皆さんこんにちは。
私は現在、結核の患者さんを担当しています。
私は当院に入職するまでは、「結核は昔の病気」というイメージがありました。しかし、日本では毎年約18,000人が発症し、毎年約1,900人が結核で亡くなっており、「古くて新しい感染症」と呼ばれています。
結核は、結核菌に感染することによって発症する病気です。感染経路は、結核菌の混ざった飛沫が空気中に飛び散り、それを吸い込むことにより感染します(=飛沫核感染・空気感染)。多くの場合は、体の抵抗力により追い出されます。
しかし、免疫低下などにより、菌が体内から追い出されずに活動することで、咳や痰、体のだるさなどの症状があらわれます。感染しても発症する人は10%程度と言われています。
主に、
・免疫力が低下している高齢者 ・乳幼児
・糖尿病や低栄養状態など、免疫が落ちている人
・慢性呼吸器疾患
このような状態の人が発病しやすいとされています。
症状は咳や痰、発熱、体のだるさなど風邪の症状が長引くのが特徴です。また、体重減少、食欲減退、息苦しさなどが起こることもあります。
上記のような症状が続きベッド上で過ごす時間が長くなることで、身体機能が低下し、廃用症候群という病態になりやすくなってしまいます。廃用症候群とは、長期間にわたり安静を継続することで、身体能力低下や精神状態に悪影響をもたらす症状のことをいいます。
1週間寝たきり状態になると15%の筋力が低下し、3~5週間で50%もの筋力が落ちるといわれています。
廃用症候群を予防し、退院後も入院前同様の生活が送れるようにするため、リハビリテーションとしては適切な筋力・持久力トレーニングや生活・日常生活動作練習を行います。
また、様々な職種と連携をとりながら、患者さんに合った支援を行います。
当院では結核患者さんも隔離病棟ではありますが、エルゴメータ等使用し、廃用予防、持久力維持を図っています。
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【注意】
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