ちょっと気になる、SNSへの投稿があったので、今回はそのお話をします。
学校におやつタイム(スナックタイム)を
まずは、SNS(Twitter)で見かけた投稿の概要をご紹介します。
その方は海外在住で、子どもを日本人学校へ通わせている(いた?)母親です。
彼女が感じている違和感は、日本人学校(日本の学校全般も指している?)が生理的ガマンを強要している点です。
具体例として、現地の学校では「スナックタイム」と称して、午前中にちょっとしたスナック(おそらくクラッカーやシリアルバー、果物など)を食べるための休憩時間があるのだそうです。
その時間を設けている理由は、空腹だと勉強に集中できない(できるはずがない)からのようです。
そのことについて、日本人学校にも「スナックタイム」を設けてほしいと要望したところ、日本に帰国した際に日本の学校の習慣に馴染めないと本人が困るから、要望は受け入れられない、といった主旨の返答があったそうです。
このツイートに対して、生理的ガマンという点に関しては、子どもが学校(日本の学校)でトイレに行きたくなり、授業中に離席を申し出て、トイレから帰ってきたら嫌味を言われたという方からのリプライなどもありましたし、そもそもなぜランチ時間までは何も口にしたらダメなのか、その根拠が理解できない、という主旨のリプライも多かったです。
そこから発展して、次から次へと日本の学校への不満が、さまざまな人から寄せられていました。
私が個人的に気になったこと
ツイート主の人のツイートと、それに対するリプライを読んでいて、気になったことがいくつかありました。
まずは、たしかに休み時間におやつを食べたらいけない、と言われていたけど、納得のいく規則ではなかったな、ということです。
小学校までは、たしかに学校の言うことを素直に聞いていましたが、中学校に入ってからは、教師の目を盗んでみんなおやつを食べてましたね(笑)
でも、一度風紀委員をさせられて、クラスメイトの持ち物検査をさせられた際に、友達が持ってきていたおやつを没収しなければいけなかったことがあって、すごく嫌な思い出として残っています(苦笑)
別に、ちょっとしたおやつくらいいいじゃない?と、いまだに思っています。
ただ、最近ではそれを認めている(というより、そもそもそこを規制していない)学校も、増えてはきているようですが、まだまだ、「おやつは絶対禁止」という圧力が強い学校が大半のようです。
私が通った高校では、売店にお菓子も売られていて、対外的には昼休みだけしか食べたらいけないことになっていましたが、みんな、10分休みとかに食べてましたね(笑)
ちなみに、昼休みにおやつを食べたからと言って、誰も問題なかったですよ。
成績が下がるとかもないし、素行が悪くなるとかもないし。
やはり、おやつを禁止する根拠は、ほぼ無いと言ってもいいかもしれませんね。
そのこととは別に、ツイート主の方がおっしゃっていたことで、過去に教職に就いていた私から、少し言い訳させてほしい部分がありました。
それは、学校の先生は、生徒に強いるくらいだから、自分たちも職員室でおやつを食べたりしてないですよね、といった感じの内容だったのですが、私が勤めていた学校が平均的な学校であったとするならば、はっきり言います。
教員は、休み時間におやつなんぞ、食べている暇はありません!(笑)
海外の日本人学校に関しては、どうだかわかりませんが、少なくとも日本の平均的な学校では、生徒がいる間中、教員には休み時間や休憩時間は、ほぼ存在していないのと同じです。
もちろん、例外もあると思いますが、子どもたちが休憩している時間帯に、教員は次の授業の準備や生活指導に追われて、おやつを食べる暇などありません。
正直、ランチ時間までは水分も取れないことが多いですし、どうかしたらトイレさえも行く時間はありません。
(最近は、熱中症のことを考慮して、こまめに水分補給するのが当たり前になっていますが)
おそらく、このツイート主の方は、思い余って「まさか、教師だけスナックタイムを設けてやしないだろうね」という思いが口に(ツイートに)出てしまっただけだと思いますが、はっきり言って、子どもが学校にいる間にスナックタイムを設ける問題と、教員が休憩時にスナックを食べることを混同してほしくはないな、と思いました。
問題があるとすれば、根拠(医学的根拠や科学的根拠など)を理論的に説明できない人間や組織であって、おやつを食べるか食べないか、というのは、単なる一例に過ぎないですからね。
子どもの学習環境問題と教員の労働を一緒に考えてはダメ
私個人の意見としては、カリキュラム間にある休憩時間に「スナックタイム」を設けることに関しては、賛成意見ですが、学校側がそれを拒否している背景は、もっとしっかりと調べて抗議なり要望なりを出すべきかな、と思います。
今の日本の学校が、あまりにも戦後直後の精神論が濃厚に残りすぎだろう、ということは、私もずっと感じていましたから、問題視するべきはそこなのですよね。
かといって、ここで「あなた方教員も、当然休み時間におやつは食べてないでしょうね?」というのは、根拠もなくおやつを禁止している学校圧力と同じになってしまいます。
また、大人もおやつを食べるから、子どもにもおやつを、というのも少し違います。
子どもだろうが、大人だろうが、心身が疲れているときに、少量の糖分やたんぱく質を取るメリットは、同じです。
健康な心身を保つために必要なことなのですから「アノ人がしているから、コノ人も同じように」という理論は、持ちだしたらいけないのではないかな、と思うのです。
また、先天的な糖尿病を患っている場合は、低血糖状態を避けるために、定期的に甘いモノを摂取する必要があり、それは健康上の問題というよりは、生命維持のために必要な摂取と言えますから、そういった場合に臨機応変に対処できる学校であってほしいとは、私も思います。
このツイート主の方も、給食の量に関しては、小食な場合は食べ残してもいい、という意見をおっしゃっていたので、問題点は決して「おやつを食べる行為そのもの」ではないことは、潜在的に理解しておられると思いました。
ただ、やはり、大人の労働環境と子どもの学習環境を同じに考えてしまうのは、問題の根本を見逃してしまうので、学校に不満をお持ちの保護者の皆さんには、少し考えてほしい部分でもあります。
本当の問題点は聞く耳を持たない人や組織ではないかな?
今回のツイートを見て、私が感じた問題の根本は、人の意見を聞く姿勢を見せる前に、規則規律で反論してくることかな、と思いました。
「スナックタイム」の要望は、ごく一部のことで、他にも学校の役割に関しての疑問は、たくさんあるのだと思います。
それらの要望や意見に対して、いきなり規則規律を持ち出してくる人や組織は、そもそも何かを改善したり、第3者の意見を取り入れたりするつもりがないのだろうな、と、私は思っています。
そういう場合に、要望を出して突っぱねられた側はどうすればいいのか、その方法を日ごろから考えておくことも、実は必要なのかもしれません。
何の不満もなく、義務教育の9年間と高校の3年間を過ごせれば、それに越したことはないですが、そうもいかないから、ならば意見を聞いてもらえるようにするには、どうしたらいいか、と準備をしておくのも、大人の役割かと思います。
偉そうなことを言っていますが、当然、私にもベストな方法は思いつかないですし、直接組織や学校に意見を述べる機会もありません。
ですが、こういう問題を目にするたびに、どうしたらいいのか、は常に考えるようにしています。
私が当事者だったら、どんな方法があるだろうか、と。
教職に就いていたため、私は教員側(学校側)と一般的な側の両方の目線で、物事を見てしまうのですが、是非保護者の方々に知っておいてほしいのは、教員もきちんと考えている人はいるよ、ということです。
たった一人の、傲慢な意見にヒートアップせず「この人は、何も考えない仕事ができない人だから、いくら言ってもしょうがない」くらいに受け止めて、違う方向からアプローチを繰り返してほしいです。
「スナックタイム」に限らず、子どものためになる改善要望は、繰り返し冷静に続けること、これが一番聞き入れてもらえるのではないかと、個人的には思っています。
今回は、ちょっと自分でも難しく考えすぎたかな、と思いながら、内容を綴っていました(笑)
でも、問題点を見誤らずに、解決に向けて頑張ってほしいな、と思ったので、今回の内容を取り上げました。
誰に届くわけでもないでしょうけれど、一度は教職に就いた人間の意見として読んでもらえたらいいかな、と思います。
学校におやつタイム(スナックタイム)を
まずは、SNS(Twitter)で見かけた投稿の概要をご紹介します。
その方は海外在住で、子どもを日本人学校へ通わせている(いた?)母親です。
彼女が感じている違和感は、日本人学校(日本の学校全般も指している?)が生理的ガマンを強要している点です。
具体例として、現地の学校では「スナックタイム」と称して、午前中にちょっとしたスナック(おそらくクラッカーやシリアルバー、果物など)を食べるための休憩時間があるのだそうです。
その時間を設けている理由は、空腹だと勉強に集中できない(できるはずがない)からのようです。
そのことについて、日本人学校にも「スナックタイム」を設けてほしいと要望したところ、日本に帰国した際に日本の学校の習慣に馴染めないと本人が困るから、要望は受け入れられない、といった主旨の返答があったそうです。
このツイートに対して、生理的ガマンという点に関しては、子どもが学校(日本の学校)でトイレに行きたくなり、授業中に離席を申し出て、トイレから帰ってきたら嫌味を言われたという方からのリプライなどもありましたし、そもそもなぜランチ時間までは何も口にしたらダメなのか、その根拠が理解できない、という主旨のリプライも多かったです。
そこから発展して、次から次へと日本の学校への不満が、さまざまな人から寄せられていました。
私が個人的に気になったこと
ツイート主の人のツイートと、それに対するリプライを読んでいて、気になったことがいくつかありました。
まずは、たしかに休み時間におやつを食べたらいけない、と言われていたけど、納得のいく規則ではなかったな、ということです。
小学校までは、たしかに学校の言うことを素直に聞いていましたが、中学校に入ってからは、教師の目を盗んでみんなおやつを食べてましたね(笑)
でも、一度風紀委員をさせられて、クラスメイトの持ち物検査をさせられた際に、友達が持ってきていたおやつを没収しなければいけなかったことがあって、すごく嫌な思い出として残っています(苦笑)
別に、ちょっとしたおやつくらいいいじゃない?と、いまだに思っています。
ただ、最近ではそれを認めている(というより、そもそもそこを規制していない)学校も、増えてはきているようですが、まだまだ、「おやつは絶対禁止」という圧力が強い学校が大半のようです。
私が通った高校では、売店にお菓子も売られていて、対外的には昼休みだけしか食べたらいけないことになっていましたが、みんな、10分休みとかに食べてましたね(笑)
ちなみに、昼休みにおやつを食べたからと言って、誰も問題なかったですよ。
成績が下がるとかもないし、素行が悪くなるとかもないし。
やはり、おやつを禁止する根拠は、ほぼ無いと言ってもいいかもしれませんね。
そのこととは別に、ツイート主の方がおっしゃっていたことで、過去に教職に就いていた私から、少し言い訳させてほしい部分がありました。
それは、学校の先生は、生徒に強いるくらいだから、自分たちも職員室でおやつを食べたりしてないですよね、といった感じの内容だったのですが、私が勤めていた学校が平均的な学校であったとするならば、はっきり言います。
教員は、休み時間におやつなんぞ、食べている暇はありません!(笑)
海外の日本人学校に関しては、どうだかわかりませんが、少なくとも日本の平均的な学校では、生徒がいる間中、教員には休み時間や休憩時間は、ほぼ存在していないのと同じです。
もちろん、例外もあると思いますが、子どもたちが休憩している時間帯に、教員は次の授業の準備や生活指導に追われて、おやつを食べる暇などありません。
正直、ランチ時間までは水分も取れないことが多いですし、どうかしたらトイレさえも行く時間はありません。
(最近は、熱中症のことを考慮して、こまめに水分補給するのが当たり前になっていますが)
おそらく、このツイート主の方は、思い余って「まさか、教師だけスナックタイムを設けてやしないだろうね」という思いが口に(ツイートに)出てしまっただけだと思いますが、はっきり言って、子どもが学校にいる間にスナックタイムを設ける問題と、教員が休憩時にスナックを食べることを混同してほしくはないな、と思いました。
問題があるとすれば、根拠(医学的根拠や科学的根拠など)を理論的に説明できない人間や組織であって、おやつを食べるか食べないか、というのは、単なる一例に過ぎないですからね。
子どもの学習環境問題と教員の労働を一緒に考えてはダメ
私個人の意見としては、カリキュラム間にある休憩時間に「スナックタイム」を設けることに関しては、賛成意見ですが、学校側がそれを拒否している背景は、もっとしっかりと調べて抗議なり要望なりを出すべきかな、と思います。
今の日本の学校が、あまりにも戦後直後の精神論が濃厚に残りすぎだろう、ということは、私もずっと感じていましたから、問題視するべきはそこなのですよね。
かといって、ここで「あなた方教員も、当然休み時間におやつは食べてないでしょうね?」というのは、根拠もなくおやつを禁止している学校圧力と同じになってしまいます。
また、大人もおやつを食べるから、子どもにもおやつを、というのも少し違います。
子どもだろうが、大人だろうが、心身が疲れているときに、少量の糖分やたんぱく質を取るメリットは、同じです。
健康な心身を保つために必要なことなのですから「アノ人がしているから、コノ人も同じように」という理論は、持ちだしたらいけないのではないかな、と思うのです。
また、先天的な糖尿病を患っている場合は、低血糖状態を避けるために、定期的に甘いモノを摂取する必要があり、それは健康上の問題というよりは、生命維持のために必要な摂取と言えますから、そういった場合に臨機応変に対処できる学校であってほしいとは、私も思います。
このツイート主の方も、給食の量に関しては、小食な場合は食べ残してもいい、という意見をおっしゃっていたので、問題点は決して「おやつを食べる行為そのもの」ではないことは、潜在的に理解しておられると思いました。
ただ、やはり、大人の労働環境と子どもの学習環境を同じに考えてしまうのは、問題の根本を見逃してしまうので、学校に不満をお持ちの保護者の皆さんには、少し考えてほしい部分でもあります。
本当の問題点は聞く耳を持たない人や組織ではないかな?
今回のツイートを見て、私が感じた問題の根本は、人の意見を聞く姿勢を見せる前に、規則規律で反論してくることかな、と思いました。
「スナックタイム」の要望は、ごく一部のことで、他にも学校の役割に関しての疑問は、たくさんあるのだと思います。
それらの要望や意見に対して、いきなり規則規律を持ち出してくる人や組織は、そもそも何かを改善したり、第3者の意見を取り入れたりするつもりがないのだろうな、と、私は思っています。
そういう場合に、要望を出して突っぱねられた側はどうすればいいのか、その方法を日ごろから考えておくことも、実は必要なのかもしれません。
何の不満もなく、義務教育の9年間と高校の3年間を過ごせれば、それに越したことはないですが、そうもいかないから、ならば意見を聞いてもらえるようにするには、どうしたらいいか、と準備をしておくのも、大人の役割かと思います。
偉そうなことを言っていますが、当然、私にもベストな方法は思いつかないですし、直接組織や学校に意見を述べる機会もありません。
ですが、こういう問題を目にするたびに、どうしたらいいのか、は常に考えるようにしています。
私が当事者だったら、どんな方法があるだろうか、と。
教職に就いていたため、私は教員側(学校側)と一般的な側の両方の目線で、物事を見てしまうのですが、是非保護者の方々に知っておいてほしいのは、教員もきちんと考えている人はいるよ、ということです。
たった一人の、傲慢な意見にヒートアップせず「この人は、何も考えない仕事ができない人だから、いくら言ってもしょうがない」くらいに受け止めて、違う方向からアプローチを繰り返してほしいです。
「スナックタイム」に限らず、子どものためになる改善要望は、繰り返し冷静に続けること、これが一番聞き入れてもらえるのではないかと、個人的には思っています。
今回は、ちょっと自分でも難しく考えすぎたかな、と思いながら、内容を綴っていました(笑)
でも、問題点を見誤らずに、解決に向けて頑張ってほしいな、と思ったので、今回の内容を取り上げました。
誰に届くわけでもないでしょうけれど、一度は教職に就いた人間の意見として読んでもらえたらいいかな、と思います。