脅える北、中国制裁どこまで ぜいたく品に狙い、食料、燃料差し止めも
2009/5/29
核実験やミサイル発射実験で国際的孤立を深める北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)政権に対し、中国が支援物資の差し止めを行う可能性が出てきた。
中国は、北朝鮮への食料や燃料、金正日総書記が忠臣に贈るぜいたく品の輸送を差し止めることで、北朝鮮を機能不全に陥れることができる。
◆貿易比率73%
アナリストや専門家によると中国は北朝鮮が公然と国連決議を無視していることに不満を募らせており、北朝鮮の核武装がアジア地域での軍拡競争を引き起こすことを懸念しているという。中国はこれまで、金総書記に対し強硬な経済制裁を行うべきだとする日米の要請をはねつけており、金政権主導の企業や武器移入を規制するという国連の限定的な制裁案だけを支持していた。
しかし、北朝鮮による先月5日の弾道ミサイル発射、今月25日の地下核実験とそれに続く短距離ミサイル実験を受け、専門家の間で、中国が米国側に歩み寄るとの見方が強まっている。
中国外務省は25日、北朝鮮の核実験に対する「断固たる反対」を表明。同日、国連安保理の新決議に向けて日米露と協調する考えを示している。
中国はその経済的影響力を利用して北朝鮮を圧倒、支配力を増してきた。大韓貿易投資振興公社の調査によると、2003年に3分の1未満だった北朝鮮の対中貿易比率は昨年、73%に達した。三星経済研究所(ソウル)の董龍昇氏によると、北朝鮮の石油需要の9割、消費財の8割、食料の45%を中国が供給している。
米ホワイトハウスのギブズ報道官は27日、北朝鮮に対する中国の反応を踏まえ、国連安保理による北朝鮮への制裁措置は全会一致で支持されるとの見通しを示し、「中国政府はこれまでにないほどの強い批判を表明している」と語った。
◆忠誠心揺さぶる
中国が取りうる制裁措置には、安保理決議に基づくコニャックやキャビア、高級セダンなどぜいたく品の輸出禁止がある。ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)の前上級アジア部長、デニス・ワイルダー氏は「金総書記から高級品を贈られなくなれば、エリート高官らの忠誠は揺らぎ始めるだろう」と指摘している。
また中国は自国の銀行の利用を阻止し、燃料供給を停止することもできる。北朝鮮と中国の専門家である、米ブルッキングス研究所のリチャード・ブッシュ氏は「中国が本気になれば、恐らく北朝鮮をひざまずかせることも可能」と分析する。
一方、米戦略国際問題研究所のボニー・グレイザー氏は、中国はおそらく金総書記の後継候補と良好な関係をつくることに注力してきたと指摘した。中国は今、自国の立場の再評価を迫られているようだ。
中国が本気で北朝鮮を制裁する気になったとしたら、
北朝鮮も本気でおとなしくせねばならないと思うかもしれない。
特にぜいたく品を押さえることによって、
金正日の高官たちの忠誠心を揺さぶる事が出来たら、
金正日をおとなしくさせるには効果的であろう。
中国も北朝鮮にこれ以上やりたい放題させていたら、
中国自身にとっても、危ない事になるかもしれないと判断しての今回の制裁処置の方針だろうから、
是非断行してもらいたいものである。
北朝鮮の一般国民には気の毒であるが、これから夏に向かう時だから、
燃料不足も寒い冬ほどには深刻ではないかもしれないし、
今のうちに金正日の無茶な戦略を正しておく事ができたら、
北朝鮮国民にとっても、却って良い結果になるかも知れない。