図書館で群像4月号。橋本治の絶筆論考と船曳建夫氏の追悼文。大学同窓だった彼は「その頃すでに橋本が僕を好きになっていたことは確かだった」とふたりの思い出を語る。人を好きになることはこんなにも苦しくて、悲しくて、しかし豊かで、人生に力を与えるのか。涙が止まらない。橋本治やはり私のメンターだ。
船曳建夫氏さらに曰く
『橋本治の「惚れた弱み」につけ込んで上に立っていた』
「惚れた弱み」ってつけ込まれてこそ。それが嬉しかったりする切なさ。でもつけ込まれながらそこで成長するのが橋本治のすごいところ。
だって、好きな人の好きなものは好きだし、だから一緒に好きなことをやれたら嬉しいもん♡で突き進む。
そして、歌舞伎に首を突っ込み、古典への道をひた走った。
そんな橋本治が私は好きだ。かわいいぞ橋本治。
船曳氏の追悼文の最後の一文は
「あと、追悼文とは、亡くなった人に読んで貰(もら)いたくて書くのだということにいま気付いた。」
そして、その追悼文を読んだ鷲田清一氏は朝日新聞の「折々のことば」でこう書いた。
「真にかけがえのない人には、目下思い煩っていることを面と向かって言えない。」
そうだとは思うけれど、本当は面と向かって聞いて欲しい。けれど、言えないというのも確かで、だから、まず「思い煩っていること」を自分の手でひとつずつ消し去って、にこやかな表情で、面と向かえるようになりたい。せめて生きている間に。
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