栄冠ゼミ (著)、220円(税込) 私立校・中高一貫校生の一学期から始める勉強の仕方を紹介
まだこの時期までは、気を張って、頑張ろうと考えていた方にとっては ゆっくりと、むしろちょっと遅めな感じで授業が進んでいると思います。 学校の先生も、今年度から授業の進度や内容を変えてきているために、 まだ手探りで進めているところだと思います。 しかし一部の教科、特に主要科目でも数学と英語に関しては、 若干駆け足で授業が進められていると思います。 理由はいろいろありますが、一番大きいところで、 GWまでに、中間テストの範囲の半分、あるいは2/3ほど 進めておきたいというのが本音だと思います。 そうすれば、GWに“宿題”として、その範囲をやってきてもらい、 5月の学校行事、特に修学旅行などで一週間ほど休みになるような行事がある場合の 対応をしておきたいというところだと思います。 そういった学校の先生の思いとは裏腹に、生徒の皆さんは、 この4月は始業のゴタゴタ、さらには部活動の開始、そして 早速の大会や練習試合などで忙しくなって、勉強はおろか、 宿題すらも後手後手になって、気付いたらテスト前になっている。 毎年そういった方を見てきていますから、そうなっていくのが 手に取るようにわかります。 そして、そういう方の多くは、これは失礼ながら親御さん・ご家庭でもそうですが、 部活動などの予定によって、『どうなるかわからない』から、勉強の予定、計画が 立てられない、立ててもうまくいかない、対応できないと言われて、 『やらない』方が多いです。 どうなるかわからないことが『理由』になるように考え始めるのは、 この時から始まるのでしょうが、これを続けていく限り、 選択肢はどんどん狭まることになります。 忙しい昨今の子供達特有の傾向なのかもしれませんが、 この結果、ここ数年で、勉強時間はもちろんのこと、 基礎学力の『格差』がひどくなってきました。 これはむしろ、私立校・中高一貫校のほうが、その“落差”が 激しくなっているように思えます。 文武両道ができる上位の方は問題ありませんが、 両道ができない、特に、文のほうをおろそかにする傾向がある方は、 今年度以降の授業や勉強についていけなくなる可能性が高いです。 特に私立校・中高一貫校の場合、その質の高い指導、授業が仇となり、 授業の進度が速くなればなるほど、ついていけない方は増えていくことでしょう。 追試や補習、あるいは追加課題で補填していくことでしょうが、 それらを受ける人の数が過半数を超すようになると、 そもそもの授業が破たんしていくことが予想されます。 つまり、ここでも“どうせ”追試や補習、あるいは追加課題を受ければ、 合格できる、成績を保証してもらえるとなれば、普段の授業など、 聞く意味がなく、むしろ追試や補習、追加課題で、点数、成績を取ったほうが、 『時間的』にも“効率的”だと考え始める人が増えていくと思います。 追試や補習、追加課題をしてまで、生徒を救おうとする学校・先生の温情を 逆手に取った考え方となりますが、追試や補習、追加課題を受けることに なる生徒が、過半数もいるとなれば、学校・先生も“救わざる”がおえないことに なるでしょう。 まさか、学年の過半数を進級・進学させないという処置をとるわけにはいきませんので、 学校・先生も頭を抱えることになるでしょう。 しかしながら、2020年度の教育改革に向けての初年度となる今年度、 さらには『高校生のための学びの基礎診断』が開始する来年度からは、 『一定数』の“見せしめ”を作る可能性があります。 つまり、追試や補習、追加課題となった方の中でも、 最もひどい方、あるいはその中で最下位、下位となってしまう方には、 早々に転校を勧め、最悪、進級・進学できないことを決定し、 なるべく学校を出てってもらうようにすることでしょう。 運動部などの顧問の先生や温情に厚い先生など、教育者として 立派な志がある方は、強く反発することになると思いますが、 “記録”された『結果』を重視されるようになってしまうと、 いつまでも理想理想で許されることはなくなっていくでしょう。 それこそ、無限の可能性、将来・未来がある子供達だからこそ、 通っている学校で『落ちこぼれて』しまうのではなく、 その能力、その可能性を、十分に発揮できる所へと、 送ってあげるのが幸せではないかという考えに至ると思います。 スポーツや芸術で頑張りたいというのであれば、 そういうものに特化した学校に行ってもらって、活躍するほうが、 学校の勉強を嫌々受けて、悪い成績を取って、小言を言われるよりも、 幸せではないか。 そこまで特化した学校でなく、勉強していくのに苦痛を感じる、 授業など聞いてもわからないという学校で、わざわざ続けていく、 意味はないのではないか。 そういう議論になった時、通っている私立校・中高一貫校に在籍することが、 子供達にとって“本当”の幸せなのか、3年間通っていて、 (内部)進学できないことが決まるくらいなら、 進学できる可能性がある学校へと転校したほうが、良いのではないかという 話になると思います。 今はまだ余裕でついていける授業かもしれませんが、 ついていけなくなった時、そしてそこから、這い上がる、 最低限、成績を取る努力を怠った場合、上記のように 追い込まれていく可能性があることを意識して、 危機感をもっておくことをオススメします。 2020年度の教育改革に向けての初年度となる今年度は、 あらゆる面で混乱することが予想されます。 親御さん・ご家庭も含めて、よく考えておくことをオススメします。 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
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