Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

3C33シングルアンプ(改1)

2024-02-10 18:48:11 | 3C33単管シングルアンプ

以前、3C33シングルアンプを載せました。

今日は、その3C33シングルを改造しました。音質的には透明感があり、まあまあかなと思っていましたが、製作時にあまりNFBがかけられなく、音の深みのようなものが薄いかなという気がしていたため、この点をちょっと改善できないかと思い、改造してみた次第です。

なぜNFBが少ししかかけられなかったかというと、3C33のカソードに定電流回路を入れていたため、大出力時に電流供給があまりできず、歪が発生してしまうため、かけられなかったのです。なぜNFBが関係しているかはあまりよくわかっていませんが、とにかく帰還量を増やすと歪むので、そこそこでやめたのです。

そこで、以前実験したカソード抵抗の代わりにトランジスタを使う回路に定電流回路を置き換えたのです。

詳細は後回しとして、置き換えた様子を掲載します。

置き換え前は↓こんな感じでした。

まるで間違い探しのような写真ですが、大きく違うところが3か所あります。まあこの辺の説明ものち程。

そして、この改造後に音を聞いていましたが、いまいちパッとしない、いい音なのかそうでもないのか・・・実は明日オフ会なのでたぶんこのまま持って行っても責められるだけのような気がして、困ったなあ、と思っていましたが、音楽を聴いているうちにかなりボリュームを上げないといけないことに気が付きました。

元々初段で使用している球は、6BR7というローノイズの5極管ですが、この球のgmはそれほど高くないので、ゲインが少し低めなのですがこれがちょっとパッとしない可能性を考え、同じピン配でもっとgmの高い球がないか調べていたのですが、手持ちにある6686/E81Lという球が差し替えできそうでしたので、若干の調整後、これに差し替えました。gmは約10倍増えました。

上記の右側が6BR7、左側がE81Lになります。

E81Lに差し替え後、音が明るくなった感じでしかも余韻が増したような感じになり、いい感じです。明日はこの状態でオフ会に臨みたいと思います。

 

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3C33シングルアンプの製作(2)

2021-07-11 09:25:59 | 3C33単管シングルアンプ

前回に引き続き、3C33シングルアンプです。前回は回路まで記載しましたが、製作過程は写真を残していないので、いきなり完成写真です。

構成は、アルミの角パイプ材から作成した手製のシャーシにウォールナットの木枠をはめ込んだもので、木枠とシャーシは下記写真のように分離可能なので、気分に合わせてどちらにするか選択可能。

そして内部は、下記のような感じです。

前回ご紹介した回路の特徴部分をそれぞれ載せます。

まずは、3C33のバイアス調整回路ですが、下記写真の右下赤丸部分になります。ここで、3C33のカソード電流(合計80mA)を片側のユニットに40mA流れるように赤丸内のボリュームを調整します。

赤丸の左側の基板は定電流回路ですが、定電流回路だと片方のユニットが40mAであれば、もう片方は調整しなくても自動的に40mAになるのですが、両方のユニットにこの回路を入れておかないと、たまたま電流がよく流れる方のユニットに調整回路が入った場合、電流を減らすことができないので、運が悪いと調整できないことになります。

そして見にくいですが、青丸のついた左上の基板は、フィードバック回路の部分になります。フィードバック抵抗を調整できるようにピンヘッダーを採用してます。

 

次に電源回路ですが、右側の赤丸、青丸の部分になります。赤丸内は定電流回路でこの半固定抵抗で、FETのゲートーGND間につながった抵抗の電流値を可変し、その結果生ずる抵抗両端の電圧を調整することで出力電圧を調整します。こんな小さな可変抵抗で、数100Vも調整可能なので面白いもんです。

青丸内は、FETによるリップルフィルタですが、ちょうど手前に見えている抵抗は、ゲートーGND間につながった150kΩの抵抗です。この抵抗に流れる電流を調整していますが、2mA流すと、両端は300Vになるので、FETからは300V(実際には、少し下がる)出力されます。

と、言うことで前回の回路の特徴部分は紹介しました。

さて、次のネタはどうしよう。3C33で粘るか、何か新しいネタにするか。悩む~。ということでまた次回。ではまた~。

 

 

 

 

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3C33シングルアンプの製作

2021-07-04 22:00:28 | 3C33単管シングルアンプ

ちょうど1年前になりますが、3C33という珍しい真空管(ふつうは簡単に球と言います)を使って、シングルアンプを作りました。3C33という球は、誠文堂新光社の「魅惑の真空管アンプ」下巻に故・浅野勇氏によりプッシュプルアンプとして紹介されていますが、元は、パルス制御回路に使用されたと記載があることから、レーダーのパルス制御用として使用されたのでしょうか。だとしたら、当時の軍艦のレーダパルス回路に使われた可能性があります。下記の右側の球の写真の右のヘリあたりに海軍のいかりマークがついているのがわかります(写真ではかなりわかりにくいです)。

3C33を少し紹介すると、まず、その形が他の球にはあまり見られないユニークな外形にあります。同じ外形の球としては、826や829などがありますが、GT型やST型ではなく、送信管独特の形をしています。また、内部は、3極管が2つ入った構造をしており、カソードが共通でグリッドやプレートが別々になった、傍熱型三極管です。各電極のプレートロスが15W、μは11ほどですが、要は2A3と同じぐらいの規模の球が2つ入っていることになります。浅野勇氏のアンプは単管でのプッシュプルですが、本製作では、2つ入っている3極管を1個ずつ使用し、シングルアンプで使用します。

球の写真を下記に載せます。

球のブランドはRCAとUnited Electronの2つあるようですが、どちらも造りは同一で、United ElectronはRCAのリブランド品と思われます。

実は、3C33でアンプを作るのは、2度目で1作目は、2003年に製作しました。当時は、3C33を3本アメリカの知人より仕入れて、珍しい球が入ったと、その内の2本を昔宝塚にあったValves’Worldという真空管アンプ工房のTossieさんにお譲りし、私は残りの1本でシングルアンプを作ったわけです。当時製作したアンプの写真がありますので、懐かしさもあり載せておこうと思います。このアンプは確かオークションで名古屋在住の方に渡った様に記憶しています。

(写真は2003年に製作したシングルアンプです)

さて、今回のアンプの回路は、この前製作した300Bのようにフィードバックに出力管のプレートから前段のプレートに戻す、PG帰還回路で、トランジスタを間に挟んで帰還率を下げ、かつ、前段のプレート電圧も可変にできるようにした回路としています。

下記に回路図を記載します。

すでに製作済みのアンプなので、回路図もバッチリです。

アンプの特徴として、FB回路の他、双3極管の宿命かもしれない、左右の回路のバイアスのバラツキを調整出来るよう、3C33のカソードの直流電圧を利用し、可変抵抗を介してグリッドにかけることで3C33のプレート電圧を調整できる回路としました。そのため、トランスの入力側に1オームの抵抗を設け、プレート電流をモニタ出来るようにしています。こうすることで、両方のプレート電流のバラツキが自己バイアスで調整できます。

あと電源は、FETによる平滑回路を採用していますが、FETのゲート側につながっている150kΩの抵抗に流れる電流を定電流回路で調整し、希望の電圧を出力できるようにしています。電源回路は最近この回路がお気に入りですが、前作の300Bはクラシックさを出すためにあえてチョークを用いた平滑回路を採用しました。

さて、実際のアンプですが、これはまた次回以降のブログに載せたいと思います。

ではまた~。

 

 

 

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