⬛️誤解されがちな「自業自得」本来の意味⬛️
──「自業自得」とか「自分の苦しみは自分で作っている」と考えると、さらに自分を責めてしまい辛くなったりするような気もするのですが、そういったことはなかったのですか?
吉田さん:仏教用語でいう「自業自得」は決して自分を責める言葉ではなく、自分の行いは自分に現れる。シンプルな現象の名前というだけです。火に触れれば火傷するというような。だから苦しみのメカニズムは自分の心が作り出している。そういう仕組みなんだ、そういう風にできているんだって考えると救われた気持ちでした。
辞書で「自業自得」を引いてみました。
「自ら行った行為はその報いを自分の身に受けなければならないということ。また一般的に、自分の行為の結果を自分の身が受けること」
〜「精選版日本国語大辞典」(小学館)より
改めて見てみるとこの言葉自体に善悪の判断はありませんでした。
でも「報い」は悪い意味なのではないかと思い辞書を引いてみましたが「ある行為の結果として身に跳ね返ってくる事柄。善悪いずれについてもいう」(同じく精選版日本国語大辞典 小学館より引用)とのこと。
──私は、自分や人を責める言葉のように思っていました。
吉田さん:そう使われることが多いですが、原因があって結果があるというシンプルな原理です。でも、自業自得は人に向けてしまうと刃物みたいな言葉。包丁は自分で使うには便利だし、料理ができる。でも人に向けてしまうと凶器になりうる。