ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

“お疲れさまでした。” 4

2014-04-14 | 腹腔鏡

剣道や柔道、合気道などの日本の武道では『礼に始まり礼に終わる』といいます。相手に技をかけたり打ち込んだりして学ばせてもらい、相手に技をかけられたり打ち込まれることで自分の弱いところを教えてもらっている、そこには、「お願いします」「ありがとうございました」の言葉はあっても、「お疲れさまでした」の言葉はありません。

そのとき、感謝と礼節がなければ、武道は、単なる暴力、殴り合いになってしまいます。

「手術室で業務として手術を行なっているが、それ以上に学んでいる」、これが理解できない人もいるかもしれません。私たち術者は、医療行為として合法的に人の身体を切り刻むことができます。それは医師免許を持っているからではありますが、常に学び続けているからでもあります。

私は既に術者として完成されていると思われているようです。しかし、昨年手術を受けていただいた方には申し訳ありませんが、今年のほうが少し上手くなっていると思います。来年は、さらにもう少し上手くなっているでしょう。つまり、それは学び続けているからです。ですから、当然、周りの人が後輩であろうと、私は学ばせていただいたことに感謝して「ありがとうございました。」と言うのです。

もし、そこに感謝と礼節がなければ、手術は何になってしまうのでしょうか?(考えたくないですね。)

ところで、武道では、道場に誰もいなくても必ず礼をして入るそうです。では、私たち術者は、「お願いします。」「ありがとうございました。」を、誰に向かって言っているのでしょうか?

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