ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

子宮内膜症はなぜ手遅れになるまで見つからないのか? その4

2012-09-02 | 子宮内膜症
3.子宮内膜症診断の遅れ
いざ、女性が婦人科を受診した場合でも、子宮内膜症の診断は容易ではありません。その理由の一つは、子宮内膜症病変の多くが腹腔内(卵巣、ダグラス窩、腸管など) に発生するために直接見ることができないからです。子宮内膜症の診断方法としては、問診、内診(腟直腸診)、経腟超音波検査などがありますが、卵巣チョコレート嚢胞がなければなかなか子宮内膜症と診断されないのが普通です。
痛みに関して言えば、女性が苦しんでいる症状は、月経時の痛みだけではなく月経以外の痛み、排卵時の痛み、排便痛、排尿痛、性交痛などさまざまな痛みがありますし、痛みによって生活がどの程度障害されているのかという情報も重要です。問診によって、どの部位にどのような病変があるのか、ある程度推測できるので、その情報に基づいて腟直腸診や超音波検査をすることで診断精度を上げることができます。
ところが、痛みに関して十分な問診ができる婦人科医師ばかりではありません。問診から子宮内膜症を疑って腟直腸診をすることがなければ、ダグラス窩や直腸の硬結は見逃されてしまうことのほうが多いのです。その場合、卵巣チョコレート嚢胞がある程度の大きさになって初めて子宮内膜症が診断されることになるのです。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 子宮内膜症はなぜ手遅れにな... | トップ | 子宮内膜症はなぜ手遅れにな... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ももちゃん)
2012-09-17 16:39:40
2009年11月に先生に手術していただきました。

私の場合もまさにこのパターンで、はげしい生理痛のため婦人科を受診しましたが、卵巣の腫れが見られない、という理由で痛み止めの薬を処方されただけでした。
その約1年後、再度受診した結果、チョコレートのう胞がみつかり、大阪中央病院を紹介された次第です。

1年以上放置していたことになり、すでにダグラス窩も閉鎖していて、かなりの重症とのことでした。
「婦人科を受診していたのにどうして!?」とかなりショックを受けましたが、当記事その7を読んで納得しました。婦人科の先生でも診断が難しいのですね…。

生理中も生理時以外も尋常ではない痛みで、毎日毎日本当に辛かったです。
この痛みから解放されるのだったら、子宮なんていらない!と思ったほどです。

手術していただいたおかげで、術後4ヵ月後には自然妊娠、翌11月には娘が産まれました。もうすぐ2歳になります。
今、娘の寝顔を見ながら書いています。先生の手術がなかったらこの子はいなかったんだと思うと感謝してもしきれません。
36歳の高齢出産でしたが、本当に産まれてきてくれてよかった。子供がこんなにかわいいなんて。

今思うと、当時は仕事も順調で毎日が充実しており、子作りのこと、自分の健康のことを後回しにしていた私にも原因があったのかもしれません。もっと調べたり、他の病院に行ってみたりするべきだったのかも。

私は結果的に良い病院、良い先生にめぐりあい、適切な手術を受けることができましたが、まだ子宮内膜症と診断されていない、生理痛に苦しむ女性が多いはずです。
どうか、一人でも多くの女性が救われますように…!

最後になりましたが、手術していただいて、本当にありがとうございました。
娘にお腹の3つの小さな傷跡のことを訊かれたら、この傷のおかげであなたは産まれてきたんだよ、と教えるつもりです。

先生もお体を大事になさってください。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

子宮内膜症」カテゴリの最新記事