銀河夢急行

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旧運輸省指定の地方鉄道車両A'規格に東急デハ3700形を忘れていた………名鉄3880系の思い出も

2023年06月10日 16時44分07秒 | 鉄軌道
名鉄は去る1975年6月頃に東急の中古車両、デハ3700形計12両を購入。
これは後の6000系設計の足掛かりにもなりましたね。
3両組成☓4本となり、豊橋寄りからク2881〜4、モ3882・3884・3886・3888、モ3881・3883・3885・3887と改称。冷房車ではなかったが、扇風機は完備。そして、その翌年には3889、3891、3893Fも加わり、6000系第一次車6本の補佐的な運用にも入りましたね。
とかく吊り掛け駆動の古い車両が多い名鉄にまた旧性能車か?……という声も決して少なくはなかったが、車内は底抜けに明るく整備。ただ出力はAL車とほぼ同じ、2M1T編成により加速性能はSR車並みにもかかわらず、弱め界磁はなく、結局は単独運用に終始。高速域は劣り、最高運転時速はせいぜいHL車並みの85キロだったらしい。せっかく車体寸法がA'規格のために導入されたのだが。
また、ジャンパや空気管の位置もあり、岐阜寄りにM車と、AL車とは逆になってしまいましたね。
これと前後して、豊橋鉄道渥美線でも東急から類似形式を購入。モ1700形として直流600ボルト電化のまま活躍を始めています。こちらも、まあまあ歓迎されていたような。この編成も当時の新川検査場で再整備され、デキ600型やEF65型やEF58型に牽かれて刈谷駅経由で柳生橋駅付近の花田検査場に甲種輸送。
あの明るかった赤とクリーム色のツートンカラー。今後の純新車のラインカラーにもしたいところだが。
今でも渡り線だけはどうにかJR線と繋がっているようだ。今ならば当然、搬入作業はDD200型の仕事の筈だが。うん。
名鉄3880系は単独ながらも、当時としては、なかなか中身の濃い運用だったね。
平日夕方は東岡崎〜八百津間の一般特急とか、朝には須ケ口〜常滑間の準急で6両編成を演出していたものでした。
後者は確か神宮前駅にて分割。
その頃には、AL車による8両編成列車(通称・エッパチ)もあり、朝には神宮前駅にて分割していた蒲郡・鳴海行きの急行とか、刈谷経由吉良吉田・豊明行きがその代表格でした。あのサボも誇らしげに。
3880系は時には3400系の代走として急行・蒲郡行き、同じく刈谷経由吉良吉田行きにも使われましたが、高速域の性能の悪さから運転現場ではいささか嫌われていたのかもしれません。岐阜〜一宮〜東岡崎間の一般特急代走としても使われましたが、最悪の性能だったらしい。吊り掛け駆動ながら高速域が優れていた3400系ならば岐阜〜美合間の一般特急のほか、1976年での安八水害で新川検査場がやられた際は栄生〜豊橋間の一般特急(高速)、急行にも一度だけながら使われたほどらしい。
さらに3850系とか3900系、初代5000系や5200系も電動カム軸自動進段ではなくて、単位スイッチ式。現場でもかなり嫌われていたそうな。3800系や5500系の方が、いかにコンパクトで運転しやすかったのか、自ずと分かろう。
そして、1980年頃からは順次、6000系に置き換えに。今ではそれらの後継輸送力列車は殆どがECB車化されたものとみられ、切り離しも鳴海駅に変わったのだろう。
今の若い平成生まれの名鉄乗務員やファンも殆ど、ご存じないのでは??
1979年当時の豊橋行きの一般特急や急行はごく一部が6000系のほかは、5500、7700系や初代5000系とか5200系にて運用。今でこそ、その姿は紛れもなく2200系+3150、9100系や特急色になった3100系ですね。
あの初代パノラマカー似の5700系はゆくゆくは豊橋行きの急行の代表格になる筈でしたが、そりゃあ、はかないものでしたわ。あまり増備されないまま、あっけなく今の3500系8両編成に移行しましたね。
さて、3880系は早くも1981年から廃車が始まり、85年3月には6500系鉄仮面型に置き換わる形で姿を消しています。
3880系は最盛期には豊橋駅にも昼間の普通列車として姿を見せたり、正月ダイヤでは豊川稲荷駅にも元気な姿で顔を出していました。
その後も名鉄では3両組成が数回はデビューしていますが、どれも短命に終わっていますね。やはり今の時代の名鉄では、奇数両編成では扱いにくいらしい。
一方、渥美線は将来的にも3両組成のワンマン運用で十分!!
やはり、名鉄4000系並みの3両組成が最適な気がしますね。特にSiC素子がもっと安くなれば、その実現性もさらに高い??
残念ながら名鉄3880系の画像は、こちらでは、もはや入手不能。何卒ご了承願います。
………あのA'規格ですが、そもそも発生の由来は終戦直後での資材不足対策とか。そのため、もはや存在意義も薄れており、今の大半の狭軌私鉄でもJR在来線の車体規格に。名鉄線と、名鉄渥美線を引き継いだ豊鉄だけは経費節減のためか未だに生きているような。
関西の標準軌私鉄は近鉄を除けば、A'規格にプラスアルファしたような寸法になり、阪急や阪神、京阪なとが代表格に。山陽電鉄は戦後、広軌63形と呼ばれた20メートル車がいて、700形とか2700形を標榜。後には車体更新もされましたが、2000系に置き換わる形で姿を消しています。あのまま20メートル車が残されていれば、今の近鉄特急の電鉄姫路駅乗り入れも割合に早く実現していたのでは?ちなみに最新の山電6500系も阪急並みの19メートル車ですね。
名鉄のキハ8500系とは別に、パノラマスーパーのク1000、1100形もほぼ20メートルのためか、吉良吉田駅を通れないそうです。2200系ならば恐らく問題なかろうが。
画像は、これから急速に姿を消していく名鉄の鉄仮面型です。



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6 コメント

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Unknown (国鉄世代)
2023-06-11 21:45:24
3880系懐かしいですね。
2扉転換クロスシート車ばかりだった名鉄で、ラッシュ時に於ける3扉ロングシート車の威力は絶大で、二扉転換クロスシート至上主義だった名鉄首脳陣もその威力を認めて、6000系導入に繋がりましたね。
走行性能は管理人様も書かれてますが、弱め界磁がないので高速性能は劣りますが、それでも夕方のラッシュ時には、2編成併結4MT2の強力編成で犬山線で高速運用に就いてモーターが悲鳴を上げて文字通りの高速走行してたそうです。
余談ですが、東急との譲渡交渉途上で、東急から5000系にしてくれないかと打診されましが、直角カルダンなので要らないと断ったそうです。名鉄線内を同じ張殻構造軽量車体の5000系と肩を並べて走る“赤ガエル”を見てみたかった気もします。
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Unknown (銀河FXR)
2023-06-12 06:59:48
あの青蛙。スカーレット一色に塗り替えてもよく似合っていたのではなかろうか?
ちょいとばつかり惜しかった気もしますね。
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Unknown (銀河FXR)
2023-06-12 10:57:18
運輸省地方鉄道規格には様々な種類があり、ほかにAとかBもあったそうです。
Bは今の地下鉄東山線や銀座線並みのサイズか。Aはどうも昔は広軌とも標榜された近鉄、つまり大阪電軌のモ2200とか名古屋線の急行でも親しまれたモ2250形が相当したらしい。車体幅は一般狭軌の名鉄とも変わらず2740ミリ。連結面間も片側360ミリぐらいで、今の5200系や1200系、2800系の寸法にも大きな影響を与えていますね。
A'規格は何を隠そう、近鉄名古屋線の前身、伊勢電改め関西急行電鉄のモ6301形もそうで、寸法的にはかつての名鉄各線にも比較的に乗り入れやすかったものとみられます。日車名古屋製であり、車体形状が酷似していた養老や伊勢中川にも顔を出していたとみられる名鉄3800系との因縁も何となく感じさせられますね。
また、その頃には愛知電気鉄道の電7形(後のク2320形?)と全く同じな近鉄モ5120形もいました。但し車体幅が狭かったせいか、標準軌化の対象からは外されたらしく、内装リニューアルされて旧伊勢線や伊賀線、養老線に転じた後、廃車となっています。
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Unknown (銀河FXR)
2023-06-12 11:10:22
名鉄の2M1T組成と言えば、かつてはあのモ850形が830形と組んでいたようですね。
また、その後には8800系とか2000系に続きます。
中でも忘れられないのは2代目の3300系。あの3850、3900系の車体更新車です。こちらは弱め界磁もあり、加速性能はSR車並みに。3880系同様、小牧線、築港線でも活躍していました。
さらにブレーキをHSC型に取り換えて、吊り掛け駆動のままで
6000系との併結さえ模索されたそうな。
しかしながら実現はせず、平成13年頃までにはあっけなく全廃されていますね。
今、純新車で3両組成ならば、あの2000系に倣い1.5M1.5Tか。今の豊鉄渥美線には向いていよう。JR東海では313系の1500、1600、2500番代が好例だが、少なくとも今の名鉄では、もう現れまい。
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Unknown (国鉄世代)
2023-06-12 21:43:38
850系の真ん中に830系を挟んだ3両編成は、鋼体化前のHL車が組んでた3両編成が、3700系列への鋼体化が完了して無くなったので、その代替編成だったそうですね。
AL車で3両編成と言えば2両編成になった3400系+モ811がありましたね。
この編成は小牧線でも運用されていて、1995年頃は小牧線で通勤してたので、休日の早出の際にはこの3両編成に乗れたので、このまま犬山まで乗っていたい思いをぐっと抑えて、勤務先最寄り駅の味美で後ろ髪を引かれる思いで降りてました。
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Unknown (銀河FXR)
2023-06-12 22:09:28
もはや、名鉄では奇数両組成は出そうもないですね。
東武鉄道では、昨今のリバティや70000系のことを思えば、むしろ復活の傾向にはあるし、野田線でも10000系の代替として80000系?が出そう。こちらも奇数両組成になるとか。
名鉄では、あの編成は旧HL車の代替措置とは知りませんでした。830系や808Fのクハ車は何とク2500。落成当時はトイレも付いていました。1980年春までには、トイレも一度も使われず廃車に。
今の三河線や知多新線のワンマン列車は3両組成でも十分そうだ。但し、その見込みはないだろうね。
モ811〜814は3880系廃車の代替措置で誕生。モ809、810共々暫くは大切に使われたとか。
両運車はもはや非効率だし時代遅れだが、3両組成は9300系とでもして、何とか復活出来ないかな?
そうすれば、必要に応じて、今のECBグループと併せて、5、7両編成も組めますが、やはり金山駅でのホームドア(恐らくは七本ロープ型?)設営のことから、やはり無理かな?
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