Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

古いトランジスタアンプ(Sound SAQ-202)のレストア・改造

2021-07-31 17:48:44 | トランジスタアンプ

少し前ですが、ヤフオクでSound社のSAQ-202というかなり古いアンプを落札しました。

まずは落札したアンプの写真を。

なぜ、こんな汚いアンプを落札したかというと、背面にTO-66のトランジスタが顔を出しているのが見えたから。

TO-66型は、古いタイプのトランジスタで、TO-3型のように大きい形状ではなく、小さいメサ型のトランジスタです。下記写真がメサ型のトランジスタですが、小さい方がTO-66です。これが結構かわいくて、出力段に使われているアンプを見かけると、手ごろな値段ならつい、入札してしまいます。

また古いアンプは、回路が簡単で真空管アンプ愛好者にはとっつきやすく、案外音がいいのがお気に入り。小型にもかかわらず、ICを使用せずディスクリートで作っているところもいい。

ネットで調べてみるとSAQ-202は60年代後半の製品で、50年以上前のもののようです。

外観は結構錆があり汚れていますが、中も気になるところ。ふたを開けてみたところ、やはり結構錆が・・・恐らく結露か水滴の侵入で錆がかなり出たようです。

基板廻りが特にひどいようです。また触ると手が錆ですぐに汚れる。

裏側も確認。やはりシャーシの錆がひどいようです。

さて、これをどうレストア、改造していくか。レストアといってもあくまで改造なので、もちろんオリジナルに忠実には致しません。大概、壊れている箇所はトランジスタや、電解コンデンサ類で、当時のものを入手するのは結構大変。そんなに金かけてなおすようなアンプでもありませんので・・・。現在では電解コンデンサはもっと性能がよくなって、小型化しており、当時の容量で同じサイズ物のは入手不可能でしょう。ということで、実際には修理・改造ということになります。

どうなっていくのやら・・・

ではまた~。

 

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Altec 414Aがやってきた(その4)

2021-07-24 18:24:57 | スピーカシステム

前回からの続きですが、今日は、ネットワークをつけて測定してみました。

いくつか測定しましたので、測定時のL,Cの値を記載しておきます。

〇条件1

  • ウーハー:L=3.3mH, C=4.7μF 12db/oct
  • ツイータ:L=0.4mH, C=2.5μF 12db/oct

VituixCAD2による計算結果は下記のようなグラフです。ただし、ユニットは固定抵抗扱いです。クロスする周波数は2800Hzあたりになっています。

次にウーハー、ツイーター、両方の3つの測定結果を順に示します。

ピンク色のツイータのお尻の特性が丸まっていますが、あまり気にしないでください。測定方法を変えたらどうもこんな感じになってしまったようです。とりあえずはクロスする周波数帯を見たいので。

ウーハーです。

ツイータです。

全体です。赤とピンクはそれぞれウーハーとツイータですが、黄色の線にレベルを合わせてみました。

すると、クロスは、2500Hzあたりとなり、理論値よりも少し低めに出ました。やはり、スピーカを純抵抗とするには無理があるようです。

音はバランスが取れているような、まだ雑味があるような・・・

 

次に条件を変えてみます。

〇条件2

  • ウーハー:L=3.3mH, C=14.7μF 12db/oct
  • ツイータ:L=0.4mH, C=2.5μF 12db/oct (条件1と同じ)

VituixCAD2による計算結果は下記のようなグラフです。クロスする周波数は2100Hzあたりになりました。

次にウーハー、両方の2つの測定結果を順に示します。ツイータ(ピンク色)は条件1と同じですので割愛します。

ウーハーです。

全体です。

クロスする周波数ですが、実測では1700Hzくらいの様です。また、クロスするあたりで実測結果が少し窪んでいます。この窪みですが、実際の音を聞くとものすごく影響があります。1700Hzあたりのちょうど可聴帯域だからか、この特性図のように真ん中あたりの周波数が足りない気がして3Wayのスピーカにしたいぐらいな影響を感じます。要は、ウーハーとツイータが離れすぎのような気がしてきます。ただ、ウーハの雑味は消え、ツイータも含め音質はつやっぽくいい感じです。

 

であれば、もう少しツイータのクロス領域を下げてみたくなるのが人情で、下記条件3を試してみました。

〇条件3

  • ウーハー:L=3.3mH, C=14.7μF 12db/oct (条件2と同じ)
  • ツイータ:L=0.4mH, C=5.8μF 12db/oct 

VituixCAD2による計算結果は下記のようなグラフです。クロスする周波数は1700Hzあたりになりました。

次にウーハー、ツイーター、両方の3つの測定結果を順に示します。ウーハーは条件2と同一ですが、測定条件(FFTのウェイト設定)を元に戻したので、再度3つ示します。

ウーハーです。

次にツイータです。

全体です。

実測ではクロスは、1400Hzあたりになったようです。しかもクロスしているところの窪みは少しとなり、ウーハのつややかさと、ツイータのつややかさはそのままです。なかなかいい感じの音質で、最終的にはこの条件3でネットワークを組んでみることとしました。

 

結果として、やはり、スピーカを固定抵抗のようにしてネットワークを組みことは、実際の特性を無視した形で設計することとなり、実測と比較してもかなり無理があることが確認できました。また、こんな簡単なフリーソフトで自分のシステムを確認できることがわかり、スピーカシステムの設計の際の指標として活用できそうです。

本当は、この辺り実際のスピーカの特性としてTSパラメータなどという、一昔前なら聞いたこともないようなパラメータを測定してVituixCAD2で設計するなどということもできるようですが、そこまでは難しく、まあちょっと無理でしょう。

最後に完成したネットワークの写真を載せておきます。なお、インピーダンス補正回路は入っていませんので、悪しからず。

 

(LE85の下にコンデンサが隠れています)

ではまた~。

 

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Altec 414Aがやってきた(その3)

2021-07-23 21:29:50 | スピーカシステム

昨日の続きですが、測定結果を下記に記載します。ネットワークはウーハーにはなし、ツイーターには2.5μFのコンデンサと減衰用の抵抗があるのみです。

まずはウーハーだけ測定した結果から。

図の赤色の線は、スペクトルの真ん中あたりを手でなぞった線になります。これでおおよその周波数特性がわかります。あまり低音、高音部分は、アンプや、マイクなど測定系の特性も影響してくると思いますので、高音域とクロスする中音域のみ参考にしたいと思います。

おおよそ1700Hz以降で緩やかに減衰しつつ、高い振幅で音が出ていることがわかります。ツイーターと結構交わっている帯域が多いようです。一応、414Aの周波数特性は30Hz~4kHzのようですが、4kHzまで鳴らしてもいいものか疑問。あまり高い音まで鳴らすと、コーン紙の振動が追い付かなくなり、コーンのセンター部分と端の部分で位相が逆になる”分割振動”なども発生するようです。

次にツイーターの測定結果です。

ピンク色の線は、ウーハーの赤線と同じく手でなぞった線です。

1500Hzあたりから減衰しているようです。減衰している斜めの線が、18dB/octに近いカーブで減衰しています。

これは、スピーカの減衰カーブが12dB/oct、ネットワークが6dB/octで合わせて18dB/octだからです。結構測定結果と理論値があっているようです。

次に全体の特性です。

下記図の黄色の線が、全体の測定結果を手でなぞった線になります。1000Hzより下と上の帯域で、うまくウーハーと、ツイーターの減衰を補っているようですが、ウーハーとツイーターがクロスするところが約2300Hzあたり。見にくいですが、この辺りで黄色の線も少し盛り上がりがあります。その後もウーハーは減衰しつつもだらだらと伸びているようです。

もう少しウーハーの高音部への伸びを減衰させたいところ。

ここはやはり、ネットワークによるお化粧が必要ではないでしょうか。

ということで、ネットワークを作ってみたいと思います。作るにあたり、まず部品ですが、以前、ネットワークを作っていたこともあり、古い部品がまだ手持ちにありますが、コイルは、0.4mHと3.3mHしかない。一方、コンデンサは手持ちは多く、組み合わせで好きな値が作れそうです。

ネットワークを作成するにあたり、これまた便利なソフトが巷に転がっているようです。”VituixCAD2”というソフトがあり、このアプリでスピーカの特性を考慮したネットワークの設計ができるようです。

しかし、そうするためには事前にスピーカの周波数特性図やインピーダンス特性図をVituixCAD2に読み込ませる必要がありますが、ウーハーもツイーターも古いスピーカで、特性図がネットで調べるも見つからず、残念ながら、結局VituixCAD2を使っているにもかかわらず、インピーダンス固定でネットワークの定数を手持ちの部品に合わせて適当に決め、あとは実際の測定で確認することとしました。

VituixCAD2を使った様子を下記に。

ということで、高音部のネットワークは、2.5μFのコンデンサと0.4mHのコイルを使って12dB/octのものを。低音部は、3.3mHのコイルに5μFのコンデンサを使って12dB/octのものを用意しましたが、この5μFに10μFのコンデンサを抱かせてみたりして実測したいと思います。

とりあえず、低音用のネットワークを下記に載せておきます。

コイルは、カットコアを用いた鉄心入りです。コイルについては、空芯がいいとかいろいろあるかと思いますが、空芯だとインダクタンスを稼ぐために銅線をたくさん巻く必要があり、直流抵抗が増しますので、これも一長一短かと思います。

と、今日はここまでで。明日は実際にネットワークを接続した測定をしてみたいと思います。

ではまた~。

 

 

 

 

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Altec 414Aがやってきた(その2)

2021-07-22 20:33:30 | スピーカシステム

7/18のブログでウーハーユニットを414Aに付け替えたのを記載しました。そして付け替えた直後の音をは、”イヤー、さすが414Aいい音でなってますなー”という趣旨の内容を書きました。

そう思ったのは、それからまあ2日程度。その後、度々の試聴を繰り返すうち、なんだか音がしっくりこない、なんだかつまらない。なんでだろ。いろいろ考えました。そして分かったことが。

例えて言うなら・・・そうだ、例えばいつもの何でもないスナックでのひと時、隣に透き通るような肌の若き女性が座ったとしよう。ママが気を利かせて雇ってくれたバイトの子だ。はじめは、興味をそそられいろいろあーだこうだと話をするが、数回そうしているうちに話のネタもなくなりだんだんと面白くなくなってくる。その内、ママといつもの何でもない会話が始まったりする。相手は化粧の濃いおばちゃんにも拘わらず。

こんな感じのつまらなさです。

で、この理由は何かと考えましたが、まず思うにスピーカは、そのユニットが得意な周波数帯域がありうまくそこらあたりで鳴らして、複数のユニットと連携させて音楽再生に十分な周波数帯域が再生できるようにデバイディングネットワーク(以下、ネットワーク)があり、2ウェイなら、ウーハーは何Hz以下の帯域、ツイーターは何Hz以上の帯域と分けてやる必要があります。

まずは、このネットワークがないからとの考えに至りました。上記の例でいうと、ネットワークが化粧になるのでしょうかね。

で、まずは、現在の状態がどうなのか、少しまとめてみます。絵で書きましたが、今の状態は、例えていうなら、あっさり薄化粧の肌も透き通るような若さが売りのシステムです。そのユニットの着の身着のまま、若くないとできませんが、味がないと長続きしないかな。

そこでネットワークを作成するべく、このシステムでどんな周波数特性なのか知りたいと思い、簡易的な測定を行いました。今のオーディオの世界では、昔のようにスピーカを純抵抗とみなして設計するようなことはやっておらず、スピーカの特性を加味した設計を行っているそうです。この測定もこれに少しでも近づいてみようとしています。

現代は、便利なもので、スマホかパソコン1台あれば、簡易的にしろこういうシステムを測定できるアプリが無料でインターネット上に転がっています。今回は、次のようなソフトで測定してみましたが、他にもいろいろいいものがあるかと思いますので、そういうものがありましたら是非教えてください。

  • PCでアンドロイド系スマホアプリを動かす環境を作ります。これには、”Blue Stacks”というソフトが便利なようです。スマホを持っている人はスマホをそのまま使ってもOK。スマホの場合は、”Blue Stacks”は不要です。
  • スマホ環境が出来上がったら、Google Playに登録して、”White Noise”というアプリと、”Sound Level Meter”というアプリをダウンロードします。
  • BlueToothの受信機を用意し、PCとペアリングします。そして受信機の出力をアンプに繋ぎます。
  • Blue Stacksを起動し、その中で、White NoiseとSound Level Meterを起動します。
  • White Noiseからホワイトノイズを出力します。PCのマイクからスピーカの音を拾い、Sound Level Meterでスピーカ音のスペクトルを表示します。

この測定の様子を写真に示します。

上の写真ようにBlueToothの受信機をアンプに繋ぎます。全体の様子は下の写真です。

PCからホワイトノイズを出力し、スピーカの音をPCで拾っています。その際の画面が下の写真になります(下は無音時の様子です)。

と、今回は4連休につき長々と書きましたが、この測定結果はまた、明日にでも。うまく測定できているかな~。

ではまた~。

 

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Altec 414Aがやってきた

2021-07-18 14:18:36 | スピーカシステム

今日はオーディオがらみの話題でも、たまにはスピーカに目を向けたいと思います。と言っても、うんちく云々はもっと詳しい方にお譲りするとして、ようやく念願だったAltecの414Aを入手したので、ユニットの取り換えにについての記載を。

現在まで使用していたスピーカユニット(ウーハー)は日本が誇るダイアトーンのモニタースピーカPW-125を使用していました。我が家は、よくネットや雑誌で見るものすごいオーディオルームではなく、ただの8畳間の寝室に機材を置いているので、スピーカもそれほど大型のものは置けなく、広くもないので30㎝のシステムで十分で、出力の小さい真空管アンプでも十分な音量になります。また、手持ちのスピーカは古い真空管時代のものが多く高能率で30㎝で不便に思ったことは全くありません。また、やはり人気は38㎝のものが多いのか、オークションでも30㎝は案外安く出品されたりしています。そのため、えっ、このスピーカがこの値段!という時もたまにあり、かなり安く手に入れることもしばしば。

で、本題のユニット交換です。まずは、PW-125の時の様子から。

ユニットは、PW-125の他にJBLのLE-85にエール音響のEX-800ホーンを抱かせています。ネットワークは単純に2.5μFのMP(メタライズドペーパー)コンとアッテネータをつけた6dB/octのものをLE-85に接続しているだけ。ウーハーはメカニカルフィルターにより高音は出ないようになっているのか、ネットワークなしでもよいようでした。実際、2S-305でも、ウーハーにはネットワークは入っていません(以前はAS-3001という派生機種を持っていた)。

ところで、最近ネットで面白い書き込みが出ていたのですが、PW-125のエッジについているスポンジがメカニカルフィルターだと言っておられる方がいらっしゃり、ほんとかい?と思ったのですが、確か、このスポンジはただのダストカバー(ホコリよけ)だったような。昔はそのように呼んでいたと思います。

これがメカニカルフィルターだったら、その硬さや質量などフィルターとして重要なファクターを考慮に入れて作らねばならず、とてもじゃないけどこんなスポンジ切れで特性を均一に保つことは難しいでしょう。まして、当時の放送局では、たばこを吸う人が多くコーン紙にヤニがついて頻繁にメンテナンスを行っていたとMJか何かの記事で読んだことがあり、すぐに加水分解するようなウレタンのスポンジをメカニカルフィルターとしていたのなら、業務用モニターとしての品質は得られなかったのでは(温度、湿度などで特性がころころ変わりそう)。よってこのスポンジは周波数特性に影響を与えるものではない、ただのダストカバーだと思います。しかもスピーカのエッジについてるものですし。これがダンパーについているものならまだ理解できますが。

と余談はさておき、PW-125と414Aを並べてみました。

PW-125も素晴らしいスピーカですが、414Aもまた素晴らしい。このグリーンが何とも言えません。マグネットはアルニコV(ファイブ)。

そして付け替え完了。ただ、PW-125の後でもあり、ネットワークがない状況。

全体の風景を下記に。

実は、この写真のために、今日は朝から部屋を掃除し、スピーカ廻りのふき掃除から整理整頓他、大変でした。何せ寝室なものですぐにホコリが舞い積もるので、それこそ、414Aにもダストカバーが必要です。裏側もホコリまみれだったのをきれいにし、ようやく写真が取れました。

ネットワークは、音出ししてから考えようと思い、とりあえず音出ししてみたのですが、なんとその音質はみずみずしくて抜けがよく、高音部とのつながりも良くて、ネットワークがなくても楽しめそうではありませんか。こりゃこのまま当分いけそうです。ということで、しばらくはこのまま楽しみたいと思います。

ではまた~。

 

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