みなさん、こんにちは。
東埼玉病院リハビリテーション科のブログへようこそ。
今回は、神経筋疾患の患者さんへの呼吸リハビリテーションで使用する、バッグバルブマスクについて紹介します。
みなさんは、バックバルブマスクはご存じでしょうか。
バッグバルブマスクは呼吸停止や低酸素血症、低換気を伴う人に対して
自己膨張式バッグを圧搾・開放することにより強制および補助的に換気が出来る手動式肺人工蘇生器です。
ガス供給・酸素供給源がなくても使用できます。
緊急時もしくは人工気道により管理されている人の搬送に用いることが多い医療器具です。
「ディスポーザブル・インライン・マノメーター」を付けることが可能なため、
内圧(気道内圧とPEEP圧)を測定することが出来ます。
これはバッグバルブマスクの呼気側に接続して、
圧を目視しながら換気が出来る機器で過度な圧をかけないようにします。
当院では神経筋疾患の人に対して、呼吸訓練としてバッグバルブマスクを使用しています。
神経筋疾患の人は、「胸郭・肺の可動性」や「呼吸筋力」、「肺活量」、「咳の機能」が低下しやすいです。
咳の機能が低下すると、誤嚥による上気道への異物進入の時に、
異物を排出することが困難となり、窒息する危険性が高くなります。
バッグバルブマスクを使うことにより、肺活量以上に肺へ空気を送り込むことが出来ます。
バッグバルブマスクにより空気を送り込み、
数秒間息溜めが出来る吸気量を「最大強制吸気量(maximum insufflation capacity:MIC)」と言います。
「最大強制吸気量(MIC)」は、肺実質の拡張性や胸郭の可動性と、声帯を閉める喉咽頭機能の総合的な指標となります。
バッグバルブマスクを使用して、「最大強制吸気量(MIC)」を維持することが、
微小無気肺や痰詰まり、誤嚥による窒息を予防することが重要となります。
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