栄冠ゼミ (著)、220円(税込) 私立校・中高一貫校生の春休みの勉強の仕方』を紹介
進級・進学を垣間見れる3月は、自分の人生の岐路はもちろんのことですが、
他人の人生の岐路にも触れることとなります。
先輩の卒業式に参加された方もいると思いますが、
いかがだったでしょうか。
ここで、何回か、嫌味のように書かせて頂いた事実を、
もう一度よく確認して頂きたいと思います。
厳しいように感じられるかもしれませんが、心を鬼にして、
お聞きします。
部活動の先輩はどうなりましたか?
そして、顧問の先生はその先輩に対して、どうしましたか、
どういう態度・姿勢を取りましたか?
普段は、楽しい、優しい、厳しい、すごい、憧れるといった感情で、
部活動の先輩、顧問の先生を見ていたと思います。
しかし、この3月は、“普段”とは異なる姿を見れると思います。
学生生活は、勉強だけをしていろと、言いません。
勉強以外にも大きな可能性を秘めているのが、若い皆さんの特権です。
楽しいこと、つらいこと、うれしいこと、悲しいこと、多くの経験を積めるのも、
学生時代の醍醐味だと思います。
しかしながら、私立校・中高一貫校は、少し一般の学校とは異なります。
ほとんどの学校が、「大学進学」を前提にしている、あるいはそれを目指しています。
最近は、そのことの意識と危機感のズレが、学校、生徒、部活動の顧問の先生とで、
大きく差が出てきているように思います。
勉強を、部活動をと、文武両道を推し進める学校。
修学が遅れている、テストの点数・成績が取れていないにも関わらず、
部活動を優先してしまう生徒。
部活動での大会の実績を目指す、部活動の顧問の先生。
そして、全員に共通するのが、「実際に“全て”“上手く”出来ている人がいる」ことから、
一人一人の個人を、自分を、別問題のように、他人事のように考えて、
とりあえず後回し、先延ばしにして、目の前のものを頑張る。
その頑張る矛先が、勉強以外のものとなった時、悲劇の種が生まれることがあります。
学校、部活動の顧問の先生は、こう思います。
勉強以外のことで頑張れた、やる気を出せば、物事を達成できることを学べた。
・・・のだから、勉強だって頑張れる(だろう)、
やる気を出せば、点数を成績を取ってくれる(だろう)。
努力することの大事さ、達成することの喜び、そういったものを勉強以外のものを通して学び、
“それ”を勉強にも活かしてくれる(だろう)。
これもまた、実際に“それ”を証明する生徒がおりますので、このことを否定することはできません。
むしろ、良い結果だけ集めれば、これ以上素晴らしい、文武両道の精神、教育は無いでしょう。
しかしながら、生徒の皆さんはいかがでしょうか。
今やっている、勉強以外のことを通して、それを、そのやる気、その方法、その努力を、
勉強に「置き換えて」やってみる、試してみる、達成してみる、となっているでしょうか。
そう考えて、実際にやる人が「いない」わけではないから、強く言えないのですが、
これが出来ている方は、なかなか少ないのではないでしょうか。
そこで、上記した、私立校・中高一貫校は、「大学進学」を前提にしている、
あるいはそれを目指しているというところが関わってきます。
大学進学が、個人の自由に左右される、つまり最終的に「入試」で合否が決まるのであれば、
学校側も受験対策、そして「卒業要綱」を満たすことに注力できます。
しかし、大学進学まで一貫の「進級・進学要綱」がある大学付属の中高一貫校は、
また少し特色が変わることになります。
最終的に「学力」「卒業」を満たせばいい、入試・受験と異なり、
大学進学まで一貫の「進級・進学要綱」では、定期的な「学力=成績」を満たさなければ、
進級・進学が許されません。
そのことを、本当に意識しているかどうか、危機感を持てるかどうか、
その上での、「文武両道」になっているかどうか、そうして、
もしどちらかがどちらかの足を引っ張った場合、どちらをどうするのか、
その覚悟を、判断を、決断を、持ち合わせているかどうか。
このことを、何も言われずに、刻々と時間と機会が無くなる中、自ら気付き、
自ら覚悟・判断・決断をすることまで、実は求められていることになります。
ですので、以前にも書いたように、全て過ぎ去ってからは、「自分の責任」「自己責任」で、
切って捨てられるかのような、扱いを受けることになります。
また、部活動をやり玉に挙げてしまいましたが、部活動以外でも、勉強以外のこと全て、
もっと正確に言えば、学校のテストの点数と成績以外の全てが、この「自己責任」にあたります。
進級・進学要綱においては、「学校のテストの点数と成績」以外のことが、大きく評価され、
考慮され、進級・進学が許される、特権的に与えられるということはありません。
もちろん、追加点になる、もしかしたら一芸入試扱いになるといったことはありますが、
そんな奇跡のようなイレギュラーを前提にしていて、進級・進学できるほど、
昨今は甘くないです。
全てが終わるこの季節の頃には、「自分の責任」「自己責任」の結果を
噛みしめることになります。
先輩の今の姿は、まさに、その結果と言えます。
その先輩と、顧問の先生をよく見ておいて下さい。
そして、自分と重ね合わせた時に、果たして、どうするのが良いか、自ら気付き、
自ら覚悟・判断・決断をして下さい。
こう迫るのは、時間と機会が“有限”だからです。
特に、大学進学まで一貫の「進級・進学要綱」がある大学付属の中高一貫校の方は、
“限られた”定期テストで、時間内で、その要綱を、基準を満たさなければなりません。
よく考えて、来年度は、次学年は、次学期はどうするのか、決めてみて下さい。
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