Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

UY-510Bシングルアンプの製作(3)

2021-09-26 20:59:32 | UY-510B(T)シングルアンプ

今日はシルバーウィーク最終日、なんやかんや忙しくあまりアンプづくりに精を出すことができませんでしたが、見た目は下記のように、一応整いました。

昼間は、シルバーウィークだけにうちのシルバーのお相手も少し。電気屋や家具屋に行ったりなどして、ひと段落し時間が空いた時にアンプを整えました。

そして夜は夜で、今日はいいオークションが沢山あるようです。最近コロナの影響で飲みにも行けないので財政的には少し余裕があり、今日のオークションには少し気合を入れて臨みたいと思います。

ということで、今日はこんなぐらいですが、ちょっと気になる307AやHY-69等でまた3結のまま差し替えて音を確認してみたいと思います。その後は、これらの球で5結でどういう音がするのかも気になりますね。

ということで、また来週~。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

UY-510Bシングルアンプの製作(2)

2021-09-25 19:35:24 | UY-510B(T)シングルアンプ

昨日に引き続き、UY-510(T)によるシングルアンプの製作です。

今日は、音質調整を行いました。昨日は、単に球を差し替えて音を鳴らすことができるように、ソケットをUXからUYへ変更、およびプレート電圧、プレート電流の調整を行いました。昨日書き忘れましたが、UY-510Bへのプレート供給電圧は、約325V、プレート電流は、50mAに調整し、カソード電位は約30Vでプレート損失は、ほぼ15Wです。

この状態で鳴らすと低音が結構出ており、迫力はあるものの、なんだか全体のバランスとしては、ちょっと悪いかなと思えます、まあ、この辺りは好みの問題でしょうが、一応、ブログにも書くのでもう少し全体のバランスを考慮したいところ。また、DFもそれほど大きくないので、少し低音がボンつき気味の音がしていました。

そこで、今日は、もう少し締まりの良い音にし、全体的に音のバランスを整えたいと思います。

といっても、秘策があるわけではなく、私の場合はNFBの調整を行い、DFの改善を行うだけです。

そこで元回路の下記、赤丸の中の抵抗を変更して調整を行っていきました。当初220kΩを100kΩに変更してと実施していましたが、DFをもっと大きくしようとすると、出力波形がひずむ。概ね、DFが2.6ぐらいでひずむようになり、こりゃ調整が必要だということで、回路の改造を行いました。なお、この波形は写真に撮り忘れましたが、以前、「次のアンプに向けた準備、やっと」で、記載した波形と同じ感じの崩れ方です。

 

そこで、上段のプレート電圧の調整ができるように、下記のような回路にしました。そして抵抗値も赤丸内の値に収まり、DFは4にするところまで行きました。

実際の変更後の様子は下記になります。写真下の可変抵抗が追加になっています。

ここまで、ブログでは淡々と進んでいるように思えますが、調整が結構大変です。

スピーカ端子でちょうど1W(@8Ω負荷接続)の波形を下記に示しますが、正弦波の上下が対象で整った波形をしています。しかし、これを出すのに各所の調整が結構大変。

このきれいな1Wを出力している、出力管に送り込んでいる電圧増幅段の波形、つまり出力管の第1グリッドの電圧波形を下記に示しますが、上下少しバランスが崩れています。(電圧はプローブで1/10にしています)

つまり、少し歪のある波形を出力段に送り込んでいるわけですが、スピーカ端子はきれいな波形になっています。何が言いたいかというと、電圧増幅段と出力段でうまく歪の打ち消しが行われてこのようなきれいな波形が出力されるのですが、このうまく歪の打ち消しが行われる動作点を見つけるのが結構大変なのです。

何とか調整出来、DFは4(1kHz, 8Ω時)となりました。出力波形も上述のようにきれいな波形となり、いざ試聴!

まず第1印象ですが、上述した低音の出すぎも解消され、ボンつきもありません。音には透明感が感じられます。しかし、こんな感じでうまく歪の打ち消しが行われた場合、音が若干固いかなという印象。もう少し歪を多くすれば音が柔らかくなるのかもしれませんが、この透明感は歪の少なさから来ているようにも思います。

女性ボーカルで確認すると、これが心地いい。本当にそこで歌っているような感じがします。しかしピアノメインの曲にすると、やはりこの硬さが影響しているのか、少し機械的な音の印象があります。ギターやバイオリンの絃の音は、張りのある良い音で言うことなしです。

と、このようにうまくアンプにすることができました。UY-510Bは、日本が誇る真空管の1つではないでしょうか。

一度皆様もお暇なときに上述のような回路で真空管アンプを作って確認してみてください。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

UY-510Bシングルアンプの製作(1)

2021-09-24 21:05:59 | UY-510B(T)シングルアンプ

この前盆休みだったと思ったら、もうシルバーウィーク。早いものです・・・。しかし、確実に秋の気配は来ているものの、昼間はなかなか涼しくならない。ということで、この休みもほぼ巣ごもりで過ごそうと思います。

そこで、今日は、先日確認したUY型の球でちゃんとアンプを作ってみようと思い、アンプづくりに励みました。

といっても、一から製作するには時間がかかりすぎるので、先日製作した300Bシングルアンプを改造して、そこにUY型の球を載せる改造を行うことにしました。

写真は、アンプにした状態です。

下記の写真は、久しぶりに開けた300Bのシャーシ内部。ここの白いソケットをUX型からUY型ソケットに変更して、トッププレートにも対応できるようにしたいと思います。

では早速下記のソケットに入れ替えます。

こんな感じで、置き換えていきます。下記写真はとりあえず片方のみ置き換えたところです。

またトッププレートの部分は、元々こういうこともあろうかと、トッププレート用の端子をシャーシ上面から接続できるようにつけていました。下記写真では赤丸の部分になります。

出来上がりは、最初の写真ですが、これから、少し改造点があります。

  • フィラメント電圧が、0.6-0.3V低いので少し調整がいる。
  • 写真のようにプレートキャップの配線が長すぎなので最適な長さに調整がいる。

そして、最も重要な音質の調整。主にNFBで調整するのですが、現在DFが2(@1kHz, 8Ω)しかなく、音もまだまとまっていないので、もう少し調整がいるかなと思います。

ただ、球比べで確認したように低音にものすごく迫力があり、チャイナの300Bを圧倒的に凌駕しています。最終的な音質調整でどうなるのか楽しみです。また現在は、3極管接続ですが、本来の5極管接続でも試してみようかと思っています。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真空管のプレートキャップの修復

2021-09-20 19:55:56 | 真空管修復

先日オークションで下記のような球を落札しました。

TaylorのT-20という球でNOS品です。価格は3千円台とこの手の球にしては安め。なぜ安かったかと言いますと、オークションの説明にトッププレートの金具が緩いジャンク品と書かれているためでした。

古い真空管で、よくベースの緩いものやトッププレートが緩い球がありますが、ベースが緩いよりもトッププレートの金具が緩い球は致命的です。プレートキャップをはめるのはいいですが抜くときにトッププレートの金具も一緒に取れてしまい、もう2度とその球は使えなくなるからです。

そこで、今回はこのトッププレートの修復を行ってみました。

まずは、トッププレートがどんな状態かと言いますと、下記のような状態。ガラスから金具が浮いています。

写真ではさっぱりわかりませんが、もう、ゆるゆるでガラスに全く引っ付いていません。

ということで、こいつは、一度トッププレートのはんだを取り除き、キャップの金具を取り出し再接着させようと思いました。

早速ハンダを取り除きプレートの線を立てた状態です。

しかしこの金具を引っ張っても、内部のセメントにプレートの線が引っ付いているらしく、抜けない・・・。あまり強く引っ張って線が切れてもまずいので、ここは金具を取り外すのを諦めました。

ここで、方針転換。金具とガラスの隙間から接着剤を塗りつけ、固定しようと考えました。

接着に使う接着剤ですが、下記を使いました。

コニシボンドの”Eセット”というエポキシ樹脂系接着剤です。これは、2液タイプでA剤とB剤を混ぜ合わせて使うタイプのものです。このEセットで、よくベースが緩い球も直しており、一応実績はあります。

しかし、トッププレートは、真空管のプレートのすぐ上にあたる部分なので、使用時はかなり高温になる場所です。下手な接着剤だと温度で収縮したりして、ガラスが割れてしまうことも考えられます。はたしてこれでうまくいくのかはちょっとわからない。まあ、ダメだったときは潔くあきらめる、ということでやってみました。

準備するものは、下記のような薄いプラスチックの板。これは別の接着剤が入っていた入れ物ですが、ここから3㎜くらいの幅で、40㎜くらいの長さに切り取り、これをヘラとして使用します。厚さは、0.2㎜くらいかな?

このプラスチックの板材を使って、金具とガラスの間に先ほどのA剤とB剤を混ぜた液を下記のように刷り込みます。

360度一回り実施したら、金具とガラスの位置を正して乾くまで待ちます。

そして下記が乾いた状態ですが、ガラスについた余分な接着剤はカッターナイフで削っておきます。(下記写真は削った後の状態)

そしてハンダで再度プレートの線とキャップの金具をつけます。今回の作業では、結局この作業は、意味をなさず無駄でした。金具がゆるゆるの場合は、こうやって接着剤を刷り込むだけにした方がいいかもですね。

これで修復終わり。

気になる熱への耐性ですが、再度はんだ付けした時点で高温にさらされており、何ともなかったので、問題ないことがわかりました。

めでたしめでたし。

ところで、プレートキャップですが、あまりきつい状態で真空管に装着すると、抜くときに苦労するばかりでなく、トッププレートの金具も緩くなったり最悪の場合取れたり、ガラスが割れたりしますので、私はそんなきつくはめ込まないようにしています。キャップ側の金具をドライバーなどで少しもんで、緩くしてからはめるようにしています。指3本でキャップをつまんで少し負荷があるけど難なく抜き挿しできるぐらいの感触です。趣味用の器材なので、それで十分でしょう。ご注意ください。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

次のアンプに向けた準備、球くらべUY-510B編(その2)

2021-09-19 21:49:14 | 自作真空管アンプ

昨日からの続きですが、今日はUY-510Bをアンプに仕立てて音の確認を行いました。

昨日の測定結果から、B電源は360Vの時にカソード抵抗を1kΩとすれば、55mAほど流れてちょうどよい状況でした。

早速アンプを試聴。

試聴にあたっては、ほぼ動作点が近似している307Aと差し替える形で実施。ちなみに307Aの場合は、カソード抵抗は600Ωが良さそうでしたが、差し替えの度に一々変更できないので1kΩのままです。

UY-510Bの動作状態の写真を掲載しますが、フィラメントは3往復の折り返しの酸化膜タイプで、プレートの形状は、VT-62やVT-52等と同じく矩形の構造ですが、大きさは510Bの方が迫力があります。一方、307Aは、フィラメントが4往復しており、プレートは陸上のトラックのような構造となっています。307Aの3結はUY-510Bの3結と特性も似ていると言えば似ていますが、プレートの形状は、510Bの方が上品かなと個人的には思いました。

さて、理研の方が特性測定時に放電があり、少し心配していましたが、プレートーカソード間の電圧自体も300V程度でしたし、問題になるような範囲での動作ではなかったので、アンプには影響はありませんでした。

では、試聴結果ですが、下記のような結果になりました。

各項目の評価は、他のどの列強の球よりも良い結果となりました。少し贔屓目に見ている可能性はありますが、307Aとの差し替えでも奥行き感の違いがはっきりしましたし、また、高域・低域も申し分ありません。迫力もあり、昔の日本の球はこんなだったのかと驚かされます。国産球は、ぼやけたような音という評価も聞く時がありますが、そのようなことは一切なく、現代でも通じる音のように思いました。

一度、この球でちゃんとしたアンプを作ってみたいなと思いましたが、手持ち球はそろってない上になかなか入手が難しく、運良く入手できたとしてもエミッションに問題ないのか、そのあたりが気になるところ。製作する場合はかなり苦労が予想されますね。

 

この評価についてはあくまで主観的な評価、かつ、回路を見ていただいてもお分かりのように特殊な回路で試していますので、皆様のお手元のアンプで同じような評価になるとは限らず、あくまで個人の感想として寛大な心で受け入れていただければと思います。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする