この時期くらいしかチームの役にはたてないと思いつつ、練習試合の審判をさせてもらっている。さすがに試合の「現場」に立つと気持ちが引き締まる。
ふだんはなかなか打席にたてず、最終回に代打でたった一回のチャンスをもらう下級生。もしかしたら人生初打席なのかなという場面もある。
打席でバットを振るだけでもたいへんなことがよくわかる。たったひとりでピッチャーの投げる球に挑まないといけない。
空振りしてもスイングできたことに拍手したり、いいぞ!と声かけしたり、なにもいわずも優しい眼差しを送る監督も、それぞれの方法で最大の評価を贈る。
少し遠くには、保護者の姿も。もしかしたらもっと遠いところから、おじいちゃんおばあちゃんもみているかもしれない。
2ストライク後に見逃し…不安げな顔で球審の顔をみつめられるのがどんなに辛いことか…。的確なジャッジをしたとしても、適切なジャッジだったか?と、思うこともある。
球審のみならず、塁審でも際どい判定のシーンは、目の前のプレーヤーだけでなく、判定する瞬間は目に入らないが、両チームのベンチも固唾をのんで判定を待っている。そんなときは、より大きなジャッジとコールで的確なジャッジが求められる。
全体をみながら目の前のプレーをジャッジする難しさは、経験を積むことで審判に対する関心が深まり、関心が深まることで、動きや間(ま)が洗練され、その結果自然に的確なジャッジメントができるようになっていく。毎年の理事さんを見ていてそれは確信できる。
卒業した理事さん2名が、この冬から審判部の審判員となる。学童での理事経験を審判部の活動につなげていただくことはとても嬉しい。これまでにも、コーチや監督となって、素晴らしい指導をされている理事経験者も多い。
いろんな立場で野球に勤しみながら、いろんなカタチでチームや野球現場を支え続ける。そういう大人たちに育てられる環境が学童野球の現場にはある。
ぜひ、多くの子どもたちが、学童野球の「現場」を感じてもらいたい。