旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

旅を楽しむための心構え-応用編1=リセット

2019年07月17日 | 旅行一般
 旅先では新しい発見と出会えたり、何かを学ぶことができるチャンスがあります。こういうチャンスをうまく生かすことができれば旅はより有意義なものになりますし、普段の生活をより豊かにすることに繋がったり、考え方をより豊かにする事にもつながっていくと思います。

 ところが旅先で何かを学ぼうとする場合、思いのほか難しい発想の転換が必要となる場合が多いのです。

 知識というのは基本的な知識の上に順に積み上げていくものなので、旅先で出会った新しい事物を普段の自分の知識や考えの上に積み上げようとして、普段の自分の知識や考えで”判断”してしまうのをなかなかやめる事ができません。これが何かを学ぶ機会を得る事を妨害します。結局は自分の暮らしてきた日常の範囲内で得た知識で新しい事を判定しようとしてしまう事になるのです。

 だから、なんとなく”進んでいる”と思い込んでいる欧州や米国などで出会った”新しい事物”には無条件で”進んでいる”とか、”取り入れなければ”と反応してしまう人が多いですし、”発展途上国”と括られる国で出会った”新しい事物”には”遅れてる”という印象しか抱けない事が多くなってしまいます。結局は偏見で目が曇るのをなかなか防げないというわけですね。

 旅先では、自分を取り巻く自然環境や気候をはじめとして、調達できる食糧の違いや宗教、文化の違いなど、人の生活様式に大きくかかわる基本的な条件が大きく異なるケースが多いので、私たちが普段生活している日本の環境下での条件は当てはまらないと考えて、自分の今まで培ってきた知識や常識は一旦リセットしなければ日常生活との違いにストレスを感じてばかりいることになります。

 実際には日常生活との違いがある場合こそ、旅先での学びのチャンスになるものです。だから違いを感じたら”判定”するのではなくて、どうしてそういう違いがあるのかに思いをはせてみるべきだと思うのです。そうすればそこに込められた知恵に気づく機会にもなりますし、私たちの日常にも新しい視点を持ち帰ることができるかもしれません。



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