9月2日にご紹介した、お笑いタレントのにしおかすみこさんが連載している記事が、更新されていました。
ご紹介したブログ記事はこちら
他人ごとではなく、自分ももしかしたらと思った話(Short diary) - マシュマロ’sエンディングノート
今回も、文章は軽快でWitでありながらも考えさせられる内容でした。
高齢の母との攻防…にしおかすみこの実家の冷蔵庫・野菜室がヘドロになった話(にしおか すみこ)
認知症の母、ダウン症の姉、酔っ払いの父、そして一発屋の自分という家族を愛を込めて「ポンコツ一家」だと語るにしおかすみこさん。そう語る理由を赤...
FRaU | 講談社
ここから先は是非、にしおかすみこさんの連載をお読みいただいてから、お読みください(ネタバレあります)
私の母も同じだと感じた
今回のにしおかすみこさんの記事で、衝撃を受けながらも「やはりそうなるよね」と感じた部分が、冷蔵庫内の食材や作り置きおかずに関する部分でした。
私が家事全般を請け負うようになったきっかけとして、父が旅立った後に母が入院したことがあります。
母の入院中は、とにかく冷蔵庫や棚などに保存している食材の消費期限が迫っているものから順番に消費しなければ、と必死で家の中の食材を使って自炊しました。
この時の入院の際、病院からは「入院中に認知症が発症することがある」と言われていて、案の定入院中から少しずつ記憶力が曖昧になっていき、退院した後も主に時間的な感覚をどんどん忘れるようになっていきました。
そのような状態でも、退院直後は自分で簡単な料理は作っていたのですが、1年ほど経ったある日に再度入院することとなり、その直前くらいからキッチンに断つことが体力的に難しい状態になっていたため、退院後から私が家事全般をすることにしました(掃除や洗濯はかなり以前から私がしていました)
食材が無事だったのは私の性格も関係している
私が家事全般をするようになる前から、料理は母と半々で担っていましたが、私は食材を賞味期限や消費期限ぎりぎりで使うことが嫌いなため、料理の大半はその時々で早く消費したい食材や食品を優先して使っていたので、野菜を腐らせたり乾物に虫が湧いたりしたことは一度もありません。
ただ、もしも母が今でも料理を作る体力があったとしたら、もしかしたら大量の食品ロスを生み出していた可能性はあります。
というのも、母は何でもかんでも多めに所有しておくことで安心する性格で、近所のスーパーやコンビニに行けばいつでも買えるからストックは最小限しか要らないと考える私とは真逆なため、野菜でも果物でも他の食品でもとにかく多めに買ってしまうのです。
父が元気なころは、それでもきちんと消費することができましたが、たいして大食いでもない高齢と中年の女性2人暮らしでは、母が常備する食品にしろ消耗品にしろ多すぎますから、消費期限切れの食材や腐ってしまった野菜を廃棄する羽目になっていたことは、想像に難くないです。
ですから、にしおかすみこさんが直面した冷蔵庫の食品問題は、私がもしかしたら経験したかもしれない問題でもあると思います。
作り置きを食べない問題
私の母が超絶偏食家だという話は、これまで何度も綴りました。
そんな母ですから、作り置きした常備菜に関しては、好きな料理の場合はあっという間に食べてしまうけれど(というかむしろ翌日などに残すという感覚がない)母がたいして好きでもない料理や見たことがない料理、名前のない料理(創作料理)に関しては、ほとんど手を出しません。
それでも、ラップや蓋を開けて、食材に何を使っているのかが判れば食べることもありますが、ここ1年半くらいは母が好きな食材が判るように調理した状態で冷蔵庫に入れておいても、食べなくなりました。
理由は「見えない」からです。
母は、数年前に比べるとかなり視力が落ちています(糖尿病による視力低下と白内障が原因)
以前は読めていた文字も、最近は読むことが困難になってきています(大きな文字は読めます)
そのため、冷蔵庫に作り置きを入れておいても目が悪いので「何が入っているかわからない」ために、手を出さないのですよね。
最初のうちは「あなた(母)のたべられない料理は入れてないし、あなたの嫌いな肉はちゃんとメモなどに書いて貼っているから食べても大丈夫」と教えていたのですが、ここ半年くらいは作り置きはほぼ手を付けず、素材だけの状態である漬物や大好きな佃煮の場合にのみ、自主的に食べるようになりました。
ただ、そうなると1つの料理ばかりを食べる癖のある偏食家の母なので、本来数回に分けて食べる分量の漬物や佃煮を一気に食べてしまうので常に置いておくわけにもいかず。
かといって、私が作った作り置きには手を出さないので、私1人で消費する羽目になりますし、何より時間をかけて作った意味がないと思い、現在は作り置きをほぼしなくなり、作りすぎた場合にのみ冷蔵庫や冷凍庫へ入れて保存するようにしています。
料理に対して不安がある
にしおかすみこさんのお母様は、にしおかさんが作り置きしたおかずに対して「知らないものだから食べない」と言いますが、まさに私の母も同じ状態かと思いますし、なんなら私の母の方が偏食家な分だけ厄介かもしれません(苦笑)
長年、家族のために料理をしてきた母親にしてみたら、自分が作ったものは何が入っているかわかるし、味も想像が付くから、作り置きしていても食べられるけれど、自分以外の人が作った料理は何が入っているかわからなし、味付けも自分の知っている味ではないかもしれないと思うと、まず箸をつけることそのものが不安になるのだと思います。
実際、私の母は昔ながらのシンプルな料理が好きですし、ピラフやチャーハンは昔から馴染みがありましたから箸も進みますが、パエリヤは得体のしれない料理であり馴染みのない味付けなので箸が進まないです。
ポテトサラダも、オーソドックスな具の場合は完食しますが、ちょっとしたアレンジを加えたら残してしまいます。
よく、歳をとるとシンプルな和食が好きになると言われますが、私が思うに子どもの頃から慣れ親しんでいる味と料理は、いろいろな意味で安心して食べられるのだろうと。
だから、余計なアレンジも不要だし、最近になって日本に入ってきた洋食や外国の料理は、そもそも食べたいとも思っていないから、作ったところで「何?これ」となってしまうわけですよね。
だから、にしおかすみこさんのお母様から出た言葉は、素直な気持ちなのだと思うのです。
高齢家族が料理を食べてくれない問題の解決策
高齢家族のタイプは1つではないので、すべてのご高齢者に当てはまるわけではないですが、もし高齢な家族が食事をしてくれない場合は、とにかくまずは料理の内容をシンプルにしてみることをおススメします。
以前も、同じことをブログに綴った記憶がありますが、改めておススメしたいです。
シンプルであればあるほど、安心して口に運べるようで、私の母はとにかく食材がわかりやすいようにしておくことが一番効果があります。
次に、見た目に使用食材がわからない料理を出す場合は、何が入っているのかを必ず伝えることです。
いちいち面倒くさいのですが、伝えた場合と伝えなかった場合では、伝えておいた方が圧倒的に箸が進んでいます。
使った食材がわかっているだけで、安心感が得られるのだと思います。
よくよく考えてみたら、私も初めて口にする料理は不安に思いながら食べていますが、好みの味や食材だということがわかりさえすれば、美味しく頂くことができますので、何が何の味付けでどのように料理されたのか、を知ることは本当はとても大切な要素なのかもしれません。
でも、一番大切なのは
作り手の諦めと開き直り
だと、私は思っています(苦笑)
もし、作った料理を食べてくれなかったら、以降その料理は一切出さないか、スーパーなどのお惣菜で済ませるなどして、自分の手をかけないようにしましょう。
なぜなら、せっかく作った料理を食べてくれなかったら、自分も切ないし寂しいし、なんなら怒りも湧いてきますしね。
食べてくれないということにストレスを感じるくらいなら、だったらもう作らんわ!と手作りを諦めて、開き直って出来合いを買ってくる方が、断然マシです。
自分の家族に、健康的な食事をしてほしい気持ちはもちろんあるのですが、手作りをすることによって食べてくれないのであれば、添加物だのなんだのが入っていても食べて寿命を延ばしてくれた方が、こちらも安心しますから。
にしおかすみこさんの連載は、まだまだ続くそうです。
次回は11月にアップ予定とのことなので、楽しみに待ちたいと思います。