ブログのサービスに「アクセス解析」というのがあり、どのページにアクセスされているのか表示されるのですが、案外、一番初めに練習用で掲載した3C24のダイナミックカップリングアンプのアクセスが多く、多くの方が3C24に興味を持っておられるようです。そこで、3C24を使用したアンプの後継機を2005年4月に製作しましたので、それを掲載したいと思います。まずは完成写真からです。
そして暗いところで見るとこんなに光っているのがわかります。
前回作のものは、ドライブ段の球を12B4A、初段を5670のSRPPとしていましたが、5670ではゲインが足りなく、あまり出力が出ませんでした。そこで、これをもう少しμの高い球にし、強力にドライブできる球として当時自身の中で流行っていた6EM7を採用しました。
また、ダイナミックカップリングのドライブ段には、6EM7のμの低い側を使用しますが、これの制御用に別の6EM7を使用した定電圧回路を採用しました。
下記が回路図となります。
製作については、当時は下記のように書いていました。
製作は、シングルアンプの時は私の標準構成になりつつある、15cmX40cmのアルミアングルに高さ45mmの木枠シャーシの構成にしました。この構成は結構見栄えがいいのと、コンパクトであること、そして作りやすいという、いいところが3拍子そろっています。欠点は、真空管の回路部分のスペースが小さいことと、私が木工が苦手なため安定して上手に木枠の加工ができないというところでしょうか。回路部分のスペースは、出力トランスの裏側にサブシャーシを作ってそこにいろいろな部品を載せる工夫をし、空きスペースを有効利用しています。木工が下手なのは練習して上手になる以外何もありません。大体アンプ作りは2-4ヶ月に1台というスロースペースなので、木工はなかなか上達しません。木枠の構成は6GA4アンプのコーナーの図6と同じです。今回は、継ぎ目の隙間が結構開いてしまったのが残念でした。
サブシャーシですが、今回は3C24のヒーター整流回路および、ハムバランサーを実装します。また、このシャーシはブリッジダイオードの放熱板をかねてちょっと大きめにします。2mm厚のアルミ版に10cmX8cmぐらいの大きさにしたのですが、これでもかなり高温になるので、もっと大きめに製作したほうがよかったようです。あるいはブリッジダイオードは別に専用の放熱板をつけた方が正解だったかもしれません。あまりの熱さに後ほどパソコンのCPU冷却用ヒートシンクをひっつけました。
最後に下記のような記載をしていました。
ダイナミックカップリング前段のプレート電圧調整(つまり、定電圧電源の出力電圧)ですが、6EM7を使用した場合、思ったより低電圧で3C24をドライブできるようで、最小の140Vとなりました。あらかじめ実験などして最適電圧を探しておけばよかったのですが、そこはアマチュアで横着してしまいました。^^;
NFBについてですが、完成までに視聴を繰り返し、球の個性である音の艶を十分に残したため、今回は6dB と少しだけ行うこととしました。音の傾向ですが、球の個性が出ているものの、艶っぽくなかなかなものです。エージングのつもりで1週間ほど寝る前に1時間程度聞いていましたが、音が気にならずあっさりと眠れてしまいます。気になりだすと逆に眠れなくなるので、寝ながら聞くアンプはお気に入りのものしか採用しません。
前回のアンプでは、ダイナミックカップリング前段のプレート供給電圧がかなり変動するといいましたが、音楽では変動は一瞬なのでコンデンサーにたまったエネルギーで何とか変動に対して凌げたのではないかと思いますが、やはり力強さでは新型アンプに軍配が上がりました。
と、当時は、ダイナミックカップリングのドライブ段に定電圧回路を持ってきていましたが、今はT-55のところで記載したように定電流回路を使用した方がよいのではないかと思っています。また機会がありましたら挑戦したいと思います。
よろしければご参考ください。