一緒に育てました。だけん、ずっとうちに置いとくつもりでした。ばってん、みいちゃんば売らんと、お正月が来んとです。明日は宜しくお願いします・・・」。(もうできん。もうこの仕事はやめよう)と思った坂本さん、明日の仕事を休むことにした。
家に帰ってから、そのことを小学生の息子のしのぶ君に話した。しのぶ君はじっと聞いていた。一緒にお風呂に入るとき、しのぶ君は父親に言った。「やっぱりお父さんがしてやってよ。こころの無か人がしたら牛がくるしむけん」。しかし、坂本さんは休むと決めていた。
翌日、学校に行く前にしのぶ君はもう一度言った。「お父さん、今日は行かんなん!(いかないといけないよ)」。坂本さんの心が揺れた。そして、しぶしぶ仕事場へと車を走らせた。
牛舎に入った。坂本さんを見ると他の牛と同じようにみいちゃんも角を下げて、威嚇するポーズをとった。「みいちゃん、ごめんよう。みいちゃんが肉にならんとみんなが困るけん。ごめんよう。」と言うと、みいちゃんは坂本さんに首をこすり付けてきた。殺すとき、動いて急所をはずすと牛は苦しむ。坂本さんが「じっとしとけよ、じっとしとけよ」と言うと、みいちゃんは動かなくなった。
次の瞬間、みいちゃんの目から大きな涙がこぼれ落ちた。牛の涙を坂本さんは初めてみた。
『いのちをいただく』西日本新聞社より📰
🟩芒種🟩
6月5日は二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」。「芒(のぎ)」とはイネ科植物の穂先にある毛のような部分のことで、芒のある穀物の種を蒔く時期という意味です。実際の稲作は、水田に種を蒔かず苗代で育ててから植え替えるので、田植えの目安とされ、農家が忙しくなる時期でもあります🌱。