旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

食べ物と健康管理2

2007年06月22日 | 旅行一般
私がまだ旅を始めた頃の事ですから今から20年以上前の事になるでしょうか。その頃は人なみにガイドブックを買ったりもしておりました。タイに行こうと考えていた私が手にしたそのガイドブックには、屋台でカオパット(焼き飯)を食べれば1食10バーツで済むという事が旅の予算の項目に書いてあったのです。さすがに、ずっと焼き飯で過ごす事は考えていませんでしたが、それでもこの記述を一部参考にもしていたわけですが、現地に行ってみて、観察してみた結果、ある意味かなり危険な情報である事に気がつきました。

情報そのものに全く間違いはありません。当時屋台でカオパットにしてもバーミーナームにしても10バーツでしたし、それだけで食事を済ませれば1食10バーツで済みます。しかし、現地の人達の中でカオパットだけ食べている人はほとんどいないという事実が欠落しています。地元の人たちは、他にも何品かの料理を集めて全体で食事にしていますし、更にかなり間食も摂っている様子でした。カオパット、10バーツで食事を済ますというのは弁当屋で白飯だけ買って毎日を過ごすというのとイメージとしてはかなり近い状態と考えてよさそうな様子でした。

私が観察した感じでは、東南アジアの蒸し暑い環境では、地元の人とはいえ少しは"夏バテ"のような症状なのか、一度に沢山の物を食べているのではなく、少しずつ、何度も様々なものを食べているように思えました。間食にフルーツを食べたり、生ジュースを飲んだり、スイーツの屋台も沢山出ています。それを全体として捉えてみれば意外なほど栄養のバランスが取れている事に気がついて"なるほど"と納得させられたものです。それぞれの国の文化や習慣というものは、それぞれの国の気候などの要因から経験的に編み出された知恵が多く含まれているもので、それを断片的に捉えないようにしないと健康を害したり大きな誤解を生んだりするものだという事です。

郷に入れば郷に従えと言いますが、現地の人たちの生活習慣をよく観察して、その知恵を取り入れる事、それから、以前でテーマにした自分の体の主張に耳を傾ける事を忘れない事が旅先での一番の健康管理法だと思います。


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