3R政策というものがあります。環境と経済が両立した循環型社会を形成するため、Reduce,Reuse,Recycleを進めようというものです。
まったく同感で使い捨て文化は手軽ではありますが、やりすぎると資源・エネルギーの限界に達してしまいます。したがって、3Rの実行は大事です。
しかし、3Rにも限度があります。やりすぎると返って逆効果になりかねませんというお話です。
しばらく前から、「古新聞・古雑誌・衣類のぼろ」という毎度おなじみのちり紙交換の声を聞くことがなくなりました。古紙の価格が下がったために商売にならないのだそうです。ところが、製紙業界は2000年に古紙利用率56%を達成したといいます。ですから、古紙の回収は増えているのです。誰が集めているのだろうと自分の町内を考えてみたら、自分たちで集めているじゃありませんか。自治会や学校のPTAなんかが主体になって各家庭から集めてまとめて業者に渡しています。
しかもこの自治体やPTAはごみ削減と資源(古紙)回収が目的ですので、古紙の値段が下がったからやめるということはなく、むしろどんどん集めてします。そのお陰で古紙の利用率というのはどんどんあがってきているそうです。
回収可能な古紙の割合上限は65%といわれているので、56%といえば大分限界に来ているといえます。
そこでこれ以上の古紙回収は必ずしもエコ、すなわちエネルギー消費抑制にならないというお話です。
紙の原料はパルプといわれる繊維です。古紙から再生パルプを作るには除塵、漂白などに電気つまり石油等必要になります。
一方、原料木材チップを溶かして化学パルプ取り出すと、後に黒液と呼ばれるものが残ります。この黒液は燃料になりますので、木材チップから紙を作るときには石油等の燃料は必要ないのです。
ちなみにこの黒液は新エネルギーに分類されていて、1999年実績で457万kL(原油換算)も使われています。2010年の新エネルギー導入目標は原油換算1910万kLですが、黒液だけですでに24%を達成していることになります。ちなみに2003年度の原油輸入量は2億4500万kLです。
回収古紙からの再生パルプの使い道ですが、板紙(お菓子の箱など)ではすでに90%が再生パルプからできるそうです。板紙は7層の紙を重ねるそうですが、間の5層は漂白しなくても良いからだそうです。新聞紙などではまだ3割だそうですが、これを今以上増やすと紙質の低下(新聞紙がすぐ破れるようになる)する。強くするために余分な処理をするとエネルギー使用が増えてしまうこととなります。
つまり古紙の回収が今以上に増えていくと、結果として黒液が減り、さらに余計な処理をすることでかえって石油などの使用が増えるということになってしまう。
環境に良いはずのリサイクルですが、限度があるということです。
では回収してもリサイクルできない分の古紙はどうしたらよいのでしょうか。それは素直に焼却炉で燃やすことです。新エネルギー導入政策の中には、廃棄物熱利用という項目があります。つまり、焼却はするが発生する熱は使おうというものです。そうすれば、その分石油が節約できます。でも、CO2が発生するなんていわないでください。紙の原料は木です。木は大気中のCO2を吸収して成長しています。結局、紙を燃やしても大気中のCO2は増えたりしないのです。もちろん、ちゃんと森林が保全されていることが前提ですが。
まったく同感で使い捨て文化は手軽ではありますが、やりすぎると資源・エネルギーの限界に達してしまいます。したがって、3Rの実行は大事です。
しかし、3Rにも限度があります。やりすぎると返って逆効果になりかねませんというお話です。
しばらく前から、「古新聞・古雑誌・衣類のぼろ」という毎度おなじみのちり紙交換の声を聞くことがなくなりました。古紙の価格が下がったために商売にならないのだそうです。ところが、製紙業界は2000年に古紙利用率56%を達成したといいます。ですから、古紙の回収は増えているのです。誰が集めているのだろうと自分の町内を考えてみたら、自分たちで集めているじゃありませんか。自治会や学校のPTAなんかが主体になって各家庭から集めてまとめて業者に渡しています。
しかもこの自治体やPTAはごみ削減と資源(古紙)回収が目的ですので、古紙の値段が下がったからやめるということはなく、むしろどんどん集めてします。そのお陰で古紙の利用率というのはどんどんあがってきているそうです。
回収可能な古紙の割合上限は65%といわれているので、56%といえば大分限界に来ているといえます。
そこでこれ以上の古紙回収は必ずしもエコ、すなわちエネルギー消費抑制にならないというお話です。
紙の原料はパルプといわれる繊維です。古紙から再生パルプを作るには除塵、漂白などに電気つまり石油等必要になります。
一方、原料木材チップを溶かして化学パルプ取り出すと、後に黒液と呼ばれるものが残ります。この黒液は燃料になりますので、木材チップから紙を作るときには石油等の燃料は必要ないのです。
ちなみにこの黒液は新エネルギーに分類されていて、1999年実績で457万kL(原油換算)も使われています。2010年の新エネルギー導入目標は原油換算1910万kLですが、黒液だけですでに24%を達成していることになります。ちなみに2003年度の原油輸入量は2億4500万kLです。
回収古紙からの再生パルプの使い道ですが、板紙(お菓子の箱など)ではすでに90%が再生パルプからできるそうです。板紙は7層の紙を重ねるそうですが、間の5層は漂白しなくても良いからだそうです。新聞紙などではまだ3割だそうですが、これを今以上増やすと紙質の低下(新聞紙がすぐ破れるようになる)する。強くするために余分な処理をするとエネルギー使用が増えてしまうこととなります。
つまり古紙の回収が今以上に増えていくと、結果として黒液が減り、さらに余計な処理をすることでかえって石油などの使用が増えるということになってしまう。
環境に良いはずのリサイクルですが、限度があるということです。
では回収してもリサイクルできない分の古紙はどうしたらよいのでしょうか。それは素直に焼却炉で燃やすことです。新エネルギー導入政策の中には、廃棄物熱利用という項目があります。つまり、焼却はするが発生する熱は使おうというものです。そうすれば、その分石油が節約できます。でも、CO2が発生するなんていわないでください。紙の原料は木です。木は大気中のCO2を吸収して成長しています。結局、紙を燃やしても大気中のCO2は増えたりしないのです。もちろん、ちゃんと森林が保全されていることが前提ですが。
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