Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

最高のブログネタ落札!

2023-01-14 16:32:33 | ジャンク

真空管アンプで重要なパーツは、もちろん真空管ですが、音声を取り出すための出力トランスも音質に左右する重要なパーツの一つです。出力トランスは、コアが大きいほど巻線も多くできインダクタンスも大きくとれるので、低音がしっかりした出力トランスとなりますが、特にシングルアンプ用出力トランスであればなおさら影響があると思われます。コアボリュームの大きい出力トランスは、オーディオマニアからすれば憧れのトランスとなるのではないでしょうか。

私も同様に、ずっと以前からシングルアンプ用の大きい出力トランスが欲しいなあと思っていました。

特にTANGOの”FW50-5S”や”FW-50-3.5S”なんかがあれば最高なのですが、ヤフオクでも最近特に値が上がっているので、我々サラリーマンには高嶺の花となっています。

しかし、つい先日下記写真のようなアンプが出品されているのを発見しました。これは、もしかしたらFW50クラスのシングル用出力トランス搭載アンプかも、うまくいけば長年の夢がかなう日がついに来るか!と。

出品されていたアンプは、一応、球無し、詳細不明のジャンク品です。

さて、これを見て博識の皆さんはどんなアンプだとお思いでしょうか。

ちなみに他の写真も掲載します。

ヤフオクのページでざっと見たところ、出力管と思われるGT管のソケットが、片chあたり1つ、電圧増幅と思われるソケットも同様。そしてB電流、電圧がチョークやブロックコンデンサの耐圧から、150mA以下、350V以下と想像できます。

この球構成、電流電圧容量からすると、プッシュプルアンプは厳しいのではないかなと思われます。ソケットが1つだとしても5998のような双3極管を使えば、プッシュプルにもできそうですが、ステレオで150mA以下のB電流は少し寂しい。じゃもう少し小型の6DZ7みたいな球は使っていたりしないかとか考えましたが、6DZ7はかなりマイナーな球ですし、この規模の球でこんな大きな出力トランスや電源トランスを使うのは少し違和感がある・・・

ということで、よもやこのアンプは、6B4Gか6CA7、6L6あたりの出力管のシングルアンプではないかとわくわく感が増大。ヤフオク確認時点では、まだ価格も安く子供のように胸が高鳴りました。

そこで、一大決意をしてサラリーマンの平均お小遣いの倍近くを費やして見事落札!これがFW50のシングル用出力トランスであれば安いものです。

早速中身の確認!さて、どんな出力トランスが使われているのか。わくわく・どきどきが入り混じり、失神しそうです。

いざ、ご開帳!

おおー、FW50が入っている!と、喜んだのもつかの間。FW50-5Sの”S"が付いていない。どこからどう見てもシングルアンプ用ではなく、プッシュプルアンプ用のトランスではないですか!

残念!大枚はたいたのにこれにはがっかりしてしまいました。

しかし、上記写真の回路ですがなんだか変です。プッシュプルアンプならカップリングコンデンサが片chあたり2個あってもよさそうですし、出力管のカソード抵抗もしかりです。それにプッシュプルならどんな球を使っていたのでしょうか。

おかしいなと思いつつ回路をたどっていくと・・・

なんと!これまたびっくりで、回路はシングルアンプではないですか。球は恐らく6CA7あたりだと思うのですが、3番ピンのプレートにFW50のP2端子、4番ピンのスクリーングリッドは抵抗を介してFW50のB端子、B電源は、FW50のP1端子に接続されていました。

Σ( ̄ロ ̄lll)

プッシュプル用出力トランスをシングルアンプで使っている!!!

 

こんな強者もいたんだとびっくりするとともに、我ながらアンプの推理としては、なかなか良かったと感心した次第です。

しかし、このアンプまともに鳴っていたのでしょうか。出力トランスのコアが磁化して低音が出ないアンプだったのではないかと想像しますが、試したこがないので何とも言えません。今はすでに部品取り用として分解して、確認のしようがありません。

今回は高い授業料でしたが良い勉強になりました。

 

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直熱ビーム管1619シングルアンプ(2)

2023-01-09 20:40:04 | 1619シングルアンプ

昨日からの続きですが、昨日は1619のアンプを組み上げ入力信号を入れて測定しようとしたところ、OPTからかなり大きな音が出てきたというところでやめました。

今日は、この原因を探ろうと朝から気合を入れましたが、昨日やったことをまず振り返りました。

  • 回路を組み上げてからまず電源を入れて、各部の電圧を測定し、異常がないことを確認。
  • 信号を入力すると、OPTからかなり大きな音が出力された。

昨日は慌てていたので気が付かなかったのですが、発振しているなら、信号入れなくても発振するんじゃないかと思い、再度、確認したところ、信号入力時のみOPTからかなり大きな音が出ていました。

結果的には、OPTが信号でうなっているだけのようです。回路的には何も発振はしていませんでした。しかし、今まで同じシャーシでアンプを作ってきましたが、こんなにうなっていたっけ、と疑問に思いつつ、とりあえず試聴開始。

いつものように、こんな聞き方です。

いくつか曲を聴いてみましたが、かなり鈍重な音がします。しかもノイズがでかい。2.5Vで交流点火していますが、以前300Bを使用していたこともあり、方CHは電源トランスPMC-170Mの折角の2.5Vを使用せず、5Vタップを使用し、5Vを抵抗で減圧して2.5Vを1619に加えていますが、これが原因なのでしょうか。

ノイズが大きい方のノイズ波形を確認したところ、下記のように10mV以上ものノイズが出ていることが判明。

もう一方は、2.5V巻き線を使用した方で、ノイズは5mV程度でした。

これは、5Vの巻き線のタップを2.5Vに変更しないといけないのか・・・

もし、そうすると面倒な作業が発生しそうです。すでにヒータの配線は結束バンドで固定していますし、ケーブルの長さもあまり余裕がありません。トランス側の配線をやり直すのは結構大変です。

こういう時、WEの配線のようにかなり余裕を持たせて配線しておけばよかったとつくづく思います。

巻き線のタップを切り替えるか・・・また次回にしようと思います。

ちなみに、音の方はNFBを少なめにすることで鈍重さは抜けてきましたので、ノイズが解決すればしっかりと音作りに励みたいと思います。

 

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直熱ビーム管1619シングルアンプ(1)

2023-01-08 23:52:26 | 1619シングルアンプ

以前のブログで、ヤフオクで1619を10本ほど落札し、その10本のうち5本だけ1619で、さらに3本が外見は正常、残り2本はガイドピン折れ、残りの5本は全く別の球が入っていた旨の記載をしたことがあります。

折角なので、その時の写真を載せます。落札した10本中、左3本だけ外見は正常な1619でした。

で、最近1619がオフ会の間ではやっていましたので、どんな音か自分のアンプでも確認したいなと、ふと思いこの1619を使ってシングルアンプを作ってみることにしました。使用する球は、上記写真のガイドピンが折れた2本を使用するつもりです。上記真ん中2本になります。

早速、1619を使った場合のアンプの設計をします。特性表はRCAから公開されているので、これを使用します。

トランスがXE-20Sなので、5kΩのロードライン(赤線)を引いてみます。プレート電圧300Vぐらいかけてみようかと思いましたが、少し控えて280Vの動作点にしてみることにしました。動作点は、Ip=50mA、Vp=280Vとして、出力Poやバイアス抵抗値Rkを計算してみると、

Po = (230 x 0.095) / 4 = 5.4 [W]

Rk = 14 / 0.05 = 280 [Ω]

となりました。プレート供給電圧Vppは、Vgが14V程度なので、ほぼ300Vとなります。早速、いつも使っているアンプの配線を変更します。

変更後の配線ですが、もともとは300Bを使用していましたが、その後いろいろな球を経ていますので、そろそろ内部配線がかなり汚くなってきました。

写真の一番下は、カソード抵抗ですが、430Ωと1kを並列にして、計300Ωとしています。

さて、これで配線を確認し電源を入れてみて一応、各部の電圧は問題なさそうでした。

そこで、入力に1kHzの正弦波を入力して見たところ、なんと出力トランスからスピーカ出力並みの発振音が・・・

まずいと思い、すぐに電源を落としましたが、何が原因なのか、夜も遅いのでまた次の機会に確認しようと思います。

 

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送信管2T12Pの特性測定

2023-01-07 22:57:18 | 真空管

あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いします。

すっかり正月休み気分で危うくブログを書き忘れるところでした。何かアンプの製作をと思っていますが、寒い中では、シャーシの加工などが億劫で、部屋の中で気楽にできる測定はいいネタになります。

ということで、今日は2T12Pというあまり聞きなれない球を測定してみました。

2T12Pという球は、ヒータが10V-1.5Aの傍熱型3極送信管でプレート損失が20Wあり、パルス高周波出力で800Wの出力が得られるようです。漁船用の無線機などで使用されたと以前どこかの資料で見たことがあります。

カソードは、2つに分かれておりそれぞれのカソードにグリッドが設けられています。どうもグリッドにはグリッドからのエミッションの防止のためか、金メッキが施されているように見えます。また、セラミックで電極を支持するなど業務用の真空管のような堅牢な作りになっています。

いつものごとく、デジタルオシロと高電圧に組んだ定電圧電源を用いて測定し、測定結果の描画を手動で線をなぞってきれいに成型したものになります。

特性結果は、送信管らしく内部抵抗が高くμも高そうな球です。グリッド電圧が負の領域で使うよりも正の領域で使用した方がアンプとしては使いやすいかもわかりません。そういうこともあり一応、正の領域も測定しておきました。

早速、特性の解析ですが、下記のようになりました。

Vpが750V, Ip 30mA近辺で、rp=5000Ω、μ=28、gm=5.6mSとなりました。

きちんとまだ見ていませんが、グリッド電圧が負の領域では、負荷を10kΩ以上で使用した方がよさそうですね。出力を大きめに取ろうとするとVpにかなりの高電圧をかける必要がありそうです。

オーディオ用アンプとして使用する場合、まずヒータが10Vとトランスの選択肢が狭くなるのと、同じような特性の球であるVT-25/62あたりと比較してしまい、こちらは傍熱管というだけあって少し不利なような気がします。そのため、オークションでも安めに購入することができました。

ただし、面白そうな球だということは間違いはなく、グリッドを負の領域で使用するVT-25/62アンプのような回路とするか、正の領域で使用するダイナミックカップリング回路とするか、回路も音質も異なるアンプができそうで、1粒で2度おいしい仕上がりが期待できそうです。たまにオークションで見かけることがありますので、興味のある方はお試しください。

 

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