去年、MJのライターをやっているI氏から聞いた話ですが、我々真空管オーディオマニアの拠り所、MJ誌が季刊誌になるとのことで、年に4回しか発刊されなくなるそうです。
一方、最近の同誌の状況は薄くて価格が高くなり、しかも発行部数もそれほど多くなさそうなのでいずれはそうなるのではないかなと薄々は感じていました。
マニアなら頑張って購入を続ければよいのですが、如何せん、内容的には特に興味をそそるようなものが少なく、また、楽しみの1つである広告も昔の雑誌のように、自作用の部品や、時には得体のしれないキットなど出てくるものはなく、海外ブランドや有名どころの何十万、何百万もするような高級オーディオ装置ばかりで、我々一般サラリーマンには手が届かないものとなり現実味が少なくなっています。
たまに同誌を購入することはあっても、もう10年以上も継続購入はしていない状況です。中高校生の頃は、「MJ無線と実験」と「ラジオ技術」は本屋へダッシュし、欠かさず毎月購入したものですが、当時は、MJ誌の広告だけ見ていても楽しかった記憶があります。
そこで、今日は、昔(今回は1950年代後半)のオーディオ関連の雑誌を改めて見てみました。
雑誌は「電波とオーディオ」です。当時は、オーディオが最新の機器だったようで、今でいうとさしずめスマホのような地位にあったのではないかと思います。
当該号は、テープレコーダの特集となっており、10機種以上ものメーカ製の回路を含めた詳細な記事が載っていました。
今でいうところでは、各社のスマホ内部の作りを紹介した記事になるのでしょうか・・・一例として、不二音響のダイナックスTR-12という機種の記事を載せます。
こういう武骨な、いかにも業務用という雰囲気の機器は何だがマニア心をくすぐられますね。
またテープレコーダを自作する記事もあり、まさにマニアには読み応えのある内容かもしれません。
50年代には、自作向けにモータやメカ部分など、既に購入可能だったのでしょうか。
そして一番目を引いたのが、下記の問答です。
いちばん最初は、回路にデカップリングコンデンサC1を入れるとハムが増加するということについての問答になります。
この問いに対して、回答を見る前に思い当たるものはないか、自分でも考えてみたのですが、なぜだかわかりませんでした。^^;
回答の1つとしては、C1にブロックコンデンサを使用した場合に起こりうる様です。ブロックコンデンサとは、1個の筒内に複数のコンデンサブロックを入れたもので、昔の電解コンデンサでよく見ました。47μF+47μFなどパイ型リップルフィルタを作るのに重宝したものですが、上記のような回路で使用する場合、もう片方の脈流が伝わってしまう、ということがあるらしいです。今までこういう回路の使い方をしたことがなく、気が付きませんでした。また今では、ブロック型コンデンサは、一部を除いてほとんど見なくなりました。
もう1つの回答としては、アースの引き回しによるものが考えられるようですが、そもそも、アースの引き回しトラブルは厄介で、出来るだけ発生させない様、アース母線を使用し、かつ、母線もループが発生しないように気を付けていますので、これも回答としては思いつきませんでした。
うーん、やはり、昔のオーディオ誌はマニアをうならせる何かがあったようです。今後、季刊誌となったMJ誌の中身に期待したいものです。