今日は曇り時々雨。今朝は上空に厚い雲が広がっていて、弱い雨がパラパラと降っている。朝の気温は22℃で弱い北風が吹いている。湿度が高く、ヒンヤリとした空気がシメシメと感じられる。遠くの景色が靄で霞んで見えた。
今日は平日と同じ5時過ぎに起床した。朝風呂に行こうと、旅館の大浴場に向かう。大浴場に設けられた露天風呂に行くと、雨がポツリポツリと降っていた。熱い風呂に浸かっていると、目も覚めてスッキリとした気分になった。
北陸旅行2日目の今日は国史跡 白山平泉寺に行くことにしている。白山平泉寺までは旅館の最寄りの駅であるえちぜん鉄道あわら湯のまち駅から白山平泉寺の最寄りの駅である勝山駅まで電車を乗り継いでいくことにした。とはいっても、電車は1時間に2本しかない。そのため、旅館の朝食を早めに済ませて出かけることにした。
旅館からは最寄りの駅であるえちぜん鉄道あわら湯のまち駅まで旅館の送迎バスで送ってもらった。ここから電車に乗ってえちぜん鉄道勝山駅に向かった。
あわら湯のまち駅から福井口駅まで行き、ここで乗り換えて、勝山駅まで行く。約1時間40分ほどの電車旅である。
電車に乗っていると雨が降ってきた。福井口駅で勝山永平寺線に乗り換え、勝山駅に向かう。途中で雨は止んだ。えちぜん鉄道勝山駅に到着したのは9時48分である。
ちなみにえちぜん鉄道勝山駅の駅舎は木造2階建寄棟造、桟瓦葺で、登録有形文化財に指定されている。
勝山駅から白山平泉寺までは約5km余あり、バスも1日に3本ほどしかない。そこで、駅前からタクシーを呼んで、白山平泉寺に向かうことにした。白山平泉寺は霊峰白山へお参りをするときの登り口として717年に泰澄大師により開かれた霊場で、平安時代の末期には延暦寺の末寺となり、白山信仰の拠点とし栄えたとのこと。戦国時代末期には一向一揆により、焼失してしまったが、江戸時代に再興された。しかし、1868年明治政府より出された神仏分離令により、神社として分離独立して、現在は平泉寺白山神社となっているとのこと。
なお、白山神社の周辺では発掘調査が行われており、膨大な数の僧坊跡や中央に走る石畳の道、排水溝などが見つかっているとのことである。
白山神社の入口の左手には顕海寺という天台宗の寺がある。この寺は平泉寺の塔頭の1つであったとのことである。
この寺の前を通り過ぎて階段を登り、白山神社の一の鳥居をくぐる。
正面には奥に向かう参道があり、左手には社務所がある。
まずは社務所に入り、御朱印をもらった。
社務所の右手には旧玄成院庭園がある。この庭園は室町幕府の管領 細川高国により作庭されたと伝えられる枯山水の庭園で、北陸で一番古い庭とのことである。昭和5年に国の名勝に指定された庭園内には沙羅双樹が花をつけていて、苔の上に花がいくつも落ちているのが印象的だった。
社務所を後にすると再び、参道に戻って奥に進む。二の鳥居をくぐると、正面に拝殿が見える。
現在の拝殿は焼失後に江戸時代末期に再建された建物である。
この拝殿の裏の階段を上がると、正面には伊弉冊尊(いざなみのみこと)を御祭神とする御本社がある。
この社殿は越前藩主松平重富公による再建で総欅の入母屋造榑葺(くれぶき)の建物である。
この御本社の左手には御祭神を大己貴尊(大国主命)とする越南知社がある。
また右手には天忍穂耳尊を御祭神とする別三社がある。
これらは白山山頂の三山のそれぞれの神を祀っており、白山三社の神々を勧進することは当社創建以来の姿と思われるとのことである。また中世から近世には更に金剱社と加宝社が加えられ、五社が整然と立ち並んでいたという。
右手の奥には鳥居があり、これをくぐって階段を上がると三宮がある。
祀られているのは、栲幡千々姫尊で安産の神様である。この三宮の裏手には白山への登山道(白山禅定道)の入口となっているが、金網で入れないようになっていた。また三宮の前には楠木正成の供養塔がある。
三宮から降りて来ると、南谷発掘現場に向かった。
この場所は三千六百坊を擁する南谷と呼ばれる地区で中世の石畳道や排水路などが発掘されている。
御本社を参拝するあたりから雨がポツリポツリと降ってきていたが、この南谷発掘現場を歩いていると、だいぶ雨が強く降ってきた。この現場はかなり広くて、もう少しゆっくりと歩いてみたいところだったが、かなり疲れもきているので、参道に戻った。
白山神社を後にする頃には本格的に雨が降ってきた。白山神社の前には「白山平泉寺歴史探幽館 まほろば」という建物がある。ここで休憩を兼ねて雨宿りをすることにした。
館内は史跡平泉寺や白山の歴史・自然・文化に関することを展示紹介している。展示を一巡したものの、外は本格的に雨が降っている。昼間の最高気温は24℃を下回る位で、夏日とはならなかったものの、湿度が高くて蒸し暑い。額や首筋から汗が吹き出て、汗拭き用のタオルが手放せなかった。
施設を後にすると、白山神社旧参道を下ることにした。旧参道の途中には、石畳の参道が約700mほど残っている。この参道は中世に僧兵たちが九頭竜川の河原の石を運んだと伝えられている。参道の両側には杉、檜、欅、松など鬱蒼とした並木が続いている。
参道の入口まで来た。
目の前には勝山城博物館が見える。戦国時代の勝山城は柴田勝家の一族である柴田勝安によって築城されたが、明治になって廃城となり、城跡には勝山市役所等が設けられている。この勝山城博物館は歴史上の勝山城とは位置・形式ともに関係はない。ただ、この6階にある展望台からは白山平泉寺旧境内が一望できるとあって、登ってみることにした。
勝山城博物館に入る。館内は人気がほとんど無くて閑散としているが、施設はとても綺麗である。入口で入館料を払うと、エレベーターで展望台に上った。展望台からは勝山市街地が一望できる。東の方角には白山平泉寺旧境内が眼下に広がっている。白山神社の境内の両脇には田畑が広がっているが、ここにはかつて合計6千の僧坊があった場所である。白山神社の後背には白山三山が見えるはずだが、今日は雲に隠れてしまっていた。
博物館の館内は創立者の集めた甲冑や刀剣などの武具などのコレクションが展示されているとのことだったが、見るべき展示品も少なく、博物館を後にした。
お昼を食べるために市内の温泉センターにタクシーで移動したものの、営業時間を過ぎてしまい、やむなく、勝山駅に戻った。勝山駅から電車に乗って、福井駅に向かった。電車に乗っていると、しばらくして雨が止んだ。
福井駅に到着すると、上空には雲が多いものの、青空が見えていて日も射している。
駅前にある商業ビルで土産店をいくつか廻り、その後、休憩を兼ねて、お茶をすることにした。
( 今日のスイーツ(抹茶クリームパンケーキ@フラッフィー パンケーキ アオッサ店) に続く )
えちぜん鉄道福井駅から三国芦原線に乗ってあわら湯のまち駅に向かう。福井駅からあわら湯のまち駅までは電車で40分くらいの行程である。
あわら湯のまち駅に到着したのは18時19分である。急いで旅館に戻ると、夕食の時間に間に合うために風呂で汗も流せずに、旅館内のダイニングに向かった。