旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

参加する事に意義がある

2007年06月18日 | 旅行一般
ホームページでも宣言したとおり、先週の土曜日はお休みをいただいて、那珂川へカヌーキャンプに行ってきました。今回は私は添乗員ではなく、www.fuma.co.jpの一参加者として、子供2人を連れて参加してきた立場なので、特に役割もなく、ほんとうに数年振りに緊張感の全くない2日間を過ごさせていただきました。カヌーも楽しかったのですが、キャンプの運営が素晴らしくて、さすが"無人島チャンピオン"だけの事はあります。

さて、このカヌーキャンプの事は、是非、皆さんにも参加して体験していただくとして、私がそこで感じた事。

これは、バイクツアーに同行している時も感じる事なのですが、日本人の面白くも良い一面。私がバイクツアーに関っている現場では、現地スタッフは現地の人間、中間的な存在として私、そしてお客様という組み合わせになるのですが、そういった場面で現地のスタッフは基本的に全ての作業を私を含めたスタッフ側でやろうとします。お客様が手伝おうとすると"あなたたちはホリデーなんだから、何もしなくて良んだよ"と言っているのをよく耳にします。私は過去、タイ北部山岳地帯のトレッキングガイドを手伝っていた事があるので彼らの言う意味がわかるのですが、特に欧米の旅行者というのはお金を払った側、払われた側というのを非常に割り切って区別します。ですから少し大袈裟な表現をすれば、ツアー中はガイドをまるで奴隷のように扱う旅行者もかなり多いのです。そういった人達を日常的に相手にしている現地スタッフはお客様に何かを手伝わせる事をあまり良い事だとは考えていません。

日本人の側というのは好奇心が旺盛な部分があって、現地のガイドがやっている事の中に自分もできそうな事があったら参加したいという気持があるのと、自分達が何もする事がないのにガイドが忙しく立ち回っているのがどうも落ち着かない感じがある事を日本人である私は知っています。それに、自分達が知らない事なら、どんな風にやってるのかを見たりしたいという気持もありますね。ですから中間的な立場の私は、現地のスタッフには、「手伝ってもらう前提では考えるべきじゃないけど、"こうやってやるんですよ。"という説明くらいはした方が楽しいよ」という折衷案をとっている事が多いです。こういう説明をすると、次の日から自分達でやる人たちも出てきて、我々の仕事も楽になるというズルい作戦でもあるのですが、まんまと乗る人が多いのが日本人の良い所だと思います。(私の都合としてはとても良いです)

どちらのスタンスの方が論理的に正しいかというと、欧米人のようなスタンスの方が正しい事は間違いありません。でも、どちらの方が楽しめているかというと、自分の立場を決めずに、流動的にスタッフ側にも加わって色々な事にチャレンジしようとする日本人の側の方が楽しめていると思います。今回のキャンプで何となく自然と夕食の準備などを手伝っている参加メンバーの方々を見ていて、「ああ、やっぱり日本人は楽しいなぁ」と他の記憶と重なって思われた次第です。

旅もその場を傍観するのではなく参加する事に意義があるのかもしれませんね。


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