朝日新聞の「患者を生きる」という企画で「おひとりさま、突然がん告知 そのとき仕事は」(全5回シリーズ)が始まったとfacebookで知った。私もおひとりさまでがんホルダーなので、その第一回目、ちょっと読んでみた。
(以下の文章は、上記の記事を読んでから見ていただいたほうが分かりやすいと思います。)
この記事だけではわからないことが結構多いので、早計に判断はできないが、ステージ1の診断で、治療前に彼女がめまいや吐き気で倒れたのだとしたら、それは「がん告知」によるショックからの精神的なものではないのだろうか(手術前に抗がん剤で小さくすることもなくはないので、そうしていて、抗がん剤の副作用で吐き気がしていた可能性もあるが、そこらへんのことはこの記事からはわからない)。なのに、一度の彼女のそんな体調を見て退職を勧告するなんて、その会社の無知も甚だしい。
ステージ1の彼女がショックで体調を崩したのだとしたら、あるべき対応は、彼女を安心させ、気持ちが落ち着くまで見守ってあげる周囲や会社の対応である。そうすれば、その後の不幸は簡単に防げる。
それもこれも(彼女のショックも、会社の対応も)、「がんは死の病である」という肥大したイメージのせいだ。糖尿病の透析が必要ですと言われて、テレビで会見する芸能人はいないと思うが、がんの場合、ステージ1や2でも会見する芸能人はいっぱいいる。がんがそんなに特別な病気とされるのはなぜなのか…。ステージ3から4の狭間で、テレビの仕事なんて続けながらへらへらしている私は疑問でしょうがない。私も会見して、本書いて、健康保険と税金の支払いに追われる生活から逃れたいものだ。
がんというのは半分「社会病」と言える。がん患者を助けるべく企画されたこの新聞記事でさえ、そのへんの配慮はまだまだと思える。治療の内容の是非についてはいろいろ考え方もあろうと思うが、「がん」に関して取り組むべき最大の問題は、「がん」というものの世の中の認識を変えることにあると思う。
では、「がん」はどう認識されるべきかについては、またややこしいのであらためて。少なくとも、ステージ1でこういう扱いを受けることはおかしいことだけ、今回は指摘したいと思います。
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