東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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当院の肺がんでの抗がん剤治療とリハビリの関わり方について

2021年02月18日 | 紹介
こんにちは.

東埼玉リハビリテーション科PTです。

2021年となり早1か月が経ちました。

今年の冬は寒さ厳しく、未だコロナ禍の状況ではありますが、リハビリテーション科も毎日の検温、診療のゾーニング、オンライン研修等感染対策を徹底し日々診療に携わっております。


今回は当院の肺がんでの抗がん剤治療とリハビリの関わり方についてお話しできたらと思います。

そもそも肺がんとは気管、気管支、肺胞と呼ばれる細胞ががん化した病気です。

また肺がんは組織型の違いによって大きく「小細胞がん」、「非小細胞がん」に分けられます。

その中で「非小細胞がん」は全体の約85%を占めます。

症状としては咳、息切れ、胸の痛みなどが見られます。

治療法としては手術、放射線等のほかに薬物療法があります。

そのなかで今回はオプジーボというお薬についてお話させていただきます。


従来の抗がん剤治療はがん細胞に向け直接攻撃し、増殖を抑えるものでした。

しかし正常細胞も傷つけてしまうこと、がん細胞が耐性を獲得してしまい、薬が効かなくなるという面もありました。

しかしオプジーボはがん細胞を直接攻撃するのではなく、免疫細胞と呼ぼれる細胞ががん細胞を攻撃できる環境を作ることでがん細胞への攻撃助けることができます。


当院でも免疫治療を行っている患者さんに対してリハビリを行うことがあります。

症状の一つでもある息切れに関しては運動を阻害してしまう要因となり、運動習慣の減少、活動量の低下につながります。また活動量が低下することで筋力低下も助長し、ますます活動量の低下につながり、悪循環に陥ってしまいます。

そのためリハビリでは呼吸の際、使う筋肉をトレーニングし、呼吸をスムーズにしたり、呼吸法を指導し、呼吸苦を軽減した動作指導等行います。

呼吸リハビリを行うことで息切れが改善され、楽に呼吸ができるようになると活動量が増え、QOL(生活の質)の向上につながります。

また薬物療法(免疫療法)とリハビリの併用は有用性が報告されてきています。


最後にどの疾患にも共通することですが、疾患の治療だけではなく、再発予防、増悪を抑えるためリハビリの面から介入できることを考え、スタッフ同士情報共有し、日々診療にあたっています。



下の写真は呼吸リハビリ時の様子です。

必要な方には呼吸介助、指導等行っています。