Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

E130Lパワーアンプの製作(7)音質確認

2024-10-12 18:47:47 | E130Lパワーアンプ

今日は、完成を目指します。結果としては音質確認まで進みましたが、結末やいかに・・・

まずは、電圧増幅段が正しく動作するか確認です。

結構いい加減に設計したので、ちゃんと差動増幅しているのか確認を行いました。

写真ではわかりにくいですが、電圧増幅段に実際に電圧をかけてみます。そして定電流回路がきちんと働くか、また設計値と同じ電流を流してみて差動増幅しているのか確認してみます。

上記写真のようにオシロのプローブを2ch分出力につなぎ、テスターで電流値を見ながら調整します。

その結果、2本分で5mAの電流を流し、きちんと差動増幅が出来ていることが確認できました。

上記写真では結果しか載せていませんので簡単な様ですが、実は、定電流回路にミスがあったり、配線にミスがあったりと色々不具合を直してようやくこの出力が出たところです。

電圧増幅段がほぼ出来たので、今度は出力段を製作します。

配線に当たり、電圧増幅段の定電流回路や電圧調整回路が載っている基板の場所が悪いことに気が付き、位置を変えました。

そして、出力段の定電流回路と電圧増幅段のバイアス電源回路が載っている基板を載せます。

一応これで配線は完了です。

早速火入れです。出力段の動作確認も実施し、定電流回路を調整して2本分で200mAとします。

1W出力としてみましたが、きれいな正弦波が出ています。

では、音質確認をしてみます。どんな音が出るのかこの瞬間はいつもワクワク・ドキドキです。

いつも聴き慣れているCDで音楽を鳴らしてみましたが・・・

音はきれいな音ですが、うーん・・・何か物足りないなーという感じです。音が何かすっきりしすぎていて全く面白くない音のように思えます。

これはモノラルだからかな?と思い、比較のために別のアンプをモノラルで鳴らしてみました。

右側は謎のアンプですが、音はお気に入りの音です。こちらはビーム管のシングルアンプです。

音はやはり、シングルアンプの方が数倍良いです。プッシュプルの方はなんだかそっけない音がします。

そんな状況なので、もう片方を作るかどうか悩むところです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

E130Lパワーアンプの製作(6)方針転換

2024-10-06 21:41:13 | E130Lパワーアンプ

今日は、そろそろ組み立てようと思い、部品を集めていたのですが、肝心なものがないことに気が付きました。

B電源用のブリッジダイオードが、なんと、手持ちには低圧のものしかないのです。一応、大昔購入したW10なるものはあるのですが、B電源は電流値も大きいので、発熱の可能性があり放熱器が付けられるタイプのものが欲しいのですが、200V耐圧のものしかなく、B電源用としては少し足りないのでどうしようかと考えていました。

ダイオード4つ使ってブリッジも考えましたが、電源のラグ板を置くスペースも限られるので、個別にブリッジにするのはちょっと厳しい状況。

そこで、方針転換し、電源は前回路で使用していたものを流用してあまり低圧大電流とするのではなく、E130Lは三極管接続として高めの電圧で使用することとしました。幸い三極管接続時の特性曲線が公開されていますので、これを使用します。

動作点はVp=250V、Ip=100mAのところとします。

回路は少し変わりますが、既に作った基板はほんの少しの修正でそのまま使うことが出来ました。

新しい回路は下記になります。

これでようやく組み立て開始できます。

さて、組み立てのために、少し部材を作る必要があります。アルミの端材から基板を取り付けるための部材を切り出しました。

そして出来上がったものが下記になります。

これをシャーシ内に取り付けました。

そして回路の組み立てを行い、ほぼ真空管のソケットに抵抗などはつけましたが、作った基板に配線を始めるところで今日はやめておきました。

中身はまだスカスカですが、ここまでするのに結構時間がかかりました。続きはまた次回にしたいと思います。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

E130Lパワーアンプの製作(5)

2024-10-05 22:28:27 | E130Lパワーアンプ

早いものでもう10月になってしまいました。ついこの前、正月、ゴールデンウイークと思っていましたが、いつの間にか夏が終わり、あと2か月もすれば年末です。その前に小野市のレコードコンサートがあり、早くアンプを作らなければ・・という状況です。

そこで、途中の過程はすっ飛ばし、下記の基板を作っていました。

まずは、パワー管E130Lの定電流回路と初段のバイアス用の12V電源基板です。

E130Lの定電流回路は、MAX400mAと大容量ですのでトランジスタは発熱すると思いますので、外付けするようにします。

また、バイアス用の12V電源は、少し面倒になって三端子レギュレータを使用することにしました。

使用している電源トランスは山水のPV180になるのですが、この巻線に32V端子がありますのでこれを整流して、12Vを得たいと思います。32Vを整流すると約45Vになりますが、そこから12V引くと約33Vも無駄になりますが、使用する電流が5mA未満ですので、捨てる熱は0.17W以下です。

次に電圧増幅段の定電流回路と、電圧調整回路は下記になります。

前段のプレート電流はかなり仮説に基づき製作しましたので、大いに不安がありますが、とりあえず製作してまずは実験です。

今日は基板の製作のみです。急がないと・・・

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

E130Lパワーアンプの製作(4)

2024-09-29 21:50:30 | E130Lパワーアンプ

前回は大まかな回路を記載しましたが、今日は大まかな設計になります。

まずは、E130Lですが、公開されているデータを参考にロードラインを引いてみます。

G2への供給電圧が150Vの曲線でロードラインを引いてみたいと思います。

プレートへの供給電圧もG2と異なる電圧にするのも少し面倒なので、同じ150Vとしてみます。出力トランスは5kΩppなので、1本当たりの負荷は1/4の1.25kΩでロードラインを引きます。上記赤の線ですが、100mAと200mAで引いています。

プレート電流は、とりあえず100mA~200mA程度にすることとします。

次にE81Lですが、これもデータは公開されています。

これを基にロードラインを・・・と思いましたが、なんと、G2の電圧が210Vのデータしか公開されていません。

ちと困りました。B電源はとりあえず150Vで考えています。そのため、E81Lも150V以下の電圧供給となります。

そこで、3極管接続の曲線を参考にしました(なお、正式に参考にできるかは不明)。

上記の図でVp=G2=100Vのところを見てみると、G1=‐2Vの時にIa=3.8mAとなっています。ここにIg2も含んでいると思いますので、まあ、大体Ig2に0.7mA程度流れているということして、Ip=3.1mAということにしてみます。

とすると、上記の5極管接続の特性曲線でVp=100VでG1=-2VのところでIp=約31mAとなっていますので、Vg2=100Vの時だと3.1mAと10分の1なので、5極管接続時のVg2=100Vの場合は、約10分の1の電流値ということになります。

という仮定の下、ロードラインを引いてみます。

Iaの目盛りは10分の1となり、10mAのところが1mAとなります。

プレート電圧を約130Vとし、負荷抵抗を25kΩとしてみました。動作点はVg1=-2.8V、Ip=2.1mA、Vp=75Vとなります。

差動回路とすると、2本分でIp=4.2mAとなります。

前回の下記の大まかな回路に当てはめると・・・

丸のVの部分は20V減圧する回路となり、前段E81Lのカソードにつながっている定電流回路は4.2mA、E81Lのプレート抵抗は、25kΩ(≒27kΩ)、E130Lのカソードの定電流回路は200-400mAの定電流回路となります。

これでほぼ、設計が出来ましたが、かなりアバウトなところがありますので、とりあえず作ってみてうまくいかなければ、カットアンドトライや再度設計に戻るというやり方にしたいと思います。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

E130Lパワーアンプの製作(3)

2024-09-21 21:08:26 | E130Lパワーアンプ

今日はシャーシにE130Lを載せたらどんな風になるのか確認してみました。また、回路についてもどんな計画なのか載せたいと思います。

モノラル構成の片方だけですが、出力トランスをシングルのものからプッシュプルのものに載せ替え、不要な回路を抜き取り、ソケットをUS8ピンに交換して真空管だけ差し替えてみたのが下記になります。

E130は結構ごつい球なので、2本並べた見た目はなかなか良いものがあります。

一応文字稼ぎのために、ここまでの作業内容も少し載せておこうかと思います。

元々は800と807が載ったシングルアンプでしたので、ソケットの構成や電源など不要なものや交換が必要なものがあります。

まずは出力トランスの交換です。配線を外して取り外します。

この他電源の要らない部分の取り外しや、ソケットを交換し冒頭の写真のように、形だけプッシュプルアンプになりました。

次に回路ですが、大まかには下記のように差動回路にしようと思います。差動回路なので、A級プッシュプルになると思いますが、シングルアンプの場合と同程度の出力になるかと思います。

全段5極管構成です。5極管構成としたのは、十分なフィードバックを掛けるため増幅度を高くしたいからです。1927年にウェスタンエレクトリック社のハロルドブラックが負帰還を発明してから、低歪を目指すよりも増幅度の高い球が開発される方向になっていったと、ある文献で読みましたが、5極管でダンピングファクタが4~5(@8Ω)になるくらいNFBを掛けると、柔らかい良い音がしますので、ハロルドブラックの発明の恩恵にあずかりたいと思います。

本回路では、NFBは出力トランスを介さず、出力段のプレートからグリッドに負帰還のループを作ります。〇にVと記載しているのは、電圧調整回路です。なお、NFBのループに出力トランスを含めた場合(要は出力トランスの2次側出力をNFBとして戻す)場合、私の経験では音が濁ったようになり、いい音がしたためしがないです。

ということで、大まかにはこんな回路でアンプにしていこうと思います。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする