旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

遊びのコツ

2007年10月19日 | ライフスタイル
例えば、皆でサッカーのチームをつくるとします。もちろんプロを目指すとかではなく、休みの日に気楽に遊びでやるという想定です。仲間を募ったところ、12人のメンバーが集まりました。休日に皆で練習してみたところ、皆それほど上手くもなく、下手でもなく、技量的には似たりよったり。そして、しばらくすると、他の同じようなチームと草試合の話が持ち上がりました。

相手チームの技量はこちらと似たりよったり。上手くすれば勝つ事ができます。

前に書いたようにメンバーは12人。1人はスターティングメンバーから外れる事になります。こんな時、あなたはスタメンから外れたいと思うでしょうか。

中には外れたいと思う人もいるかもしれませんが、基本的にはここでスタメンから外れたいと思う人は最初からチームに参加していないのではないでしょうか。

さて、居に反してあなたはスタメン落ち。試合はあなたの出場機会の無いまま1-0で何とか1勝。試合後、盛り上がるチームの仲間達。この情景を想像して、あなたはどんな感じを受けますか?

皆といっしょに勝利を喜びたいけれど、何だか入り込めない孤独感?
自分が出ていれば2-0で勝っていたという勝手な想像?

いろいろだと思いますが、皆といっしょに本気で盛り上がれる人は少ないのではないでしょうか。

もう1つの感じ方。

自分は他のメンバーと違って90分走ったり汗をかいたり、怪我をしたりせずに済んで、ユニフォームも汚れず、おまけに勝利も手に入れて得した!!という他の人以上の満足感。

こういう風に感じる人は、こと遊びとなるとあまりいないのではないでしょうか。仕事の場では、そう感じる人はいっぱいいるでしょう?

私はここが遊びと仕事の違うところだと思います。仕事だったら結果だけ手に入れば満足かもしれませんが、遊びの場合は結果までの過程に自分も参加してこそ楽しめるし満足感も得られる。いや、結果よりもそちらの方の存在が大きいのではないでしょうか。

旅する事も遊びです。

よく気がつく添乗員が同行して何でもやってくれる旅行なんてどうでしょう?もしかすると人をアゴで使って、普段よりも偉くなったような気分の満足感を得られるかもしれません。何をするにも地位とか権威から離れられない人には最適の旅行かもしれません。

雑誌やインターネットで懸命に情報を集めて自分で手配をして旅する。これは旅しているのではなくて、ただ情報を処理しているだけ。旅に出たあとは"過去の"自分が立てた計画をトレースするだけで、いまひとつ主体的とは思えません。もしかすると金銭的に少し得した満足感を得られるかもしれませんが、よく考えたらこれは"仕事"の満足感では?どうしても仕事頭を切り話せない人に最適の旅行。

遊びなのですから、決まった楽しみ方は存在しないと思います。自分なりの楽しみ方を見つければそれで良いのです。ただ、あらゆる遊びを楽しむためのコツは、どれだけ主体的にその中に入り込んでいけるかという事。そのためにはリスクも負うかもしれませんが、ベンチで試合を応援するより良いでしょう?


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