東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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国立病院機構 キャリアアップ研修を終えて

2019年07月12日 | 紹介

今回、「福祉職キャリアアップ研修」に参加してきたので、研修の概要と参加した感想をお伝え出来たらなと思います。

国立病院機構グループでは新人研修の他、中堅者にはこのようなキャリアアップ研修、主任や士長等の役職者には主任会や士長会と言った会合が行われ、経験を積んでいてもスキルアップが望める教育環境になっています。

今回のキャリアアップ研修の目的は臨床経験5年以上の中堅者を対象とし、役職者である主任の業務を考え、臨床に活かすことを目的に行いました。

研修の項目としては「中堅者への期待と役割・主任試験について」「主任として必要な労務管理」「国立病院機構の運営状況について」が全体研修で行われ、その他に各部門の主任による「主任になる前から出来ること」「主任になってから行っていること」「異動の経験から得られたこと」についての経験談を聞く事が出来ました。その後、他の施設の理学療法士・作業療法士の混合グループが作られ、「主任は必要か?」と言ったテーマに沿って、ワールドカフェスタイルでのディスカッションを行いました。


個人的にはワールドカフェスタイルでのディスカッションが初めてであったため簡単に今回の方法まとめたいと思います。

①複数のグループを作成しテーマについて議論します。その際にテーブルクロスのように敷かれた紙の上に個々が話し合って良かったと思う言葉を思い思いに書き出します。15分程度で議論が済んだ後、グループの一人がホストとして残り、他の仲間が他のグループへ旅立ちます。他のグループも同様にホストを残して他の人が旅立ちます。

②ホストは他のグループから来た人へチームで議論された内容を説明し、その後他から来た人たちの意見も新たにテーブルクロスに記載していきます。また15分程度で一通りの議論が済んだ後に元のグループへ戻り、他のグループで聞いた事を再び元のグループに持ち寄って議論を行い、結論を纏めると言った方法です。

自分のグループで行われた議論では主任という立場が「いる」「いらない」と分け、それぞれの意見を書いていくスタイルでしたが、他のグループでは初めから「いる」と結論を決めてから議論を交わしているなど、二つのグループだけでも話し合いの方法が違うことがとても面白かったです。

議論の内容では主任が「いらない」場合と「いる」場合とでそれぞれの理由を書くスタイルにし、「いらない」場合では辛辣な意見も出ていて「給料に見合った仕事をしていない場合」や「職場長が優秀ならわざわざ主任を置く必要はない」と言った意見の他「そもそもなにをやっているか分からない、一般職との違いが特にない」という意見が上がっていました。

反対に「いる」理由としては「職場のまとめ役が必要」、「職場長と一般職の中立の立場が必要」、「職場長の独裁にならないように必要」「職場長へ話す程のことではないが、上に報告しておきたいことを言う時に必要」「新人の教育係」「職場長が居ないときのまとめ役」「組織としての厚みのため」と言ったように「オールラウンダー」として必要とされていることが分かります。



今回参加して一番思ったことは役職者に求めることは数多くあるが、どの役職者も新しい職場で行うことは職場の雰囲気を観察し、その職場にあった自分で出来る仕事を見つけることで、初めから役職業務を行う方は少ないということでした。

今回の研修を経て、役職者に求められる事はたくさんあるが、役職として一番必要なのは「真摯さ」であることを学びました。一人よがりになることなく、他人の意見を聞き、学び、伝える大切さを改めて学べる良い機会になったと思います。


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