東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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新人理学療法士が重症心身障害者病棟・結核病棟を経験して

2021年01月18日 | 紹介
私は今年の4月より他病棟部門リハビリテーション科に入職した理学療法士です。


私は主に重症心身障害者病棟、呼吸器病棟、結核病棟に入院されている方に対してリハビリテーションを行っています。

入職する前の私の中での理学療法士は、脳血管疾患や整形疾患の方々に対してリハビリテーションを行い病気や手術でその方が失ってしまった能力を回復させ日常生活へ復帰することを支援する仕事というイメージがありました。

しかし、実際に入職し理学療法士として仕事をしていく中で自分の中の理学士療法士のイメージががらりと変わりました。

重症心身障害者病棟では、脳性麻痺、低酸素脳症後遺症、てんかんといった疾患を持つ方に対してリハビリテーションを行っています。

出生前、または出生直後から脳に障害を抱えている方が多い為人間が発達する中で獲得する座る・立つ・歩くといった動作を獲得していない方が多く入院しています。

自分で体位変換できない方が多く、腕や足の関節を動かせない為関節が固くなりやすく曲げ伸ばしがしにくくなってしまいます。

リハビリではゆっくりと関節を動かしたり筋肉のストレッチをして拘縮予防をしたり、「座る」機会が少ない患者様を介助しながら座る練習をしています。

特に「ポジショニング」は重心病棟に入院する患者さんにとってとても大切です。

一日の多くの時間をベッド上で過ごしている患者さんですが自分で寝返りをうったり、体の位置を変えることの出来る方は少なく多くの方はクッションやタオル等を使ってその方が安楽に過ごしやすい姿勢を作成し病棟の看護師に伝達することで病棟で実施してもらっています。

ポジショニングを作成する上で大切なのは多職種との連携です。

日ごろから長い時間患者様に関わっている看護師からの日々の様子や痰の量、食事の様子等を聞き参考にしています。

また、車椅子の作製や修理も行っています。車椅子は歩くことが困難な患者さんにとっては大切な移動手段です。

日々、患者さんの車椅子姿勢の評価を行いクッションを切ったり貼ったりして患者様の過ごしやすい姿勢へ修正したり、時には車椅子業者と連携を取り一から患者さんの体に合ったオーダーメイドの車椅子の作製を行っています。

結核病棟では、患者さんは長期の入院になる方が多いので退院に向け能力が低下しないようにリハビリテーションを行っています。

結核以外にも併発した疾患を持っている方も多く、疾患の特性を考慮しながら一人一人に合ったプログラムを考えています。

特に結核は薬による副作用が強く、患者さんの体調も変動しやすい為看護師や他のリハビリ職種と情報共有をしながらリハビリテーションを進めています。

初めて関わる疾患が多く、入職当初は戸惑いや不安も多く感じていましたが今は多くの先輩方のリハビリテーションを見学し技術や知識を沢山学びながら日々悩みながらも自分なりにリハビリテーションを行っています。そして、「どうしよう…」と悩んだ時には相談に乗ってくださる先輩方が沢山いるこの環境で仕事ができていることに感謝しています。

今後も壁にぶつかることは沢山あると思いますが、患者さんの為に最善を尽くせる理学療法士になれるよう日々精進していきたいと思います。

写真は入職する前日に近所に咲いていた花です。